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寄稿♯16:大学フットサル界に新風を吹き込め~結成から2年の近畿大学フットサルクラブ~

こんにちは!今回は結成から、わずが2年2か月で結果を出しつつある近畿大学フットサルクラブ(現在は同好会、部昇格に向けて活動中)を紹介します。

寄稿者の近畿大学フットサルクラブに所属する花田さんとは、ちょっとしたご縁がありました。2016年だったと記憶していますが、僕は広島県呉市などで開催されたサッカーのインターハイ全国大会を現地で取材していました。そこで僕の出身地である奈良県の一条高校が、静岡県の強豪・静岡学園と試合をしており、試合を見守っていました。

この試合は5-0で静岡学園が圧倒するのですが、僕としても複雑な気持ちになった試合でした。そして時がたち、SNSがご縁で花田さんがその試合に出場していたことを知り、彼のnoteなどを読むうちに、寄稿をお願いしたいと思うようになりました。

筆者紹介

花田直紀(はなだ・なおき)

1998年生まれ、奈良県出身。小学1年生から兄の影響でサッカーを始め、奈良県の一条高校ではインターハイや選手権で全国大会を経験。大学2年の時に競技フットサルに出会い、2018年の4月から体育会を目指して発足した近畿大学フットサルクラブでフットサルを始める。現在3回生、10番。

それでは本文です。写真協力、近畿大学フットサルクラブ様、aibon様。

友人からの誘い「フットサル部を作りたい」

高校時代にインターハイや冬の選手権で全国大会を経験しました。選手権ではPK戦の末、ベスト16で敗退。大学のサッカー部に入ろうか迷いましたが、勝負できる自信が無く、諦めてしまいました。大学のフットサルサークルに入ったが、どこか物足りなさを感じ、もっと本気でやりたいと考えていました。

そう思っていたとき、現在のキャプテンであり、近畿大学フットサルクラブ創設者である増成から「フットサル部を作りたい」と誘いを受け、最初は「そんな簡単なものではないだろう」と思いました。創設時のメンバーは7人でした。

増成がアルバイト先のフットサル施設でつながった元シュライカー大阪の中田領さんが、近畿大学出身ということもあって監督に就いて頂き、指導を受けることになりました。今まで自分がフットサルと考えていたものは「ミニサッカー」ということに気づかされ、フットサルという競技の面白さ、難しさを感じ、「もっと知りたい!うまくなりたい!」と思い、練習に参加した当日に入ることを決めました。


練習は水、木、金曜日の午前7時半~9時まで週に3回で、大学公認の同好会となった19年1月から大学の体育館を使用しています。ぎりぎりではありますが、40メートル、20メートルの正規サイズで練習ができています。


これまでは近所のフットサル施設にて週に2回の練習をしていました。そのときは1回がアウトドアコート、1回がインドアコートで、部費として月に1人5000円集めて、コート代を賄っていました。

学校側の体育館を使用する際、公認団体しか使えないので、「同好会に上がれば使える」とのことでした。同好会に上がったものの、バレー部、ハンド部、バスケ部、バドミントン部などの体育会が優先的に使えるので、平日は基本的に午前しか取れません。試合などで使う場合は、事前に他クラブとの交渉、学校側へのさまざまな申請が必要でとても大変です。

メンバーは現在、1回生から3回生まで選手19人、マネージャー4人が所属しています。中田監督に加え、同じく元シュライカー大阪の河内裕介さんに指導していただいています。

中田監督には、フットサルの戦術的な面を中心に教えてもらい、河内コーチにはチームの雰囲気作りや戦い方を中心に教えてもらっています。

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インカレ大阪大会での初陣は苦い思い出

チーム発足からわずか3か月で臨んだ初公式戦であるインカレ大阪大会では、摂南大学サテライトに前半3-0から逆転され3-5で敗戦。後半に相手が前プレ(前からプレッシャー)をかけてきたことに、全く対応できずに慌てて崩れてしまいました。

続いて大阪成蹊大学との試合は0-10の完敗。僕は1試合目で怪我をしたために病院へ行き、2試合目の終盤に戻ってきたときにスコアボードを確認して、衝撃を受けたことを覚えています。

今となっては笑い話にできますが、試合後のミーティングではみんな顔が死んでいました(笑)。でも「こんな屈辱的な負け方はもう絶対にしたくない」と全員が思いました。

切り替えの速さ、戦術の多さ、ゲームスピード、ミスの重大さ、交代の仕方などサッカーとは違う点が多すぎて、フットサル歴3か月では戸惑いしかありませんでした。

それから3か月後の全日本フットサル選手権では、大阪1部のFC山長に善戦しましたが、残り30秒で勝ち越しゴールを許してしまい2-3で敗戦。ヴフト大阪(大阪2部)には5-1で勝つも予選敗退でした。公式戦初勝利はできたものの、不満の残る結果になりました。

関西学生リーグの参入には手続きの関係で間に合わず、初年度の公式戦は終わりましたが、3月にスマイルリーグという大会に出場させていただきました。実はそのとき、今年の全日本フットサル選手権大阪大会で戦ったジャグランカ(関西1部)と対戦しています。結果は2-3で負けましたが、元シュライカー大阪の宮竹さん(9番)が本当に凄くて「あの人はどうやっても止められへん!」とみんなで話していました(笑)。


右膝前十字靭帯断裂を乗り越える

6月末にあったインカレ大阪大会の摂南大学戦で右膝前十字靭帯断裂という怪我をしました。8月初旬に手術を受け、医師には復帰には約9か月かかると言われ、絶望しましたが、現在名古屋オーシャンズの星翔太選手も同じ怪我を経験して活躍していたので、星選手のインスタグラムを見ながらモチベーションを上げて頑張りました。

