才能を伸ばすために心理学的に有効な方法とは?
「才能を伸ばすには」ということで、心理学的に有効な方法をお伝えしていきます。
期待の真実
こちらの記事を目にされているみなさんは、心理学や心理スキルが好きだったり、勉強されている方が多いと思います。「才能を伸ばすにはどうしたらいいですか?」と、勉強されている人に聞くと、「ピグマリオン効果だな」という答えが多く返ってくるのではないでしょうか。
有名ですよね、ピグマリマン効果。ローゼンタール博士が提唱された理論です。「教師期待効果」とも言われているように、教師が子供に期待をかけていることによって、その期待をかけられた子供の成績が伸びたというものです。
この話を聞いて、やはり才能を伸ばすためには期待をかけてあげること。「君はできるんだぞ」、「頑張ればこういうこといけるんだぞ」と期待をかけることで、その才能は伸びていくと思われますよね。多くの人がピグマリオン効果についてそう思っているんですが、実はそうではなかったということがわかってきています。
教師が期待をかけていることによって子供たちの成績が伸びたわけではなく、教師の行動が変わることによって成績が伸びていたんです。どうして教師の行動が変わったかというと「思いこみ」です。これはプラセボ効果に似ていますね。プラセボ効果は偽薬効果と言われ、「これはよくなる薬なんだ」と思いこめば、偽薬でも頭痛が治るというもの。
「このグループは学力が伸びる可能性が高い子どもたち」と聞かされたので、「そうに違いない」という効果が働いて、無意識的に先生の行動が変わっていた。だから成績が伸びたというのが事実です。
詳しくは#219でもお伝えしていますので、実験の内容などはそちらをご参照ください。
無意識に才能を伸ばす方法
それでは、みなさんならどうしたら才能を伸ばせると思いますか? ポイントは「無意識」ですよね。無意識的に信じてしまう。無意識的な介入によって行動が変わる。そして成績が伸びたり、才能が伸びていくというのがベストなわけですよね。
では、子どもでも大人でも意識をせずに、無意識で「あ、俺ってもっとできるかも」、「もっと頑張ってこの才能伸ばしたいな」、「ここまでいけるかもしれないな」と感じるためにはどうしたらいいか。
答えは「環境」です。そういう環境を整えることが、才能を伸ばすためにはベストということなんですよね。
僕、実は最近まで寺にこもっていました。禅宗のお寺で、早朝と夜に座禅をくみながら心を静かに「ここにいる」、「そこにある」ということを1週間ぐらいやっていました。やはり全然違いましたね。
心が病んだわけではないのですが、大きな決断をしていかなければいけなくて、不安が多くあったんですね。様々な人に意見を聞いたり、調べものをしましたが、落ち着かない。ということで、環境を変えてお寺に入りました。それが自分の無意識にとって一番良いということを僕は知っていました。4日、5日目ぐらいから、悩む必要はないなという感覚になったんです。
ですから、お子さんやスタッフの才能を伸ばしたい。自分の才能を伸ばすにはどうしたらいいかなと思ったときには、その才能が伸びる最適な環境に身体をおくということです。スポーツの世界でも、受験勉強でも、伸びる場所を選ぶことが大切です。才能がひしめき合っている場所、どういう風に行動すればよいか自然と学べる場所。どこを選べば伸びていくか必死で考えることです。
その環境に入るのに時間的、お金的にハードルがあるのであれば、そのハードルをどうすればこえられるだろうかを考えていくことが僕は1番だと思います。今日は僕なりの才能を伸ばすについてでした。