未成熟な思考回路と不安定な情緒。

十代って不思議だ。

自分が他人とは違った人間で、みんな楽しそうなのに自分だけが辛い気持ちを抱えていて、誰にも理解されないこの世でいちばん可哀想な人間だと思っていた。

馬鹿馬鹿しい話だが、本気でそう信じて疑わなかった。
「可哀想で孤独で異質な自分」に陶酔していた。
ひょっとしたら、割と多くの人が通る道かもしれない。

今になって考えると絶対にそんな訳はないのだけれど、未成熟な思考回路と不安定な情緒しか持ち合わせていなかったから、そうやって自我を保っていたのだと思う。

何も知らないがゆえに厭世的になるのも仕方ない。そして、何も知らないくせに世を憂いて己を憂いて、世界に毒を吐く。
そんな時期があって良かったし、自分自身の感性は否定しなくて良かったのだと、大人になった今はそんな風に思う。

あの頃、それぞれが「自分だけが可哀想で孤独で異質」だったあの仲間たちはどんな大人になっているだろうか。
もう誰とも連絡は取れないのだけれど、ふと、そんなことも考える。

彼女たちの生きる今が幸せでありますように。
そして今、そんな厭世観に苦しむあなたたちの未来が幸せでありますように。


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