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朝ケーキ

朝に食べるケーキが好きだ。
子供の頃から誕生日の次の日の朝に残ったケーキを食べると前日に食べたケーキよりも美味しく感じた。

朝に食べるケーキが美味しいのは、ケーキが一晩寝かせることで熟成するからだと思っていた。
一晩寝かせるって言葉は食べ物を美味しくしてくれそうな魔法の言葉だ。
しかし、ケーキの賞味期限は当日なので、寝かせると確実に賞味期限切れになる。美味しく変化する方向に向かっていくわけがない。

朝に食べるケーキが美味しく感じるのは、ケーキというものが朝食べるものではないという概念が僕の中であるからだ。
ケーキというご馳走は誕生日の時などの特別な時に食べることが多かったし、朝食は味噌汁や卵焼き、納豆などいつも同じものを食べることが多かった。
そんな質素な朝食に特別感をもたらしてくれるのがケーキなのだ。

朝なのにケーキ。

いつもとは違う良いことが起こる。
この良い違いの幅は幸福感と比例する。

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