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【読書記録】2023年9月24日〜9月30日

 みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
 人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。

 今週に入って急にというか、やっと秋めいてきましたね。
 9月29日は中秋の名月。
 残念ながら雲が厚くてお月様は見えませんでしたが、その代わりにマクドナルドの月見バーガーをいただきました。
 なーんて冗談はさておき、やっと、待ちに待った読書の秋がやってきました。
 とはいえ何か計画を立てているわけではなく、いつもの通り気になった本を片っ端から読んでいるだけなのですが…。

 ということで、今週も出会った本たちをざくりご紹介します。

【2023年9月24日〜9月30日に出会った本たち】

⚪️短編宝箱

アンソロジー

【内容紹介】
 眠れない夜。久しぶりの旅行。のんびりしたい休日…どんな時も寄り添ってくれるもの。それは、一編の物語。スリリングな大人の駆け引きにはらはらしたり、初恋に胸をときめかせたり、家族や友達との特別な絆に涙したり。2010年代、「小説すばる」に掲載された様々なジャンルーミステリから時代小説までーの短編作品から厳選。人気作家たちが紡ぐ宝物のような11編で、最高の読書時間を!

裏表紙より

【収録作品】
小さな兵隊 伊坂幸太郎 著
正雄の秋 奥田英朗
ロックオンロッカー 米澤穂信
それぞれの仮面 東野圭吾
星を見ていた 桜木紫乃
きえない花の声 道尾秀介
足跡 島本理生
閨仏 西條奈加
遠くから来た手紙 荻原浩
無言歌 浅田次郎
エンドロールが始まる 朝井リョウ

【感想】
 朝井リョウ、浅田次郎、伊坂幸太郎、荻原浩、奥田英朗、西條奈加、桜木紫乃、島本理生、東野圭吾、道尾秀介、米澤穂信(敬称略)、以上12名の豪華作家陣によるアンソロジー。
 積んでいた「ナツイチ2023」の1冊。
 裏表紙を見ずに書影に書かれたメンバーを見て即買い!
 タイトル通りまさに「宝箱」。
 …しかし、時代設定も、登場人物の性別や年齢も、ジャンルもバラバラ。
 全て読み終えてもこのアンソロジーのテーマが読めないまま読了。
 そして一番最後のページをめくってみたら「小説すばる創刊35周年記念として編まれたアンソロジー」だと。そりゃわからんわ!
 作家さんとしての初読みは道尾秀介さん。読了後の印象は「なんかちょっと難しそう」でした。男性陣に比べ女性陣の作品の方がなんだかきわどかったような…。

⚪️深呼吸の必要

著者 長田弘

【内容紹介】
 きみはいつおとなになったんだろうー繰り返す問いのなかに、子ども時代のきらめきを掬いあげる「あのときかもしれない」。さりげない日々の風景に、世界の豊かさと美しさを書きとめる「おおきな木」。人生のなかで深呼吸が必要になったときに、心に響いてくる言葉たち。散文詩二章三十三篇からなる、幸福な言葉の贈りもの。長田弘の代表詩集。

裏表紙より

【感想】
 なんだか慌ただしく雑事に追われ、心の栄養が不足がちな毎日。
 そんな時に、「一度立ち止まって、深呼吸して、周りをぐるっと見回してみなよ」と、優しく語りかけてくれるような言葉たち。
 前半「あのときかもしれない」は子供から大人になる瞬間を綴った9篇。
 後半の「おおきな木」からは、普段は目に留めないようなふとした物事からすっかり忘れていた「心の余裕」の大切さに気付かされました。
 そういえば最近、何かしらの目的を持って脇目も振らずに歩くばかりで、この本の中の〝散歩〟のように目的もなく只々思いつくままに歩くことってないかも。

⚪️孤独を生ききる

著者 瀬戸内寂聴

【内容紹介】
 人はひとりで生れ、ひとりで死んでゆく。恋人がいても、家族に囲れていても、しょせん孤独。群れていても、若くても、老いても孤独。ほんとうに自分が孤独だと感じたことがない人は、真に人も愛せない。孤独と向かい合い、飼い馴らし、新しい自分と出会える人だけが人生に輝く道を発見する。孤独を生ききるにはどうすればいいか。答えがこの本にある。

