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「顧客から考える」 - 言語化されていない深層心理をつかむには

〜顧客起点マーケティング Part 6〜

「顧客起点マーケティング」は、一人の顧客を起点に商品やサービスの新たな可能性を見つける概念です。一人の顧客を徹底して理解することから有効な打ち手を導き出して拡大展開し、対象とする顧客セグメントの人数や構成比(%)の動きを見ることで、マーケティング投資の効果検証まで行います。自社ブランドはもちろん、競合ブランドや狙いたい商品・サービスに関して、調査によって競合の顧客分析を実施すれば、新商品開発にも活かすことができます。また、BtoBにも応用可能です。
たった一人の顧客の意見を聞くことを「N1分析」、これを通して見つかる、人の心を動かせる商品・サービスの魅力や訴求を「アイデア」と表しています。定量的なアンケート調査や統計分析は、仮説の絞り込みやコンセプトの検証には有効ですが、それだけでは、人の心に訴えて行動を起こしてもらうだけの強度のある「アイデア」をつかめません。
とはいえ、無作為に選んだ誰か一人に話を聞けばいいかというと、それだけでは有効な施策には繋げられません。顧客と一括りに言っても、そのステータスは様々です。そこで、まずマーケティングが投資対象とする顧客全体の人数や構成比(%)を正しく把握するために、ビジネスの対象とする顧客を5つに分解する「顧客ピラミッド」のフレームワークがあります(図1)。この、顧客を複数のセグメントに分類した図をM-Forceでは「セグマップ」と称しますが、別名「5セグマップ」ともいいます。さらに、ブランド選好度の軸を加えて顧客全体を9つに分解する「9セグマップ」のフレームワークもあります(図2)。

図1:顧客ピラミッド(5セグマップ)

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図2:9セグマップ(5セグマップにブランド選好軸を加えた顧客分析)

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これらのフレームワークを活用して、特定の顧客セグメントから一人を抽出して「N1分析」を行い、購買行動を左右する言語化されていない深層心理のニーズをつかんで「アイデア」を開発して、定量的な検証も行って打ち手を検討します。実施したら、結果的にセグメントが狙い通りに動いたのか、各セグメントの人数や構成比(%)を確認して、評価します。顧客分析のフレームワークは、一度作成したら定期的に調査によって数字を更新し、継続的に運用していくものです。
2つのフレームワークのうち、顧客ピラミッドについて一連の流れを紹介すると、次の5ステップになります。

【1】顧客ピラミッド作成: 調査により顧客を5つのセグメントに分解
【2】セグメント分析:行動データと心理データから各セグメントの基本的な顧客特性を分析
【3】N1分析:セグメントごとの「一人の顧客(N=1)」にインタビューして、認知や購買のきっかけと深層心理を分析
【4】アイデア創出:N1分析を元に、その顧客の行動と心理状態を変える「アイデア」を考案
【5】アイデア検証:「アイデア」をコンセプトに変換し、定量的調査でポテンシャルを評価して実践し、顧客ピラミッドの動きを確認 

次回はより詳しくそれぞれのフレームワークや分析の必要性を説いていきます。

書籍紹介:
たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)
1000人より1人の顧客を知ればいい。P&G、ロート製薬、ロクシタンを経て「スマートニュース」をアプリランキングで100位圏外からNo.1へ伸ばした著者が確立した「顧客ピラミッド」「9セグマップ」「N1分析」を全公開。

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