旧作ザオリク図書館「だって好きなんだもん！ ２巻」レビュー

　さて、肉食系男の娘・天崎あすかが、女子校で奮戦するこの作品。いきなりの最終巻です！
　どうもヤングチャンピオン連載時の読者アンケートで苦戦したようで、２巻でフルスロットルな大団円となります。

　冒頭は主人公・あすかが、意中の寮長かほりと寮の同室になってしまうエピソード。その晩、女子会パジャマパーティでかほりの酒乱が発覚。ウイスキーボンボンで暴れだしたかほりによる、エッチな小騒動。

　続いては、女子校に現れた下着泥棒を捕まえろ！ という回。おとり捜査にみんなが下着姿となって、サービス満点の眼福回です。ただし犯人は、百合っ気ある美人理事長さんのおふざけでした（笑）
　この理事長も女装の秘密を知ってるんだよなあ。百合趣味だけでなく、男の娘も好きというね。

　二巻中盤、新キャラの新聞部部長・轟真伊登場。外見は性格悪そうな眼鏡少女さんです。
　美少女（？）転校生であるあすかを取材中、轟はスクープの匂いを嗅ぎつけて、密かに盗撮行動を開始。まんまと浴場での全裸キスシーンを撮られてしまいます。
　その後、エッチなスクープ写真を公開しない交換条件に、メイドやチアガールなど、コスプレ写真をさんざん撮られるあすか。しかし悪どい轟部長は、さらにいやらしい姿を強要しようとする。
　そこをかほりが、すかさずシャッターチャンス！ セクハラ現場を逆に激写することで形勢逆転。なんとか轟を屈服させたのでした。

　そしてとうとう、最終エピソードです。なんと女装が全校生徒にバレる事態まで、一気に突っ走りますよ。
　というのも、演劇部のロミジュリ風芝居に、助っ人として参加することになった、あすかとかほり。
　部員不足に悩む演劇部の手助けなのですが、その芝居中にあろうことか、あすかが大暴走！ 体育館で全校生徒の見守るなか、ラブシーンを演じて興奮しすぎた彼女は、かほりにマジキスをおっぱじめてしまいます。さらには、それ以上の行為もやらかそうとして、下半身はもはやシティハンター状態！

　いやいや、女装少年の秘密がバレる状況って、色々パターンがあるとは思いますが、これほど自業自得なバレ方もありますまい（笑）弁護の余地無しなドスケベ自爆であります。
　その結果、周囲の女生徒や教師にも性別の秘密がバレてしまい、体育館は騒然。ショックを受け、その場を逃げ出すあすか。慌ててかほりも、寮の相部屋まで追いかけます。

　その後、二人は女子校を出ていく、出ていかないの言い争いの中、かほりがついに自分から愛を告白します。その時の台詞が、タイトルと同じく「だって・・・好きなんだもん！！」とは、思わず読者もほっこりです。
　そしてそして、短いページ数ながら、ついに二人は肉体的に合体！　流石は最終回、恋路も猛ダッシュなのです。
　気になる話のオチは、女子校のみんなはあすかが男でも、可愛いから全然許す！ という微笑ましいもの。あすかのとびきりの笑顔で、この物語は終わります。

　結局あすかが、かほりと東郷先生のどちらを選ぶかは、はっきり明示されませんでしたが、まあ最終回の流れからして、かほり優位なのはまず確定。
　あと、全２巻完結で尺が足りなかったせいで、１巻の脇キャラ達の出番が、あんまり無かったのはいささか残念ナリ。しかし話自体は、きっちりハッピーエンドに締めているので、なかなか満足できるラストでした。キャラ絵も凄く綺麗ですしね☆

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