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連覇の道は遠く険しいものだった。【Bリーグファイナル】

近くにあると思ったら、手が届かない場所にそれはあった。
たくさんの奇跡が積み重なり、連れてきてもらえたFINALの舞台。
今年こそは目の前で優勝の瞬間を目に焼き付けたい。そう思って行ったGAME3の横浜アリーナ。

日本で一番喜ぶ選手の顔を見に行ったけど、日本で一番辛そうな選手の顔を拝む結果となりました。

あまりのショックで今日は一日“虚無”でした。夕方の便にしたことを死ぬほど後悔しています。今、飛行機の中でこの文章を書いています。

選手は一足お先に沖縄に戻ってきているようですね。
どうかゆっくり休んでほしいけど、明日から特番の出演、シーズン報告会と休む間もなくファンの前に出て、今の気持ちを語らないといけない選手の心境を思うと胸が苦しいです。

でも、最後に「敗戦」をしてしまったからそこにフォーカスしてしまうけど、結果は「準優勝」なんですよね。
B1の24チームの中で、ファイナルまでバスケットが出来ることを許されるのはたった2チームで。そんな中キングスはCSの全ての対戦カードをGAME3まで戦って。どのチームよりも長く、たくさん試合をすることができました。
その事実にフォーカスをすれば、とても「幸せ」なシーズンだったのではないでしょうか。

最後の最後に、キングスより広島が素晴らしいバスケをした。

それだけの事なんです。
“それだけ”と言うにはおこがましいし、選手が負った心の傷はこんな安っぽい言葉で癒えるものではない事は百も承知で。でも前向きになる言葉を発しないと何も変わらないし気持ちの整理もつかないんです。

ポジティブな面を探そうと思えばたくさんあります。3年連続でFINALの舞台に進めたこと。CSのセミファイナルで言えば6回進出しています。CSにすら出れないチームが多数ある中で、この成績は胸を張っていい。
※Bリーグ初年度(2016シーズン)のみクォーターファイナル(QF)敗退。以降は毎年QFを突破していて、2021シーズンからセミファイナルも突破できるチームになりました。

そして、去年の5月28日、日本で一番悔しい思いをした千葉ジェッツの今シーズンの成績はどうだったかと言うと。
Bリーグの本戦で言えば地区優勝を逃し、ワイルドカード下位でCSセミファイナルまで進みましたがキングスの壁に阻まれた結果となりました。それでもEASL優勝、天皇杯優勝の2冠を達成しています。

今シーズン無冠のキングスは来シーズンどこを目指すのか

私としては千葉ジェッツを超えるタイトルの獲得に期待したいです。
敗戦の悔しさが選手、チームを成長させる。という話をこの数日色々なメディアで目にしました。千葉もそうだし、広島もそう。エバンスのインタビューにはグッとくるものがありました。
キングスも来シーズンの飛躍のために今回の敗戦があったのだと信じたい。

来シーズンEASLに参加できる権利を与えられたのは琉球ゴールデンキングスと広島ドラゴンフライズの2チームのみ。まずはここの頂点を目指してほしい。

そこから天皇杯。こちらもスーパーシードが確約され、セミファイナル・ファイナルの2試合を勝てば優勝できる地位をすでに獲得できているわけです。100回目の大会で初の天皇杯の頂点へ。いいストーリーじゃないですか。

もちろん本戦であるBリーグの成績も大事ですが、終盤にチームケミストリーが高まりワイルドカードで勝ち上がった広島の姿を見ていると、必ずしも地区優勝がゴールではないのかなとも感じました。

そりゃあEASLと天皇杯と地区優勝とリーグ優勝の4冠獲れたら最高ですけど、今年のキングスの過密日程を見ていると、現実的なのはEASL、天皇杯、地区2位orワイルドカード上位→リーグ優勝の3冠ではないかなぁ。千葉もきっとそのルートを目指していたはず。

西地区6連覇という素晴らしいタイトルを持っていることには変わりない。でも今年のCSを見てみれば、地区優勝チームはもれなくセミファイナルで3チームとも敗退。短期決戦に勝てるチームにするためには地区優勝にこだわらなくてもいいのでは、というのが今の私の見解です。

もちろん、今の落ち込んでいる状況で考えていることなので無限掌返しはありえます。4冠狙え!!って言ってる自分も想像できる。

過程じゃなくて結果で魅せるチームであってほしい

どういうことかというと、
「今シーズンはこれまでで一番辛いシーズンを送ってきました」
という表現が終盤目立っていて、確かに天皇杯ファイナルでの大敗や名古屋、広島の壁に阻まれて逃した地区優勝の座など、見てて辛かったシーズンだったのはその通りで。
でもそれを当事者であるチームが、「こんなに辛いこと乗り越えてきたから最後にいいことあるよね」みたいな発信するのってやっぱり違うんじゃないかなと思ったんですよ。

やっぱりキングスが楽しそうにバスケをしているのを応援するのが好きなんですよ。楽しくバスケをしている先に結果がついてくる。今シーズンは選手が楽しくなさそうに、辛そうにしている試合が多かった。それは自分たちで「今年は辛いシーズンだ」と自己暗示していたのも影響してる気がします。あくまでも外野の意見ですが。

「あの敗戦はもう過ぎたこと!私たちは目の前の試合、目の前の相手に集中して勝ちだけを見て戦います!」と発信するのが「勝者のメンタリティ」なんじゃないかなあと思うんですよね。

漫才のコンテストとかでもこれまで頑張ってきた「過程」にフォーカスし過ぎて、本質である「その日一番のパフォーマンスをした者が勝つ」という所が薄れてる気がして。勝負の世界に「がんばったで賞」なんて存在しない。

頑張ってきた「過程」を誇らずに、結果を出し、その「結果」を誇れるようなシーズンを送ってほしいなと思っています。

とにかくキングスの皆さんが今シーズン一番長くバスケットをして、たくさんの喜びを私たちに与えてくれたことに変わりはありません。大きな改革が起こるであろうオフシーズン、毎日震えながらSNSを追っていきますね。

改めて、2023−24シーズン準優勝おめでとう。
来年もたくさん応援させてくださいね。

そして初優勝の広島ドラゴンフライズの皆様、本当におめでとうございます。
本当の闘いはここからですよ。どうか来シーズンもバスケットを楽しんで、Bリーグを盛り上げていく存在でいてください。沖縄アリーナに凱旋した時は横浜アリーナの比じゃないブースターの声援で歓迎いたします。

やっぱりバスケは最高ですね。気持ちの整理がついたところで飛行機が着陸しました。この辺で失礼します。

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