裏表紙より

【感想】
 「孤独を生きる」ではなくて「生ききる」というタイトルが魅力的。
 人は所詮孤独。生まれる時も死ぬ時も。
 夫婦は赤の他人が孤独を埋め合わせるために寄り合った一つのカタチ。
 血を分けた子供だって一人ひとり違っていて…。
 「人は一人では生きてゆけない」とはいうけれどやっぱり突き詰めれば孤独。だったらいっそジタバタしないで「人は孤独な生き物だ」と、ドーンと構えて生きていけたら…。
 読みながらそんな取り止めのないことをつらつら考えました。
 「老い」についてはいまいちピンと来ないのだけれど、近い将来向き合わなくてはならないので…。その時が来たらもう一度読みます。

⚪️木のいのち木のこころ(天・地・人)

著者 塩野米松

【内容紹介】
 法隆寺を1300年守ってきたのは、職人の手から手へと引き継がれてきた技と知恵。それは決して言葉にできない手の記憶である。“最後の宮大工"西岡常一が木と人の育て方を語る〈天〉の巻。三度追い返されながらも遂に西岡の唯一の内弟子となり、夢を実現させた小川三夫が、宮大工の未来を語る〈地〉の巻。さらに小川が主宰する鵤工舎の若者19人へのインタビュー〈人〉の巻。聞き書きの名作。

裏表紙より

【感想】
 日本最後の宮大工と言われる西岡氏。その唯一の弟子である小川氏。そして小川氏が主催する鵤工舎に務める職人(見習い含む)19人へのインタビューをまとめた本書。
 日本最古の木造建築・法隆寺と、それを守ってきた宮大工の知恵と技を通して、仕事に真剣に向き合うということ、後進を育てるということの大切さが語られます。
 服も、靴も、食べ物も、教育でさえも決まったカタチに人間の方を合わせようとするから弊害が起きる。人は皆個性があって、適材適所がある。それを見つけ生かすのが先を行く者の役割。
 教育関係の人にぜひ手に取ってほしい一冊です。

⚪️われ大いに笑う、ゆえにわれ笑う

著者 土屋賢二

【内容紹介】
 名作「わたしのギョーザをとって食べた人へ」をはじめ「胃カメラからの生還」「妻への詫び状」「論よりだんご」「女性を徹底的に賛美する」「わたしの教えた学生ワーストテン」など、常識の垣根を取り払い、森羅万象をユーモアと諧謔で解きあかした、お笑い哲学エッセイ集。著者自身によるイラスト多数収録。

裏表紙より

【感想】
 色々あってどん底まで気持ちが落ち込んだ時は、ツチヤ先生のエッセイが最高!
 とにかく何も考えなくていいし、逆に余計なこととか、このエッセイには何か深い意味があるのでは?とか考えると、無駄なエネルギーを消費するハメに陥る(土屋先生すみません)。…ような気がする。
 しかしなんなんだろうこの脱力感。
 ところで土屋先生のエッセイにはよく奥様が登場するけれど、夫婦仲は大丈夫だろうか?
 どの話も甲乙つけ難いというか比べようがないのだけれど、「感じのよい料理のほめ方、断り方」、そして「わたしのギョーザをとって食べた人へ」が最高!

