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9segsデータを取得する3つのタイミング

この記事はこんな方にオススメ

  • 9segsの導入を検討している方

  • 9segsの導入後、ベストな9segsデータ取得の頻度を検討している方

9segsデータ取得タイミングの3タイプ

過去に9segsを導入頂いた方に、9segsデータ取得のタイミングをお伺いすると、大きく3タイプに分かれるようです。

  • 1. 施策実行前に顧客戦略(WHO&WHAT)を策定して、効果を上げたい

  • 2. 施策実行後に、顧客起点での次の成長機会を特定したい

  • 3. 年次計画に自社・競合の顧客心理・行動の現在地を反映したい

書籍「顧客起点マーケティング」をお持ちの方は、

  • 4-2「詳細な行動データと心理データの分析」の章が「1. 施策実行前に顧客戦略(WHO&WHAT)を策定して、効果を上げたい」の例

  • 4-4「テレビCMでPDCAを回して集中投下」の章が「2.  施策実行後に、顧客起点での次の成長機会を特定したい」の例

となっているのでご参考になるかもしれません。

それぞれの導入タイミングの解説

1. 施策実行前に顧客戦略を策定する

9segsを扱った書籍「顧客起点マーケティング」でも紹介している利用方法のため、最初の利用目的として多いパターンです。

例えば書籍「顧客起点マーケティング」で紹介されている例では、スマートニュースにて2018年4月に9segsを導入し、同年後半に策定した顧客戦略(WHO&WHAT)に基づくのプロダクト施策「ワールドニュースチャンネル」、およびそのTVCMを実施しています。

施策の実行までのリードタイムから逆算して導入タイミングを決める必要があります。そのため、想定される施策のスケールに合わせて、逆算で9segs導入のプロセスを決めていく必要があります。

2. 施策実行後の​次の成長機会を特定する


施策実行後の顧客心理・行動を理解し次の伸び代(次の戦略・施策のタネ)をみつけるために利用​するパターンです。

例えば、施策実行後に次の成長機会を特定する過程では以下のような検討ができます。

  • 「認知未利用(認知しているが、まだ一度も自社製品を購入したことがない顧客)の中でも特に◯◯◯◯な人を狙った施策を行ったが、実際には△△△△な顧客が増えている。なぜか調べて、引き続き◯◯◯◯な人に注力してよいか確認しよう」

  • 「競合の◯◯◯◯というアクションは、大きな投資を行ったように見えるが顧客の心理や行動に大きな影響はなさそうだ。その対策に時間を裂きすぎるのはやめて、もともとの計画に注力しよう」

  • 「これまで新規獲得は◯◯◯◯な人に注力してきたが、認知未利用の中で◯◯◯◯な人の割合が3年前に比べて△△%まで低下しているようだ。次の注力する顧客を探し始めなければ」

これらの検討を可能にするために、例えば夏休みが重要なシーズンで自社・競合ともに施策を集中投資するタイミングであれば9月頭など、適切なタイミングを選んで9segsデータを取得します。

3. 年次計画に顧客理解を活用する


年次計画に利用する例です。年次計画にどのような内容を含めるかは会社よって違いもあると思いますが、大きな施策とそれに必要な予算の合意が含まれる会社は多いのではないでしょうか。

9segsを年次計画に取り入れるケースとしては、例えば以下のようなものがあります。

9segsによるu-NPIのベンチマーク
  • 競合に比べて、認知者に占める利用者の割合が低いので、認知者の中での利用者への転換率を競合他社並に上げる→+◯◯%の利用者/+◯◯億円の追加売上ポテンシャルを見込む ※この際に「特に認知者の中でも誰に注力するのか」「その人はどうなるとユーザーになってくれるのか」はまさに顧客戦略(WHO&WHATの領域となります)

5segsによる認知者内の利用者への転換率ベンチマーク


年次計画に活用する場合、その策定タイミングから逆算して、その根拠となるデータの取得→分析→関係各所とのディスカッションなどの時間を確保しておくことが望ましいでしょう。

ここまで読んで頂いて気付かれた方もいるかもしれませんが、キーワードは「逆算」です。自社の施策展開までのリードタイムや、社内プロセスを踏まえて9segsデータを取得するタイミングを決められるとよいでしょう。

実際の運用では、3つ全ての目的に利用される

これまで3つの9segsデータの取得タイミングを紹介しましたが、実際には下図のように、1つの9segsデータを複数の目的で利用することが多いです。

年間に9segsを行う回数・タイミングは「毎年特定の時期」「大きな施策のpre/post」​ などで決定し、年間2~4回が多い。9segsデータ取得直後だけでなく、​ 常に変化する環境の中で進む様々なプロジェクトの戦略立案に用いる​

図の例はあくまで一例であり、業態によっては製品/プロダクトへの大きな変更は1年~数年かかることもあるかと思います。その場合も各タイミングでの9segsデータの取得から常に最新の顧客理解を経て、4Pに反映させていきます。

一定以上の規模に成長した事業にとって、顧客の心理・行動のリアリティを知っておくことは、施策の「的を外さない」ために非常に重要となります。かつては有効だった施策、他社では効果のあった施策も、自社の顧客心理・行動から見た成長機会・戦略と合っていなければ、同様の効果は得られません。逆に、定期的(といっても1日、1週間で顧客の心理・行動が変わることは極めて稀です)に顧客心理・行動を理解することで、複数年に渡った継続的な成長のための、マクロのPDCAが可能となるのです。

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