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【読書記録】2024年2月25日〜3月2日

 みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
 人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。

 以前ちらっと書きましたが、私、今年の1月に転職しまして2ヶ月が経過しました。
 …で、やっと仕事に慣れてはきたのですが、ひとつ問題が。
 …その問題とは、新しい職場で「読書好き」が見つからないこと!
 というか、仕事に慣れるのに精一杯で、そんな話をする余裕もないという。
 もう少し落ち着いて自分の居場所が確保できたら、今度は「読書好き」を探して職場内を徘徊しようかと。
 早く見つかれ「読書好き」。

 では、早速今週出会った本たちをご紹介します。

【2024年2月25日〜3月2日に出会った本たち】

⚪️無貌の神
 著者 恒川光太郎

【内容紹介】
 赤い橋の向こう、世界から見捨てられたような場所に私は迷い込んだ。そこには陰気な住人たちと、時に人を癒し、時に人を喰う顔のない神がいた。神の屍を喰った者は不死になるかわりに、もとの世界へと繋がる赤い橋が見えなくなる。誘惑に負けて屍を口にした私はこの地に囚われ、幸福な不死を生きることになるが…。現実であり異界であり、過去であり未来でもある。すべての境界を飛び越える、大人のための暗黒童話全6篇!

出版書誌データベースより

【収録作品】
無貌の神
青天狗の乱
死神と旅する女
十二月の悪魔
廃墟団地の風人
カイムルとラートリー

【感想】
 6編全て時代も場所も、そしてテイストも異なる短編集。
 表題作の〝無貌の神〟の少し不自由だけど、片目をつぶればそんなに居心地が悪くもないこの世界は、もしかして現代日本を皮肉っているのでは?
 〝廃墟団地の風人〟の最後はちょっとほろ苦いラストでした。
 一番のお気に入りは最終話の〝カイムルとラートリー〟。人の言葉を話せる獣カイムルと、千里眼を持つ車椅子の公女ラートリーの物語は、もうこの設定だけでドキドキワクワクしてしまいます。
 第2話〝青天狗の乱〟の仮面の秘密も知りたいし、ディストピアもタイムトラベルもGOOD。とにかく良作揃いでした。

⚪️雷の季節の終わりに
 恒川光太郎

【内容紹介】
 現世から隠れて存在する異世界・穏(おん)で暮らすみなしごの少年・賢也。穏には、春夏秋冬のほかにもうひとつ、雷季と呼ばれる季節があった――。著者入魂の傑作長編ホラー・ファンタジー!

出版書誌データベースより

【感想】
 舞台は地図にも載らない現代日本からは隔てられた土地「穏」。そこには春夏秋冬に加え冬と春の間に「雷が降る季節」が存在する。隔てられてはいるものの一部は日本とも行き来があり一見牧歌的でとても平和そうに見える世界ですが…。
 独特の風習、「風わいわい」という精霊のような不思議な存在。主人公の少年・賢也の秘密と驚異的な力の持ち主ハトムネキの正体とは?これはホラーというよりダークファンタジー。
 最後に賢也の秘密は明かされますが、この後彼はいったいどうなったのか?そう、最後というか未来を読者の想像に委ねるのが恒川さんらしい。

⚪️秋の牢獄
 著者 恒川光太郎

【内容紹介】
 11月7日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。朝になれば全てがリセットされる日々。この繰り返しに終わりは来るのか──。圧倒的な切なさと美しさに満ちた傑作中編集。

出版書誌データベースより

【収録作品】
秋の牢獄
神家没落
幻は夜に成長する

【感想】
 あるものに囚われた、いや縛られた人たちを描く中編3編。
 〝秋の牢獄〟は11月7日を繰り返す女子大生の話。
 〝神家没落〟は全国を旅する「家」に囚われた男性の話。
 そして〝幻は夜に成長する〟は幻覚というか魔力というか宗教団体に囚われた女性の話。
 どれもやっぱり現状からどうやって抜け出すのかというか、どう折り合いをつけるのかが気になって一気呵成に読み進めました。
 もし自分が同じ日を永遠に繰り返すとしたら、まずは何をするかな?なんて考えてみるも、考えれば考えるほどなんだか虚しい気持ちに…。
 やっぱり人生は有限だからいいのかなぁ。

⚪️南の子供が夜いくところ
 著者 恒川光太郎

【内容紹介】
 島に一本しかない紫焔樹。森の奥の聖域に入ることを許されたユナは、かつて〈果樹の巫女〉と呼ばれた少女だった……呪術的な南洋の島の世界を、自由な語りで高らかに飛翔する、新たな神話的物語の誕生!

出版書誌データベースより

【収録作品】
南の子供が夜いくところ
紫焰樹の島
十字路のピンクの廟
雲の眠る海
蛸漁師
まどろみのティユルさん
夜の果樹園

【感想】
 南洋に浮かぶ架空の島を舞台にした7編の連作短編集。
 青い海、眩しい日差し、色とりどりの花々、甘やかな果実の香りまで漂ってきそうな描写と、その向こう側にあるファンタジー世界。
 7編の中で一番心に残ったのは第2話の〝紫焰樹の島〟。これはファンタジーというよりはヨーロッパ人が冒険とか開拓と称して行った侵略と虐殺を描いた歴史物語。
 平和に暮らしていた先住民の生活に自分たちの尺度で、無理やり便利や快適を持ち込んで、何もかも破壊し自分たちの都合のいいように塗り替えてしまった自称「文明人」の悪行。
 これは他人事ではありません。日本も同じことをしてるんだから。

