カーナビ

税理士竹ちゃんの「脱・カーナビ?!」

「今日からカーナビは禁止です。」「今日からバックモニターも禁止です」と言われたら・・・どうしましょう?
現代人には過酷な試練となります。

でも、思いませんか?
「カーナビを使い始めてから道を覚えなくなったなぁ・・・」と。

特に昭和生まれで、道路マップをシコタマ見てきた世代にとっては思いますよね。

カーナビのみならず、「バックモニター」も同じ。

昭和生まれは自力でバック可能でしょう。
でも、平成生まれの「完全バックモニター世代」にとっては、もしレンタカーを借りてバックモニターが付属していないタイプだった場合、相当焦るんじゃないですか?
*************************************************************************
これは「会計の世界」でも同じことが言えるんです。
*************************************************************************
「会計ソフト」って非常に便利です。
無くては困ります。
入力すれば、あちこちに数字が連動して、色々な資料へとつながる。

これを昔は手作業でやっていたんですよ。
「オフコン」という専用機はありました。
しかし、前提として、勘定科目印や手書きで、振替伝票を起票して、
そこからオフコンまたは元帳に転記して・・・。

それが今や、販売管理ソフトから会計ソフトへDON!
給与ソフトから会計ソフトへDON!
銀行データから会計ソフトへDON!
・・・DON!DON!DON!のイケイケドンドンな時代です。
**********************************************************************************
でも・・・その弊害として、確実に、人間の「勘」っていうのは衰えている気がします。
**********************************************************************************
税理士・会計士と言った日々数字と向き合う職業会計人であればまだしも、一般企業の経理担当者は、確実に「数字に対する勘」が衰えている気がします。

それはなぜか・・・。

会計ソフトで作ったものって、見た目もきれいで、整然と並んでいて、間違えている気がしないんですよ。
確かに、「足し算・引き算」についての間違いは、会計ソフトのおかげで大幅に減りました。
でも、「異常値」というか、今までなら「おかしいぞ?!」と思える能力を持っていた人ですら、チェックが次第に甘くなり「はい、出来ました!」ってなるんです。

で、顧問先さんに月次監査に訪問した際に、申し上げる訳ですよ。
「これ、残高が多すぎませんか?何か漏れているんじゃ?」と。
すると・・・「あ・・・販売管理とのデータ連携が、前の数字のままでした」とかって。

あと、出す資料・出す資料で、同じであるべき数字がどれも違っている。
で、クライアントさんに申し上げるんです。
「どれが正解ですか?」って。

しかも、経営陣・営業部隊は、このようなチェックの甘い資料をベースに営業会議を開いているんです。

そもそもがオカシイ数字をオカシイと気づかず、販売戦略にそのまま使われている・・・非常によくあるケースです。

僕は常々お客さんに申し上げます。
「自己検証能力を持ってください、高めてください」と。
そして、「正しい柱を必ず1本持ってください」と。

「自己検証能力」って言うのは、自分で正しいかどうかをチェックできる能力を持つ、という事。これは自分が税理士独立前の駆け出し時代からかなり厳しく上司に言われてきました。
「これが正しいと検証してみろ。どうやって検証するんだ」と。

「正しい柱」って言うのは、(ここまで遡れば)絶対に正しいと言える【第一次資料】のこと。今やPCの普及で1つのデータがあらゆる資料につながります。でも、1つ間違えればどこで間違っているかが非常に分かりづらい。
もし、普通預金データがオカシイと思ったらどうやって調べますか?
「通帳(orネットバンキングデータ)」ですよね。
それが第一次資料(=原始資料)です。

税務調査でも調査官の多くは必ずこう言います。
「御社がパソコンで作った資料じゃなくて、相手先から貰った原始資料を見せてください」と。
在庫データでもそうですよね。
「パソコンに入力する前の実地棚卸をした時の原始資料があるんじゃないですか?それを見せてください」と。

上場企業ならまだしも、年商数億の中小企業であれば、必ず、アナログな資料とパソコンデータとの「双方向利用」ってのが不可欠なんです。

「弥●会計」がいくら素晴らしいソフトでも、ソフトはその入力された数字が正しいかどうかは教えてくれません。100円を100万円と入力してもソフトは何も言いません。

自己検証能力をもつこと。
正しい柱を1本もつこと。

IT過信気味な今の時代、
忘れられがちですが非常に重要なポイントだと思うのです




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?