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「いたちのめがね」制作の話

Frenz2023という上映会用に作品をつくってました。
いやぁ楽しかった!クリエイターの異種格闘技戦のような場所でここでしかみれない作品があるのがFrenzという上映会。

出品作品が全部新作のみという縛りがあるので、作家さんの新作をみながら観客からダイレクトにリアクションが返ってくるという

ライブ×エンタメ空間。

この熱気が他の上映会だと出せないんだよなぁ、、
映像作品作ってる人は100人以上に確実に見てもらえるし、感想も直接言ってもらえるのでおススメ。

作り終えて上手くいったとこと、いかなかったとこが明確にでてしまったので、、
ちょっと文言で頭の中をまとめようと思ったお話です。
(作ってる人以外は見てもおもしろくないかも、、)

作品はこちらからみれますー

楽曲はシンガーソングライターのサボテン高水春菜さんの「いたちのめがね」を使わせていただいてます!

作業期間の都合で全尺でなく、編集してMVにさせていただいてます、、
絶対、全尺は終わらないという自信があった、、
曲を全部聞くと、このあとイタチたちが「殺し屋」になったり、「下請け業者」になったりもっとコミカル要素が追加されてくので、是非きいてみていただけたら!


アニメーション制作工程

①キャラクタービジュアル(ラフ、決定稿)
キャラクターはイタチの楽団という設定。
もりやすじさんのよう曲線のフォルムが可愛いキャラにしたいとおもってラフを描き進んでました。ならべてみるとネズミ(のようにみえるイタチ)が一番、そういう感じでてるかも。

描いてく中で、右端のクマ(のようなイタチ)が打楽器の方が曲にあってるなぁと思い変更。
今考えると、このギターの持ち方って左利き用だね、、、

背景は全カット描いてる時間がないから必要なとこ以外は最初からイメージBG想定。FIXのキャラの背景が本番の時に使った背景。

キャララフ
キャラFIX

②コンテ
コンテ書くのに考えることはカットのつなぎ方や見せ場の設計。
今回は「いたちのめがね」という楽曲だったのでめがねの中に入り込んでシーンが切り替わるトランジションの仕方を想定してました。

サビで車が走ってくシーンを大胆なカメラワークでみせてフックにしようとしてたのだけど、、
ここのカットがうまくいかなかった。上がったカットを見て頭を抱えた、、
テストカットをもっと挟むべきだった、、
3Dでアタリ組むなり試行錯誤できたので、踏ん張りがたらねぇぜ、、

後半のいたち達がぴょんぴょんしてくところは想定通りに陽気な感じでてたんだけど。

参考としてはちびまるこちゃんの私の好きな歌「1969年のドラッグレース」。いたちがぴょんぴょんするところは「忍たま乱太郎のOP」。
コンテ描く際にイメージを固めるために見た後で、コンテをかいてました。

コンテを全部かいてから進んでるわけでなくて、6割くらいできたら歯抜けのカットを挟んでもう作画にいってました。その時にカット単体のアイデアがでなくて、後から考える!で進めてました。(なんとも突貫作業、、)

どういうカットを並べるかは「次のカットにどうつながるか」で考えるのがほぼほぼですね。

上手くつながったなぁでいうとアオリのカットでイルカが飛び出て、真昼の太陽をセンターに鳥が飛んでる→次のカットは鳥を挟んだ俯瞰図で夕景に時間変化してるカットは上手くいったと思いました。

鳥を使ってのアオリ→俯瞰のカメラのつなぎ方に差がある分、変化としておもしろくできたなぁと。視点の受け渡しが上手くつなげれました。

俯瞰の構図、もうちょっとおもしろいレイアウト考えれるとかあったけど、、

③レイアウト
失敗はここにつきる。
レイアウト面白いカットを考えれないと、、ここでカットの最大出力値がほぼ決まるので、レイアウトの工程をしっかり考えたいですねぇ、、
時間がないと自分の手持ちの札しか出さないので、粘らないと面白みのあるカットは生まれないと最近よく思ってます。

④作画
今回はラフのアニメから一気に彩色の工程に飛んでます。
タッチが多いアニメだとこういう手法をとりがち。細かい動きの制御は動きみながらできる範囲でその都度直すという。あまり真似しない方がいいと思うやり方。しっかり描かないブレみたいのも味になるだろうっていう想定で進めてました。

ラフ作画

動きの設計これにもう少し足したら、彩色の工程にうつってるので、ちゃんと原画の設計をした方がいいですねぇ。

今回は作画ツールはクリスタでやっていて、彩色ブラシもクリスタの「パステル」というブラシ。色味が下の色と混ざるので、コマごとに微妙に色が変わるのが味になって面白いなぁと思い描いてました。意図せずに色味が変わったりもしてます。

メガネの中へ入るトランジションは先にAEでカメラワーク組んで、それをアタリに書き出してます。デジタルのガイドがあることで安心して作業できるのと、タッチをいれると自然とデジタル感がなくなるのでいい感じのハイブリット具合になってます。

デジタルをガイドにした作画

⑤エフェクト
エフェクトは波のキラキラくらいしか入れてないですね。
撮影処理かけると手書きの感じとデジタルがなじまないというのもあり。
その代わり手書きのエフェクトで太陽光や流背を入れ込みましたー

⑥色調補正
途中段階で知り合いにみてもらい後ろが白だと色面との境界の色味が濁るからカラーグレーディングした方がいいとアドバイスをもらい、全体にトーンカーブやフィルタをいれて少し中間の色をたたせるように調整しました。
こういうの言われないときづかない。結果、見栄えよくなったので、アドバイスもらうの大事。

作成してみてまとめ

もうレイアウトと丁寧な作画はずっと課題なので、何かしら練習が必要ですね、、(短尺の作品でも定期的に作ろうかな)
今回は手書きタッチで動くことがワクワクするような作品にしたかったので10代~20代前半の頃にぼくが見てた「みんなのうた」の作品のテイストが出てまとまったと思います。

作ってみて「憧れた人達はもっとうまかった、、」とも、本当、おもった。
作者と作品タイトルでいくつか書き出すと

坂井 治さん 「金のまきば」
わたなべさちよさん 「しあわせだいふく」
南家こうじさん 「やさしさ」
西内としおさん 「メッセージソング」

などなど

今回出したのは宣伝の意味もあって今回、曲をつかわせていただいた高水さんのMV「黒猫は路地をゆく」をエバンスさんとのユニット「OBIKYU」で2022年に作らせてもらって、今も2人で高水さんの楽曲で新しい作品を作らせてもらってます。
(黒猫のこと今年もFrenzの打ち上げ感想会でも触れていただいてたみたいでありがたい、、)

2人で作った後に後悔が結構あって
「もっとよくなるはずだったよね、、」とお互いに話してたので、もう1度だけつくってみようと

前回よりも2人での話し合いの時間をとってる分、結構、時間がかかりそうなので(来年、完成予定)色んな人に興味もってほしくて今回、参加させていただきました。

そのうち制作日誌もこちらに書くと思うので、気になる方いたらnoteフォローしていただけたら

長くなってしまいましたが、以上が「いたちのめがね」制作の振り返りでした!
Frenzは来年も開催は決まってるので、気になる方は作品出した方が確実に楽しめる上映会なのでチェックしてみてくださいー

制作はみなさんお早めに!


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