クズに駄目でないところなんてあんの?

あなたの駄目なところも愛しているよ。

彼女にそう言われてからというもの、頭の中にこびりついて離れない疑問がある。彼女は駄目なところ「も」愛していると言ったけど、そもそも私に「駄目でないところ」なんてあるんだろうか。

私は小中学生の頃に受けたいじめを言い訳にひきこもりニートをしているクズだ。時間があるからといってわずらわしい家事を一手に引き受けているわけでもなければ、在宅で稼げるような能力もない。しいて言えば食事を作ることくらいだ。その食事だってもともとは自分が痩せるために作り始めたものであり、ひとに振る舞うようなレベルのものではない、と思う。

今年三月、彼女は仕事を辞め、私のもとへやって来た。持病と戦いながら必死に学校へ通い、介護士の資格を取ったと思ったら、あっという間に働き始めてしまった。

この半年間、私は何をしていただろう。

僅かな収入源であったブログの更新も滞り、Youtubeの動画投稿も休止したままだ。病気をして入院、手術をし、もっと気合いを入れてダイエットしなくてはと思ったはずなのに、体重はさほど大きく変化していない。

彼女は私のため(それだけではないかもしれないけど)に頑張っているのに、私は自分のための努力でさえ中途半端になっている。

彼女は資格の取得に就職に、どんどん先へ進んでいく。いっぽうで私はずっと(彼女と同棲するよりも前から)同じところで足踏みを繰り返すばかりではないか?

あなたの駄目なところも愛しているよと言われたとき、彼女の声がすっからかんの自分の中に反響するようだった。

自分には、駄目でないところなどひとつもない。

ここで心を入れ替え学校に通ったり、就職活動を開始。数年後、二人は幸せになりましたとさ。と、なればいいけど、そんなはずもない。

どこまでもクズな私は、生きる気力を失くした自分から彼女が離れていくことを考えている。それが二人にとって最高の結末なんだと思う。

飽きてきたからここで終わり。




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