かすかだけれどたしかな香りをもつ島
ハワイのマウイ島でおおきな森林火災が起こっているというニュースを見た。マウイ島を訪ねたのはいつだっけと数えてみたら、20年ほども前のことだったのに驚いている。
火災はウエスト・マウイのラハイナが特に被害が大きく、報道されている写真は胸がいたむほど土地の様子を変えている。
ハレアカラ山の高地に向かう内陸部の2箇所でも起こっていて、まだ鎮火されていないところもあるという。
マウイを訪ねたときのことを書いておこうとおもった。
私はそのとき、知人のコンドミニアムに1週間ちょっと滞在した。ラハイナのあるウエスト・マウイでなく、空港のあるカフルイから東に向かったところにあるハイクという土地だった。
1週間の滞在はあっという間で、高級ホテルのある東端のハナやハレアカラ登山、火災に見舞われている歴史のまちラハイナなどを訪ねる時間はなかった。
何をしていたかというと、コンドミニアムに滞在しながらオーナーによる色に関する講座を受けていたのだった。
日中はプログラムがあるから、出かけるというと車ですぐに行けるパイア地区のカフェやマーケット、マカワオでのショッピングやホオキパでのビーチあそびくらい。
講座のスケジュールをこなしたあとに、バケーション的に滞在をしていれば、ハレアカラやハナ、ラハイナといったあたりの観光もできたのだけれど、事情がゆるさずそれきりになってしまった。
日本との時差は19時間あるハワイ、ひとりで飛行機を乗り継いで、やっとマウイのカフルイ空港に着いたときは緊張と長旅でへとへとだった。空港まではオーナーファミリー(日本人です)が迎えにきてくれていて、顔を見たときの安堵感は大きかった。
空気が軽くてやわらかで、滞在先に到着したとたん時差ぼけの眠気に襲われ、備えつけのハンモックで昼寝をさせてもらった。すごく気もちがよかった。
滞在中の何度かは朝からカフェに出かけてコーヒーをとった。店に入るとそこの客がみんな笑顔で「Hi!」とかって挨拶してくるのにすごくびっくりした。日本で、朝からそんなにこにこしている人は見たことがないし(みんなしかめっ面で仕事に向かっている)、ただカフェで顔を合わせただけの見知らぬ人に挨拶なんてしないから。
まちをすっぴんで歩いていても、半分水着みたいな格好して歩いていても、、後ろ指さす人がいないようなところもよかった(いたかもしれないね)。
オーナーの娘のハナちゃん(仮名)はそのとき7歳で、地元の公立学校に入ったばかりだった。元気いっぱいで人見知りなんてしない子で、彼女はハワイで生まれたのだ。たしか6歳くらいまでは日本で育っているから、日本語とちょっとの英語(その当時)を話した。
このあいだ何かではなちゃんの現在を知ったけれど、もう大学も出てしっかり大人になっていて仰天した。そうか、20年も経つんだもんね。
滞在期間中、ママのお仕事(というのは色の講座)中でも合間の観光タイムでも、ずっとちょろちょろと付いてまわってた姿が懐かしい。
マウイはすごくのんびりした土地で、ハワイの空気としかいえないような特別のかおりと軽やかさがあった。
滞在中に何度も虹を見た。ビーチで遊んでいたら、海におっきなアーチがかかったのを見てはしゃいでいたら、そばにいた地元の女の子に「虹なんてしょっちゅう出るじゃん(英語)」といわれてしまったり。
きっとまた来よう、と強くおもったのに叶えられずに今に至っている。
いま、あの土地が、一部は壊滅的な状況にあるというのがとても切ない。せめて少しでも早いうちに鎮火してくれたらいいと祈るしかない。
オーナーファミリーはハイクからもう少し内陸部に引越しをしたと聞いている。無事ならいいのだけれど。
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文中で仮名を使ったけれどハナちゃんのYouTubeチャンネルがあったなと思いだして、見つけたから貼り付けておきます。
ぜんぜん更新されてなくて2年前のものだけど、かき氷というのが季節的にマッチしているし載せてみます。
彼女が大学生のときのもので、ママそっくりに育っているのが内輪ネタ的にじーんとする(声も話し方までそっくり)。
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今日の「かき氷」:この夏のヒットはカルピスや牛乳で作るかき氷です。とても安あがりだし手軽だし、あっという間に体が冷えるのがいいですね。
長崎にはハナちゃんのYouTubeに出てくるようなかき氷店は見当たらないです。しくしく。
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