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写真を始めて見えたこと

こんにちは。しおりです。
前回のnote、予想の何倍もの反応をいただけてびっくりしました。とっても嬉しいです。
いいねや拡散、メッセージなどありがとうございました。

さて、高校を卒業した後接客の仕事を始めた私は、新しい環境に目を回しながらも優しい先輩方のおかげでなんとか毎日を過ごしていました。

禁止だったTwitterは卒業式が終わった直後に開始。
高校生の間ずっと見ていた速報アカウントや選手をたくさんフォローして、タイムラインはすぐに陸上一色になりました。
リアルタイムで情報が知れることに非常に感動しました。

はじめの一歩

仕事に少しずつ慣れてきた5月、卒業後初めての県総体がやってきました。もちろん応援も初めてです。

緊張と楽しみであまり眠れず迎えた当日。
競技場に着いた時、時間が止まった気がしました。


「ああ、ずっと動画で観てたところだ」

私は今画面の向こうの世界にいる。
思わず涙ぐんだ視界に飛び込んだエメラルドグリーンのユニフォーム。
3年間憧れ続けた市船陸上部の選手は、肉眼で見ると画面の中よりも更に輝いて見えました。

情報を発信する立場へ

スタンドに腰かけ応援をしている最中
「陸上部の卒業生は進学される方が多いので、平日は学校で試合結果が分からないのでは?」と思い立ち、唐突に不慣れな速報とスマートフォンでの撮影が始まりました。

なんせプログラムの売り場どころか存在も知らない頃です。
天台の競技場にはリザルトが表示されるモニターがないので、ひたすらアナウンスを聞きながら一心不乱に文字を打ち速報をツイートしました。
正確な情報が求められているのに間違えてしまうことも少なくなく、訂正のリプライやDMもいくつか届きました。
とにかく拙い出来で申し訳なかったし、落ち込みました。

そこでやっと気づいたのです。

「Twitterにいる人達、すごい」

それまではタイムラインに流れてくる情報を何も考えずに受け取っていましたが、全てのツイートの文字や写真の向こう側には発信してくださってる人がいること、そしてどれだけ知識と気力が必要なのか痛感しました。
また、発信側を経験をしたことで視点も変わり、速報を載せてくださっている方のありがたさが更に分かりました。

速報に加えスマホで撮った表彰の写真やレースの動画も載せてみたところ通知は更に増え、驚きながらも「楽しいかもしれない」と思いました。

カメラを手にしたきっかけ

写真を撮り始めたきっかけは、父が一眼レフを持っていたからです。
Canon 60Dと付属の望遠レンズが2本。60Dは初心者向けのエントリー機のひとつです。

EKIDEN Newsさん、かえさん、さとるさん、すえさん……
競技の素敵な写真を撮られてる方々がいらっしゃるのは知っていましたし、見るのもとても好きでした。
あんなふうに撮れたら楽しいかも。
軽い気持ちでその年の県選手権にカメラを持っていきましたが、何にも分からないままシャッターを切った結果は当然惨敗。
被写体がぶれてピントはめちゃくちゃで、憧れていた方たちのような写真とは程遠いものになりました。

「撮る人って凄いなあ、私には無理かもなあ」
それでも何となく諦められないまま、試合にはカメラを持っていくようになりました。

そのまま冬を越し春になりシーズンを迎えましたが、相変わらずカメラのことは何が分からないのかすら分からない状態。
静止画ならちゃんと撮れるので、表彰好きだし表彰を撮る人になろうかな……なんて考えを胸に、1年振りの県総体にカメラを持って向かいました。

写真だからこそ見えたもの

昨年より少しだけ進歩した速報や写真を載せながら迎えた最終日。その日は予定の合った元クラスメイトの女の子と応援しました。
その子が私と一緒に撮りたいと自分の一眼レフを持ってきたんです。
彼女はそのカメラで競技中の写真もたくさん撮っていました。
それがもう、ものすごく格好良かったんです。

