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【読書記録】2023年7月23日〜7月29日

 みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
 人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。

 毎日茹だるような暑さ。というか全身に突き刺さるような暑さ。
 皆様いかがお過ごしですか?
 私はといえば、この暑さの中毎朝50分かけて、職場まで徒歩で通勤しております。
 平日であればバス通勤もできるのですが、なんというか日頃の運動不足の解消のためと、しっかり汗をかくことで体温調節機能をベストな状態に保っておくために、あえて徒歩で通勤しております。
 職場に着くと汗だくだく!
 これをGATSBYのメントールきつめのボディーペーパーでさっと拭き取り、自動販売機で「ZONe ENERGY」を買い、リフレッシュ&エナジーをチャージしいざ戦場へへ!!
という毎日を繰り返しております。

 なんだか前置きが長くなってしまいましたが、さっそく今週出会った本たちをざっくりご紹介します。

【2023年7月23日〜7月29日に出会った本たち】

⚪️ぎょらん

著者 町田そのこ

【内容紹介】
 人が死ぬ際に残す珠「ぎょらん」。噛み潰せば、死者の最期の願いがわかるのだという。地方都市の葬儀会社に勤める元引きこもり青年・朱鷺は、ある理由から都市伝説めいたこの珠の真相を調べ続けていた。「ぎょらん」をきっかけに交わり始める様々な生。死者への後悔を抱えた彼らに珠は何を告げるのか。傷ついた魂の再生を圧倒的筆力で描く7編の連作集。文庫書き下ろし「赤はこれからも」収録。

裏表紙より

【収録作品】
ぎょらん
夜明けのはて
冬越しのさくら
糸を渡す
あおい落葉
珠の向こう側
赤はこれからも

【感想】
 死者の最後の願いが形となって現れる赤い珠、通称「ぎょらん」にまつわる物語。
 これだけ書くとファンタジーかオカルト小説かと思われそうですが、読んでみると、親友の自殺を目の当たりにして10年間引きこもってしまった青年・朱鷺の再生を中心に、仕事に行き詰まって周りが見えなくなった中堅葬祭プランナーの葛藤、家族がバラバラになってしまった女子高生の心の成長などたくさんのテーマが盛り込まれていました。
 巻末に収録された文庫書き下ろし〝赤はこれからも〟は、コロナ禍の別れを描いた物語で、人生の最期に直接お別れができないという辛さ、切なさ、悲しさが心に沁みました。
 そういえば、コロナが5類になって、そっちの方はどうなったんだろうか。

⚪️灯台からな響き

著者 宮本輝

【内容紹介】
 中華そば屋を営む62歳の康平は、妻を急病で失って以来、長い間休業していた。だが、ひきこもりのような生活を送る中で偶然、妻宛ての古い葉書を見つける。30年前「知らない大学生から届いた」と言っていた妻は、なぜその葉書をとっておいたのか。差出人は何者で、描かれた地図は何を意味するのか。妻の知られざる過去を追い、康平は初めての一人旅へ出るー。人生の価値を照らし出す感動作。

裏表紙より

【感想】
 妻の死がきっかけで引きこもってしまった62歳の中華そば屋店主・康平の再生の物語。
 きっかけは偶然見つけた30年前に届いた妻宛の葉書。差出人に心当たりがないと言っていた妻は、なぜこの葉書を大事に取っておいたのか?康平は生まれて初めての一人旅をしながらこの謎を解き明かしていきます。

 物語の後半で灯台を見ながら語る康平の言葉、

「威風堂々と生きたいな。焦ったって、怖がったぅて、逃げたって、悩みが解決するわけじゃないんだからな。こつこつと、ひとつひとつ、焦らず怯えず、難問を解決していく。俺はそういう人間になるために、いまから努力するよ」

本文p.336

 この言葉は、人生迷いっぱなしの私の、まさに「灯台の光」です。

⚪️七つの会議

著者 池井戸潤

【内容紹介】
 きっかけはパワハラだった!トップセールスマンのエリート課長を社内委員会に訴えたのは、歳上の部下だった。そして役員会が下した不可解な人事。いったい二人の間に何があったのか。今、会社で何が起きているのか。事態の収拾を命じられた原島は、親会社と取引先を巻き込んだ大掛かりな会社の秘密に迫る。ありふれた中堅メーカーを舞台に繰り広げられる迫真の物語。傑作クライム・ノベル。

裏表紙より

【収録作品】
第1話 居眠り八角
第2話 ねじ六奮戦記
第3話 コトブキ退社
第4話 経理屋稼業
第5話 社内政治家
第6話 偽ライオン
第7話 御前会議
第8話 最終議案

【感想】
 大企業→傘下の中堅企業→町の下請け企業。結局一番割を食うのは弱い立場の下請け企業。
 最近ブイブイいわせてるファストファッションメーカーも、以前「来週から工賃半額で」って平気で言ってきたという話も聞いたことがあります。
 会社が成り立たないとそこで働く社員の生活がままならなくなるからといって、会社を守るために何をしてもいいかといえばそんなことはない。
 企業内の話だけではなく、視点人物たちの家族との関係にまで触れているのがgood.
 東京建電副社長・村西の父親の言葉「客を大事にせん商売は、滅びる」が胸に沁みます。

⚪️これを知らずに働けますか?
 学生と考える、労働問題ソボクな疑問30

著者 竹信三恵子

【内容紹介】
 「バイトは休暇が取れない?」「どこまで働くと過労死する?」そんな学生の率直な疑問に答えます。仕事選び、賃金、労働組合、ワークライフバランス、解雇など、働く人を守る基礎知識を大解説。これを知らずに社会に出て行ったら、あぶない!

裏表紙より

【感想】
 池井戸潤さんの〝七つの会議〟に影響されたわけではありませんが、なんとなく興味が湧いて手にとってみました。
 5年ほど前まで私は1日15時間、月月火水木金金みたいな状態で働いていて、心身を病み半ば、いやかなり強引に退職。トップからは散々人間性を否定するようなことまで言われましたが、あの時辞めなかったらと思うと心拍数が無駄に上がります。
 今はといえば給料はだいぶ下がったけれど、心身は概ね良好で、細々とやっている状態です。。
 この本は主に働く人の権利について、学生向けに優しく解説している本です。
 この歳になっても知らない、というか正しく理解できていない部分もたくさんあって、とても勉強になりました。
 本来なら学生は就職する前に、また企業側でもこのあたりのことをきちんと学ぶ時間があってもいいのではないかと思いました。特に我々の世代は「セクハラ」とか「パワハラ」のあたりを重点的に。

【まとまらないまとめ】

 いかがでしたか?
 今週は4冊。
 たくさん読めばいいと言うわけではないのですが、読書時間を削るような特別な用事はなかったし、読んでいた本がつまらなかったというわけでもなかったのですが。…なんでか今週はちょっと少なめ。

 今週読んだ4冊の中で一番心に残ったのは、町田そのこさんの〝ぎょらん〟にあったこんな言葉。

『張りつめた力を抜いて息をつくことは、逃げやズルじゃないよ』

本文p.87

 分かってはいるんだけどなかなか。

 それはともかく、7月もあともう少し。
 学生の皆さん、そろそろ読書感想文を書くための本の選定に入りましょうか。
 油断するとあっという間に夏休みが終わってしまいますよ。
 これは私の実体験。

ということで
最後に、
 読書っていいよね。


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