怪我をしている9か月の間にセットプレーが数十個増え、クワトロの練習も始まりました。外から見るだけでは全くイメージできず、めちゃめちゃ難しくて、焦りを感じました。正直、外から見て頭だけでセットプレーを覚えるのは無理でした。

手術・リハビリを乗り越えて、翌年3月に試合復帰しました。大阪府3部所属のチームとの練習試合でしたが、試合に出て最初の方は動きが全くわからず、ベンチに戻った時には思わず、「試合むずかし!!」と声に出してしまいました。

でも徐々にゲームに慣れていき、カットインから左足(怪我してなかった方)でゴールを決めました。めちゃめちゃ嬉しくて、何回もガッツポーズしました。そのあとはカウンターでもう1点決めて、合計2ゴール。なんとか復帰を果たすことができました。

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関西学生フットサルリーグ2部で5連勝



19年度のインカレ大阪大会では摂南大学に3-5で負け、リベンジならずでした。先制するも、前半のうちに逆転され1-2で折り返す。後半も修正できずに敗戦。大阪人間科学大学には12-1で勝ち、決勝トーナメントに進出するも、トーナメント1回戦は昨年大敗を喫した大阪成蹊大学。2-5と昨年よりは戦えたものの、やはり差があるなと感じました。

近畿大学フットサルクラブは、19年度より関西学生フットサルリーグに参入し、2部Aブロックに所属しています。初戦は9月4日の京都大学フットサル部ARIとの一戦でした。近畿大学での開催ということもあり、落としてはいけない1戦でしたが、初リーグ戦ということもあり、自分たちの力が全く出せず、結果は2-4で敗戦となってしまいました。

試合後のミーティングで我々の今シーズンの最大の目標は「1年で1部に昇格すること」を再認識しました。日々の練習に対する態度や姿勢はもちろん、試合でプレーしている選手各々の自覚と責任、ベンチの雰囲気、チーム全体の意識が、この日のミーティングから少しずつ変わっていきました。

2節目は初戦から1週間後の9月11日の甲南大学サテライト戦。この試合は立ち上がりから、ベンチワークを含めたチームの雰囲気が良く、5-0の無失点で勝つことができました。

この日の試合から始めたことがあります。それは、点を決めたらベンチまでハイタッチしに行くということです。河内裕介コーチのアドバイスで始めました。そのおかげで雰囲気が良くなり、ノリと勢いを出していくことができました。

第3節の京都産業大学ALEGRIA戦。同じく新規参入のチームで、相手にはポテンシャルと勢いがありました。近大が負けた京都大学に勝ってるチームだったため、スカウティング・対策をしっかりした結果、6-3で勝つことができました。

第4節の神戸国際大学フットサル部戦(6-0)、第5節の大阪人間科学大学フットサル部戦(6-2)、第6節の京都外国語大学ELSOL戦(5-0)と順調に連勝し、確実に昨年よりは結果を出せて、次への試合に繋げることができていますが、どの試合においても課題は残り、1部で戦うためにはもっともっとレベルアップしなければならないと感じました。

2部リーグでは1周しかなく、A・Bそれぞれ1チームしか昇格できないため、1試合も落とすことはできないというプレッシャーが強いです。最終節の大阪工業大学戦(1月18日)は絶対に勝って上位リーグ、昇格に繋げたいと思います。

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全日でジャグランカに完敗、さらなるレベルへ



11月にあった全日は監督・コーチそれぞれが自チームでの登録があり、近大のベンチに入ることはできず、学生たちだけで戦わなければいけない状況でした。

予選リーグ初戦は大阪1部のジョカリスタ大阪との対戦。格上の相手に、自分たちの持ち味である前プレがはまり、6-2で勝つことができました。

2戦目のアシュレイ茨木(大阪2部)にも7-5と勝利し、予選を突破しました。学生特有のノリと勢い、そして走力で勝ちきりました。

決勝トーナメントでは、知識・経験共に豊富な関西1部のジャグランカが相手でした。開始1分も経たずにカウンターから先制しましたが、2点返されて1-2。そのあとPKのチャンス。決めれば2-2という状況でしたが、味方が外してしまい、そこからは完全に流れを持っていかれました。


1-4で前半を終えましたが、そこまでは想定内でした。しかし、そこから修正できず、後半開始早々失点し、終わってみれば合計12失点。3-12の完敗となりました。

後半のベンチの雰囲気は最悪でした。どうすればいいのか何もわからず、うまくいかず、フラストレーションが溜まっていく状況で、何でもないようなシュートも失点になってしまいました。ノリと勢いも無い、前プレもハマらない、ハードワークもできない、そんな状況でした。

監督はスコア以上の差は無いと言っていましたが、自分たちの知識・経験の無さなど差を見せつけられた試合になりました。


ファーストセットでは学生リーグの時から、交代するたびに話し合って修正しようとしていましたが、修正しきれないことが多く、戦術眼、戦術の引き出しが必要だなと感じました。試合中に修正することの大切さも身に染みて感じました。

ただ、発足から約2年で確実に成長していることを感じることができたので、次につながる1戦だったと思います。残る今シーズンの目標は関西学生リーグ2部Aを優勝し、昇格することのみです。

最終節で大阪工業大学と戦い、1月26日より上位リーグが始まります。上位リーグでは2周目になるので、非常に難しい戦いになります。大阪成蹊大学や神戸大学、同志社大学のように伝統のあるチームに勝つためにはもっとレベルアップしなければならない。

そのために、メンバーを集め、練習時間の確保、試合経験、スポンサー獲得などフットサル以外の面でもレベルアップしていかなければいけないと思います。

他の大学と同じではダメ。近畿大学にしかできないこと、近畿大学だからできることを目指し、大学フットサル界に影響を与えていけたらいいなと思います。

(了)

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