1番印象に残っているのは男子4×400mR決勝の写真。
東海大浦安4走の花田シオン君が爆走して逆転優勝を決めたのですが、前の学校を抜く瞬間花田君が笑顔になっている写真があったんです。

見せてもらった時とても感動しました。
走ってる姿をただ見つめていた私には花田君の表情までは分からなかったです。
お友達に頼んで私のTwitterに載せさせてもらったところ、たくさんのいいねとRTがつきました。自分が「素敵だなあ」と思った写真を多くの方と共有できて嬉しかったです。

改めて「瞬間を切り取る写真ってすごい」という実感と、「やっぱり私も競技中の写真を撮りたい」という気持ちが芽生えました。

県総体が終わり、翌月の関東総体も天台で開催されました。
情けないことに未だにカメラはシャッターの切り方くらいしか分からずにいました。
そこに声をかけてくださったのがあのかえさん(Twitter:@k_7250)です。

一度お写真が素敵すぎて引用RTしたことがあり、その際にリプライで少しだけお話させていただきましたが、まさかお会いできるなんて。
緊張しましたがとても明るく優しい方で、非常にお話しやすかったです。

そのときに夢中でカメラのことをたくさん聞き、なんとマニュアルの設定まで教えていただきました。
その直後に撮った写真がこちらです。

南関東男子110mH決勝です。

選手を追いかけず1台のハードルに固定しているのでレースの状況や一人ひとりの表情、フォームなどがよく見えます。
陸上競技がコンマ1秒を争うスポーツだと伝わるのではないかな? と今でもお気に入りの写真です。

初めて自分の撮ったものを「いい!」と思えたし、選手の格好良さを切り取る競技写真の楽しさに目覚めた瞬間でもありました。
ひとりでいたらやめていたかもしれないと思うと、お友達とかえさんには感謝してもしきれないです。

自己表現の道を探して

その後競技写真を本気で撮ろうと決意した私は、新人戦直前の9月頭にボディとレンズを今のCanon 6D、白レンズ(70-300mm F4-5.6)に買い換えました。

6Dはフルサイズのハイアマチュア機という位置付けで、白レンズはCanonの純正レンズで高級機です。いくつも種類がありますが白塗りの塗装が特徴で、プロの方も使われています。
いきなり高級機を購入したのは、言い訳せず宝の持ち腐れにもならないように頑張ろうと決めたからです。

市船の選手を始めとして多くの方々と関わりを持たせていただけるようになったのもこの時期からです。

大好きな市船の選手や保護者さんとお話できるようになったのは今でも夢のようですし、陸上部でもなかった私の撮影を受け入れてくださったのは本当にありがたいことです。

色々な方とお話をすることで
「私はどんな写真が撮りたいのか」
「陸上のどこが好きでなぜ写真にしたいのか」
「市船陸上部のどんなところが素敵なのか」
などの考えの基盤が徐々にできあがっていきました。

ほどなくして私の頭の中は陸上と写真のことでいっぱいに。
応援の形のひとつとして写真を撮るようになりました。

今は陸上の写真のみ、ではなくポートレートなど他のジャンルの撮影も始めてみたりなど写真自体を独立して捉えています。

客観的に自分の写真を見ると
「ここがだめだな」、「こういう条件が苦手だな」など、たくさん課題が浮き彫りになります。
もう下手すぎて見たくない! となることもよくあります。

正直苦しいけど、でもそれ以上に楽しい。
本気で何かに没頭できるって幸せで楽しいことなんです。

正解がないゆえにたくさんの壁にぶち当たり続けていますが、その度に自分なりの答えを出して日々写真と向き合っています。
何かを表現するとかつくるって、何でも辛くて楽しいのかもしれないですね。

とっても長くなってしまいましたが、写真と出逢って没頭するまでのお話は以上です。

色々思い出しながら書きましたが、やっぱり人との繋がりが私の人生に色をつけているんだなと思います。
私もそんな人になりたいし、そんな写真が撮れたらいいなあ。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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