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USCMA 合格体験記 part1試験

USCMA Part1 試験について記載しました。勉強期間は24か月で、2回目で合格しました。だいぶダラダラとやってしまいました。

Part1は、簿記(商業に加えて工業簿記)を勉強してきたことがあれば、Part2に比べてある程度の部分は非常にとっつきやすい内容になろうかと思います。


0. Part1の全体感について

前提として、日商簿記を勉強したことがあったので特にExternal Financial ReportingとCost Managementに関してはスムーズにインプットが進みました。それ以外の領域では、特にInternal ControlやTechnology and Analyticsは初めて学ぶ内容が多く時間を要しました。

試験内容は全体的に基礎的なものが多く、計算問題も多くはなく、最初に挑むにはちょうど良い内容だと思います。Part2は一方で、計算問題が多いだけでなく時間も掛かる問題がありますので、これと比べるとPart1は戦略的に時間を考えながら問題を解いていくというよりは、順番にひとつひとつクイックに解いていくという事が容易にできました。ここで自信をつけてPart2に挑むというのが良いと思います。

1回目の試験はTACのインプットとテキストのみで挑み300でFail 。2回目はBecker演習ソフトを使用し400で合格しました。勉強方法については別途記事を作成しますので詳細な手順はそちらの記事をご覧ください。

1. External Financial Reporting Decisions

外部向けというところでBS、PL、Cash Flowなどの計算書のお話になりますがUSCMAの勉強をこれからはじめるにあたって、とっつきやすく、準備運動として良いユニットです。BSとPLがRetained Earningsを通じて、こんな風につながっていますよという基本的な流れを、仕訳やTBを見ながら、復習できます。

続いて、その流れからBS関係について深く入っていくことになりますが、ここが結構細かいので挫折があるかもしれません。内容は、Asset Valuation、Investment、Liabilities and Equityなどを学んでいきます。例えばAsset ValuationであればInventoryの先入れ先出しとか後入れ後出しとかそういう話です。社債や資本関係は、少し疲れるかもしれません。

難しかったところは、Cash Flow Classifications (Operating、Financing、Investing)の部分で、個別取引のパターンの区分が、多岐にわたって覚えにくいです。ここだけはテキストを見て覚えるのではなく、特に問題集重視で様々なパターンを解いて肌感覚を掴んでおく必要があると感じました。

また、Impairment Testの部分では何を言っているのか分からず拒絶反応がでました。ただ日本語で考えると実は大したことを言っていないので、落ち着けば大丈夫です。焦ったり挫折したら、落ち着いてください。日本語のテキストであれば拍子抜けする内容だと思います。でもこの落ち着くのがむずかしいんですよね。

全体を通じて辛かったのは、ボリュームが多いというところです。Part1、Part2ふくめ一番教科書のページ数が厚い気がします。

よかったところは簿記の基礎を復習できたというところです。

2. Cost Management

ここは、Contribution MarginとActivity Based Costing最強の世界です。前者はなにかというと、売上から変動費を引い利益を見たら、良い感じの管理できるんじゃない?というアイデアですので変動費が何なのか、固定費と何が違うのかをまず学びます。後者は、コストの配賦は活動に基づいてやりましょうといった、工業簿記で学ぶ内容が続きます。

こちらも全体的にボリュームが多いですが、一言でいうと、とにかくコストを色々こねくり回して、あれよこれよと一番わかりやすい感じに組み立てなおしていくという事をやっているだけです。
Contribution Marginの話はPart2でも出てくるので、ここで必ず覚えてください。でも覚えるといっても、売上から変動費を引くってだけですよ。本当にそれだけの話を長々と教わります。

難しかったのは、このユニットは計算が多いことに加えて全体的に英文の問題のパターンに慣れるのに苦労します。例えば、何を何kg買ったとか、per unitがどうとか、どこで何gallon投入したとか(ガロンってなんやねん)、だれが時給何時間働いたとか、とにかく情報量が多くて頭が真っ白になりやすいです。まとめて簡素に問題を作ってほしいと思いました。

よかったところは、例えば在庫が完成品になるまでのBS科目の基本的動作をわかりやすく復習できたことです。また後半の部分ではBusiness Process Managementなど概念的な話に切り替わるので、前半でへとへとに疲れたところで、ひと休みができます。

3. Planning, Budgeting and Forecasting

待ってました!ついに予算策定ユニットに突入です。ここはPart1の中では1番面白く、実務にも使える内容でした。やはり過去ではなく未来を考えるというのが今までと一線を画しますよね。内容は、業界を取り巻く環境から業界と、まずは外的要因を考えていき、そして企業の内的要因に入り、戦略的に中長期・短期の予算や予測を作っていくというものです。

