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旅と巡礼

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近所だったり、ちょっと遠くだったり。旅と巡礼とは切り離せないもののようです。
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#振り返りnote

宮崎には苔の研究所がある

 飫肥でぜいたくなお昼ごはんを食べた後、世界でここにしかないという苔の研究所を訪ねた。苔の研究所と聞いたって、どんなもんだろうとあまり興味の湧かなかった私だけれど、案内役の友人にみんなでついていく。正式には服部植物研究所という名称です。  ドアを開けて中に入ると、研究員か学芸員の方とおもわれる2人がいて、研究活動の手を休めて見学について簡単に説明をしてくださった。入口で靴を脱いでスリッパに履き替える。静かな空間で、展示してある苔や服部博士(ここをひらいた人だ)の愛用品などを

双塔をもつ聖堂

 福岡県三井郡大刀洗町というところに、今村天主堂という教会堂があって、2018年に一度だけ訪ねたことがあります。  教会建築で有名な鉄川與助氏の設計です。  双塔の聖堂というのは珍しいですね。今村天主堂は大きいので、近くで見上げるととても迫力がありました。  訪問時、敷地内に簡易な待機所があって、信徒の方が対応してくださいました。中へ入って、見学してください。中では写真はご遠慮くださいね、と説明をしてくれました。  このあたりにも潜伏キリシタンの人々が暮らしていて、大

宮崎で彫師さんのことを思い出した

 宮崎で、天岩戸神社にお参りしたとき、手水舎に貼ってあったものに目が行きました。  写真を撮り損ねたのですが、彫師さんのステッカーに見えたんです。その瞬間、以前ちょっとご縁のあった彫師さんが言っていたことを思い出したんです。  その方は、彫師であり、デザイナーであり、その他にも色んなお仕事をされていたのですが、彫師として使う道具類を神社で清めてもらうと言っていました。  そのあたりのことをすごく詳しく伺ったわけではなく、雑談程度だったのでそのことが悔やまれるのですが、その方

旅のおもたせと買ってきたものなど

 宮崎では、友人たちが色々ともたせてくれました。会えるだけでもめちゃくちゃ嬉しいのに、みんな優しいな~と感動で心がふるえます。マンゴーのことは既に記事にしましたので、他のものについて書いていきます。  以前、あくまき(ちまき)のことを書きました。  このときに「いつか機会があったら宮崎や鹿児島のものを食べてみたい」と書いていて、このおもたせのおかげで、宮崎のあくまきを食べることができました。  友人が一番好きなあくまきのお店は遠いらしく、2番目か3番目においしいやつと言っ

愛想のなさについて

 これは、小さいころからへばりついているクセというのか、性格というのか、とにかく私は愛想がない。赤ちゃんの頃から人見知りをして泣いて、両親の営む喫茶店でほとんど毎日数時間過ごしていたような子ども時代もそれで過ごし、周囲から大人扱いされる年齢まで続いた。  何が原因かはわからない(原因があるのかもわからない)けどまあ、そういうことで損することも多かっただろうと想像する。  そこのところに、生きる上でのいろいろの成り行きが重なり、数年前まで感情が凍りついたみたいになっていた。

「あなた方にしあわせがありますように」

 五島列島といっても色々で、列島というくらいだからけっこう大きい。行政区域は4つに分かれているし、その島ごとの印象はずいぶんと違う。今日は上五島のことを書く。  石造りが珍しい頭ヶ島(かしらがしま)教会は上五島の白浜地区というところにあって、その重厚な外観と、それとは対照的なかわいらしい堂内の様子が人気を集めている。『花の御堂』と呼ばれていこの教会の設計は鉄川與助氏で、天井部分はリヴ・ヴォールトではなくハンマー・ビームで折り上げてあり、空間にゆとりを感じられる演出がなされて