⚪️心の傷を癒すということ

著者 安克昌

【内容紹介】
 イライラする子どもたち、災害マニー(躁病)、精神障害の再発と悪化、PTSD(心的外傷後ストレス障害)――災害がもたらした「心の傷」とは何か。そして本当の「心のケア」とは。阪神・淡路大震災で自らも被災し、すべて手探りから始まった精神医療活動。震災直後とその後のケア、避難所や仮設住宅をめぐる現実、救援ボランティアの役割など、心のケアに奔走した精神科医・安克昌が、被災地から発信した克明な記録。第18回サントリー学芸賞受賞作。

裏表紙より

【感想】
 精神科医の安克昌氏が綴った阪神淡路大震災の記録。
 第1章は震災直後〜3月。まず混乱そして手探りで診療・ケア。
 第2章は96年1月まで。この章で主に語られるのはPTSD(心的外傷後ストレス障害)について。
 そして第3章は被災から1年間の経験で得た「心の傷」とは何か、心の傷を「ケアする」とはどういうことかについてまとめられています。
 被災者へのケアはもちろんですが、復興に携わる自衛隊員、消防隊、医師・看護師をはじめとする医療チームへのケアが大切だということを知りました。
 それからボランティアは自己責任で行うこと。食料や寝床の確保も含めて。

⚪️偉人たちのあんまりな死に方

著者 ジョージア・ブラッグ
訳者 梶山あゆみ

【内容紹介】
 まさか、こんなにひどい最期だったとは!体液を抜かれ、蒸し風呂に入れられて死んでいったベートーヴェン。水治療と称して、凍るような冷水を浴びせられたダーウィン。医学が未発達な時代には、病気の症状自体よりもはるかに苛酷で、奇想天外な医療が施されていた。現代医学に感謝したくなる、驚きいっぱいの異色偉人伝!

裏表紙より

【感想】
 世界に名高い偉人たちの功績や生涯はよく目や耳にするけれど、彼・彼女たちの晩年や死後の詳しい話を聞いたことはない。
 この本はツタンカーメン、コロンブス、ダーウィン、マリー・アントワネット、ナポレオン、ワシントンなど、19名の偉人たちの最期とその後が語られています。
 どの人も最後は医療行為とは言えないような処置をされていたり、死後に遺体がひどい扱いを受けていたり…。
 とにかく驚きの連続でした。
 中でもアメリカ第20代大統領・ガーフィールドの話は酷すぎる!
 近い将来今の治療法も「残酷」とか言われるようになるのかもしれない。

⚪️テレビの重罪

著者 和田秀樹

【内容紹介】
 画一的でわかりやすい「正義」の垂れ流しで社会から多様性を奪い、国民の健康や生活を損ねているのがテレビだ!玉石混淆の情報に溢れるネットメディアが隆盛になればなるほど、数少ないチャンネル数で電波を独占状態にしているテレビが情報の信憑性を「担保している」と思わせる効果は逆に高まっている。そして、テレビが巨大な洗脳マシンのような役割を果たしていることに、視聴者の側はまったく無自覚のままだ。精神科医の著者が、テレビが犯してきた重き罪を明らかにする。

裏表紙より

【感想】
 コロナ真っ只中の2022年5月刊行なので、話題の中心はコロナとロシアvsウクライナ問題。加えて高齢者の自動車事故と運転免許返納問題、若者の自殺やスクールカースト問題など、これらをテレビがどう報じて、世論をどう誘導してきたかについてまとめられています。
 多少極端な気もしますが、テレビ、特に民放はスポンサーがあるので、その影響は絶大だし、かといってNHKは国の思惑からは逃れられないし、初めからそういうモノだと思って観ないと、そっちの方向に思いっきり引っ張られてしまう。
 もはやネットメディアでさえそんな感じだとか。
 メディアリテラシーの重要性を再確認しました。

【まとまらないまとめ】

 いかがでしたか。
 今週も先週に引き続きエッセイやドキュメンタリー中心に、幅広いジャンルの本と出会いました。
 そんななか一番心に残ったのが長田弘さんの詩集〝深呼吸の必要〟。
 そもそも詩って、学生時代の国語の教科書で読むくらいで、その時によほど印象に残らないと、後々になって手に取る人って、そう多くはないのではないかと思います。
 今回この本との出会いのきっかけをくれたいわた書店の「一万円選書」に感謝です。

 ここ2週間ばかり、小説から離れた読書生活を送ってきて、そろそろ物語が恋しくなってきました。
 さーて、次は何を読もうかな。

最後に、
 読書っていいよね。


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