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小説における味変…?

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読書記録 2023年12月21日
「コンビニ兄弟〜3」/町田そのこ

青春友情物語かと思ったら、家族愛や夫婦愛を描いたり、大人のほろ苦さのある恋愛小説になったり、推しとオタクの関係性を描いてみたり、小説における「味」があるとしてそれが今述べたものなら、味変何回できるの?っていう作品だった。

オムニバス形式の短編集だから、活字をスマホやパソコン以外で普段あまり読まない、小説に苦手意識があるかも、って人でも手に取りやすいんじゃないかと思うし、(実際私が半年以上本読んでなくて久しぶりに手に取ってハマったのがこの本でした)登場人物が何十人、そのなかでも主要なのは十数人くらい(あくまでも体感)なんだけど、その一人ひとりにスポットが当たっていてキャラにたくさん愛着持ちながら読んだ😌
なかでも、推しキャラがツギさんっていうキャラクターで、このキャラの言動で何度幸せになれたか…って思うほど好き。そばにいてくれたらいいのになって何度も思わされた。

この作品の二面性として、「兄弟」はこころのなかの「表裏」なんじゃないかと思っていて、「弟」はこころの表側、人前でいい格好になろうって取り繕うわたし、一方の「兄」は自分の理性的な部分で、俯瞰して自分を客観視してるようなそんな一面のわたし、を描きたかったんじゃないのかな、とも思いながら読んだ。
うまく文章で言えないけど、ふたりを自分の心の中に住まわせていたつもりが、もともとふたりは自分の心の中にいたんだなってことに気づかされた。わたしだけじゃなくてあなたにも彼にも彼女にも、みんなが心や言動に二面性を持っていて、そのことに気づけるような、そして身近にいる人をもっと大事にしたいと思えるような、そしてこれからの出会いを前向きに受け入れていきたいと思えるような、そんな作品でした。

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