ラストカルテ

20230908
　私は、身近に「死」を感じたことはない。戦争を経験した訳ではないし、家族・親戚はまだ生きている。しかし、その時が来てしまったら、僕はどう感じているんだろうと思うときがある。この漫画は、そんな「死」について考えさせられる。
　記憶力に優れている高校生の当麻健匠はとある事件を契機に「法獣医学」に興味を持つ。家族に獣医がいる同級生の茨戸爽介と共に、動物の死因を究明していきながら、友情を深めていく物語だ。
　「法獣医学」とは、動物の不審死や不明な病原を特定する学問だそうだ。僕は、このような学問があることに驚いた。正直に言ってしまえば、動物の死因究明は簡素なものなのかなと思っていた。そんな中で学問として確立され、人間と同じように扱われているというのは良いことだ。この学問は、まだ新しく、認知度も低いそうだ。救える動物の命を救うためにも、この漫画で認知度が上がることを願う。