私がここで教わった大事なことは、結局これは人間の世界の話ですから、コミュニケーションって大事だよ。という事でした。色々書いてありますが、それをメソッドで補足しているだけです。

難しいところは、Learning Curve計算にはパターンとして慣れが必要です。慣れれば何も難しいことはないですが、慣れないと頭が真っ白になります。経験済みです。

よかったところは、やはり予算(未来)を考えるというところで他のユニットとは違う面白さがあった事です。

4. Performance Management

FP&Aとして配属されたら、めちゃくちゃ実務でやらされる内容になります。Price Volume Analysis (予実対比における価格差異とか数量差異みたいなやつ。Mixまでは勘弁して。)、Favorable variance, Unfavorable varianceなど外資で働いていたらまず知っておくべき内容です。

Profitability Measureの部分ではROI、ROA、ROEなど似たような名前のRatio問題がでてきますが、ここはPart2でも出てきますのでここで覚えてしまいましょう。私はここを手抜きしたので、エッセイでROAとROIがどっちがどっちだか分からなくなり、1回目の試験を落とすことになるのでした。

難しいところは、Price Volume Analysisの部分で、予算引く実績なのか、実績引く予算なのか、引く方向がどっちか分からず頭が真っ白になる現象がありました。ここは原点に返り、人間の感覚として、これは何となく損してるんだよなあ(あるいは何となく得してるんだよなあ)と考えれば正しい計算にたどり着きますから落ち着いてください。MixとかEfficiency varianceとか細かい計算までは、正直気力がなく捨てました。

よかったところは、実務で絶対に使う内容を学べた事でした。

5. Internal Controls

ここで急に話が内部統制に切り替わります。SOXとかFCPAとかAuditの話です。いままでずっと工業簿記や予算の話で来ていましたので、え?なんで?という感じでガラっと雰囲気を変えてきます。

このユニットを一言でいうなら、組織を統制しようとするならこの立体的なすごい四角形を覚えてねという事です。すごい四角形というのは、厳密にはCOSO Cubeと呼ばれるものですが、ここが覚えるボリュームが多く初めて学苦戦すると思います。このユニットはPart2のERMでも関連した話が出てくるのでしっかり覚えなきゃだめです。

難しかったところは、簿記で学んでこなかった内容かつ面白くない(個人の感想)のでモチベーションが上がらなかったことです。一方、Part2のERMはより実践的になっているのでそちらは面白いと思います。

よかったところは、外部監査に関する内容を学べたことです。管理会計でこれ学ぶの?という疑問がありましたが、一般知識として知っておいて損のない内容です。

6. Technology and Analytics

ここもこれまでに学んできた計算や簿記というところから離れて、ITとかデータ管理のお話になります。ですから内部統制と同様に気分転換(新鮮味があります)になるようなユニットです。またボリュームも多くありませんので気軽にスタートできます。

特徴的なのはm点々が多いグラフがたくさん出てくることです。そういう集合的なものを見るのが苦手な方には辛いかもしれません。いろんなデータを分布図にあてはめて法則をみつけようとか、そんな話です。

難しかったのは、Regression Analysisで、とてもビジーで摩訶不思議な数字が羅列されたテーブルが実際の問題に出てきます(これは実はエクセルで備わっている標準機能で出してるやつです)。このテーブルは見方が分からないうちは拒絶反応がひどく、頭も真っ白になります。

対策は、ぜひご自身でエクセルでそのテーブルを作ってみてください(Youtubeで探せばたくさん出てきますし、20minで作れるようになれます)。これを1回でも作ると、そこで初めて読み方が分かりますし、こんな簡単な話だったのね、というかほとんど問題には関係のない情報ばっかりやんけと、拍子抜けします。

そうです。頭がもう真っ白になる事はありません。ちなみに試験に受かった後にまたこの摩訶不思議なテーブルを見てみたのですが完全に読み方を忘れていましたので、ここは試験直前で良いと思います。Part2でも出てきません。実務では結構使えるんだと思います(使ったことありません)。

よかったことは、実践で使うグラフの見方を学べた事です。

7. Part1を終えて

全体として、管理会計の基本を商業・工業共に学ぶことができました(というよりも簿記を英語で復習している感が強い)。試験が日本語だったらどんなに楽な事か。また、Part2に挑むにあたって英語での試験を始めて受ける良い経験になりました。

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