彼女の話
率直に思い浮かんだことは
羨望
嫉妬
希死念慮
フィクションだろうがノンフィクションだろうがものがたりはいつでも煌めいていて
眩しい。
誰もが羨み誰もが憧れる。
ストレスを発散させることもある。
自分ではない何かを演じることは
とても緊張するのだけれど
いつだって自分は自分のままだった。
だから私は役者になりきれなかったのかもしれない。自分から抜け出すことが出来なくて
与えられるものはいつだって私そのものだった。
細い首に両手をかける彼女と
笑顔で涙を流す彼女。
どちらも不幸だったしどちらも幸福そうに見えた。
自ら死ぬことがどれだけ難しいか。
自室で紐を、縄を握る彼女の姿を想像できる。
雨のそぼ降るこの小さな世界で
私を孤独にさせるものを
私は愛している。
終
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