ゲームと攻略と集合知

ゲームの攻略って集合知ありきだよなと思う。思った。ありきではないと思う実際には。


社会活動はしばしばゲームに例えられる。就職活動はゲームとか営業活動はゲームとかそういうやつだ。こういうことを言う時にたいていはゲームであることよりもむしろゲームであるから攻略法があることの方が強調されていると思う。


ゲームに攻略法があるとすればそれはゲームが「可変かつ数量化可能な結果」と「結果に対する価値設定」、そして「プレイヤーの努力」を有するからだろう。この3つはイェスパー・ユールの『ハーフリアル』で取り上げられたゲームの特徴である。前出の社会活動をこの特徴に当てはめてみよう。就職活動は内定した企業の数やその質(業務内容や給与かもしれない)によって価値が決定される。その結果に努力が介在するといえる。営業活動で言えば獲得した顧客の数や質である。


プレイヤーが攻略するといったときにそれは「プレイヤーの努力」を表しているだろう。つまり数量化可能でよりポジティブな結果に向けて努力するということだ。

ゲームと攻略について具体的に考えていこう、私たちがゲームを攻略するというときには以下のような目的が含まれていると思う。

・ゲームのクリアを目指す

・より高いポイントをとる

・他のプレイヤーを倒す

・欲しいアイテムをゲットする

などなど


とりあえず以上のようなことを攻略の目的として想定する。細分化、具体化すれば他にもたくさんあるだろうが割愛する。


攻略したいプレイヤーが多ければ多いほど攻略のための集合知も蓄積される。

ゲームで価値ある結果を獲得するための努力はその結果が社会的なものであればあるほど集合知の活用が重要であると同時に、集合知にいかにしてアクセスするか、できるかが結果を左右すると思うがどうだろうか。


近頃ゲームチェンジだなんだといわれるが、社会的ゲーム(社会的遊び)は先に挙げた特徴から逸脱することはなさそうである。攻略がゲームの特徴に基づくものであるものならば攻略方法が大きく変わることもないだろう。ゲームチェンジしたところで勝てるプレイヤーが大きく変わることもない気がする。

参考文献

Juul,J.(2005) HALF-REAL Video Games between Real Rules and Fictional Worlds,MIT Press.イェスパー・ユール(2016)『ハーフリアル』松永伸司訳 ニューゲームズオーダー




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