⚪️月夜の島渡り
 著者 恒川光太郎

【内容紹介】
 鳴り響く胡弓の音色は死者を、ヨマブリを、呼び寄せる――。願いを叶えてくれる魔物の隠れ家に忍び込む子供たち。人を殺めた男が遭遇した、無人島の洞窟に潜む謎の軟体動物。小さなパーラーで働く不気味な女たち。深夜に走るお化け電車と女の人生。集落の祭りの夜に現れる予言者。転生を繰り返す女が垣間見た数奇な琉球の歴史。美しい海と島々を擁する沖縄が、しだいに“異界”へと変容してゆく。7つの奇妙な短篇を収録。

出版書誌データベースより

【感想】
 2012年に刊行された単行本〝私はフーイー 沖縄怪談短編集〟を文庫化にあたって改題した本書。
 沖縄諸島が舞台の7編の物語は、「沖縄」がいわゆる日本とは別の思想や信仰、文化をもつ国なんだということを再認識しました。
 どの物語も、読了後に考える余地を残す展開で、やはりこれが恒川ワールドというべきか。
 最も心に残ったのは〝月夜の夢の、帰り道〟主人公の未来が幸せでありますように。

⚪️空想科学読本 「高い高い」で宇宙まで!
 著者 柳田理科雄

【内容紹介】
 マンガやアニメには、驚異的な現象が続々と登場する。自分が投げた柱に跳び乗る! 触っただけで相手を凍らせる! パンチ一発で地球が真っ二つ! いずれもにわかに信じがたいが、どうすれば実現できるのだろう? 実現したらどんな目に遭うのだろう? 抱腹絶倒の科学検証シリーズ第4弾は、細心のアニメや定番の特撮番組から、『源氏物語』などの文学まで、31篇を厳選収録。科学的に考えると、夢の世界はますます楽しくなる!

出版書誌データベースより

【感想】
 2023年夏に刊行されたシリーズ第4弾!
 筆者お得意の仮面ライダーやウルトラマンだけではなく、フリーレンや転スラなど最近話題のアニメから文学作品まで幅広く取り上げています。
 一番笑ったのが太宰治の名作「走れメロス」の走った距離と時間、そして最後のダッシュのスピード!何もなければブラブラ歩いても余裕で間に合ったという。
 次にウケたのがカービィの骨格の話。想像図まで書いてあって、コレがまた気持ち悪いったらない。
 私はこの手の本が大好物なのですが世の中的にはそういう人多くないようで、読メの登録数が40人というのがちと悲しい。

⚪️頭がいい人、悪い人の話し方
 著者 樋口裕一

【内容紹介】
 何気ない会話に、その人の知性が現れる。難しい議論をしたわけではない、たわいのない世間話をしただけなのに……。社会に出れば話し方ひとつで、仕事ができるかどうか判断されてしまう。▼本書では、巷にあふれる愚かな話し方の実例をあげ、その傾向と対策を練る。▼まず、「あなたの周りのバカ上司たち」の実例。「道徳的説教ばかりする」「他人の権威を笠に着る」「具体例を言わず抽象的な話ばかりをする」……。続いて「こんな話し方では異性に嫌われる」実例。「何でも勘ぐる」「優柔不断ではっきり言わない」「自分のことしか話さない」……。さらに「人望が得られない話し方」の実例。「おべっかばかりで自分の意見がない」「ありふれたことしか言わない」「正論ばかりを口にする」……。数々の事例を読めば、思わず身近なあの人の顔が浮かぶ。そして、あなた自身も「バカに見える話し方」をしているのだ! 文章指導のプロが「書くこと」と「話すこと」の共通項を見つけ痛快に綴る。

出版書誌データベースより

【感想】
 「頭のいい人」ではなく、全編にわたって「悪い人」の話し方について代表的な40例を挙げ、これにそれぞれのパターンに対する「周囲の人の対策」と、「自覚するためのワンポイント」を加えたもの。
 例えば「少ない情報で決めつける」とか「人の考えをすぐに鵜呑みにする」、「綺麗事の理想論ばかり言う」など、さすがにこれだけあれば、一つや二つは心当たりがあります。
 もしも刊行当時に読んでいたら「あー、こーいうバカな上司っているよな」なんて思っただろうけれど、今回読んで「自分はこんな話し方をしていないだろうか」と心配になりました。

【まとまらないまとめ】

 いかがでしたか?
 2月中旬から探検してきた「恒川ワールド」、文庫14作品をフルコンプしました。
 これは度々書いてきましたが、ホラーといえば残酷な殺害シーンとかゾンビに追いかけられるといった直接的な恐怖をイメージしていましたが、恒川作品を読んで、もっと間接的な、なんというか心がザワザワゾワゾワするような居心地の悪さや落ち着かなさのような「漠然とした恐怖」みたいなものを味わいました。
 そうそう、読んでいて一つ思い出したのが子供の頃に抱いていた「夜」に対する恐怖感。実家が山の中だったということもあって、夜は本当に真っ暗でしーんとしていて、時々動物の鳴き声なんかもして、とにかく怖かった。トイレも外にあったしね。
 なーんて読了後にノスタルジックな気持ちになるのも恒川作品の特徴かな?
 さぁ、次はどんな物語世界が私を待っているのか!?
 楽しみ楽しみ。

最後に
 読書っていいよね。


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