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関西フットサルリーグ得点王インタビュー~全日関西大会代表決定戦を前にSWH・佐々木選手、バディ・濵口選手~

全日本フットサル選手権本大会への切符(2枚)をかけた関西大会の代表決定戦が、1月19日に大阪・千島体育館で行われる。

対戦カードは、びわこ成蹊スポーツ大学 vs 神戸大学(午前10時半開始)とSWH vs バディ(午後1時開始)。

今回は直前企画として、SWH・佐々木淳選手とバディ・濵口和基選手のインタビュー記事です。

濵口選手は2017年シーズンに30得点で関西1部得点王、佐々木選手は18年に18得点で得点王に輝きました。関西リーグを代表するスコアラーの2人にゴールにかける思いや、全日決定戦への意気込みを聞きました。(写真協力・aibon様)

佐々木淳さん

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1988年生まれ、神戸市出身。関西リーグ1部を連覇したSWHフットサルクラブ所属。17年にSWHに入団し、18年に18ゴールを記録して得点王。18年は関西1部ベスト5。体勢が崩れても強いシュートを枠に飛ばせる身体能力を持つ。ピヴォという枠に収まらない、ストライカータイプ。

濵口和基さん

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1990年生まれ、奈良県出身。関西リーグ2部のバディフットサルクラブ所属。2014、15、17年に関西1部ベスト5。17年に関西リーグ1部で30ゴールを奪って得点王。左右から繰り出される強烈なシュートが持ち味の大型ピヴォ。19年は関西2部でも得点王(15ゴール)。

得点王への道のり スタートダッシュの重要性

ひで:大一番を控えた直前に取材への協力、ありがとうございます。2人とも県リーグから、関西リーグのチームに変わった経歴は同じですね。佐々木さんはどのような経緯でフットサルを始め、SWHに入団しましたか?

佐々木:サッカーは小学校から本格的に始めて、高校もサッカーの推薦で行きましたが、すぐに辞めてしまいました。ボールを蹴っていない時期もありましたが、地元の先輩に声掛けてもらって、フットサル兵庫県リーグ所属の「アコール」に入りました。

チームが兵庫県リーグ1部に昇格した年に兵庫県選抜に選ばれました。メンバーも大半がSWHの選手で、全国大会に出場した時にSWHの選手たちのプレーに魅了され、「挑戦するなら今しかない」と思ったことがきっかけで、17年に入団しました。現在サッカーも続けており、兵庫県リーグの「神戸FC」でプレーしています。

ひで:濵口選手はどういう経緯ですか?

濵口:物心ついた時からボールを蹴っていて、専門学校までサッカーを続けましたが、その頃にフットサルに出会いました。「地元の同級生で大会に出るから来て!」とお願いされたのがきっかけで、チームは県リーグの1部まで上がっていきました。

関西リーグに所属する「バディ」の試合を観て勉強しているうちに「このチームでやってみたい」と思うようになり、先輩の誘いもあり入団を決意。バディに入って今シーズンで6年目になりました。

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ひで:得点王になったシーズンをそれぞれ振り返ってください。

濵口:17年シーズンに30ゴールで得点王になりましたが、その前年は6ゴールでした。17年の変化としては、ポジションがピヴォになりました。数は多くないですが、ファー詰めやセットプレーでも得点でき、どんどん伸びていきました。

振り返ると、開幕戦で5点取れたのが大きかった。ずっと得点王は目標にしてきたので「今年は狙えるかもしれない」と自信にもつながりました。シーズンの途中からマークが厳しくなり、対策もされましたが、「ゴールの近くにいる」というのは要因だったと思います。

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佐々木:確かに開幕戦は重要ですね。18年シーズンは18得点で得点王になりましたが、その前年は3得点でした。18年の開幕戦はハットトリックで、前年のゴール数にいきなり並びました(笑)。僕も得点王は「絶対に獲りたい」と強い気持ちは持っていました。

17年はSWHに入団した1年目で、出場時間が多くありませんでした。18年はファーストセットに入り、出場時間が増えたことは得点が伸びていった理由ですね。シーズン中は、ほかのチームの選手が何点取ったかは常に気にしていたし、負けたくない気持ちがありました。

互いに満足できないシーズン

ひで:SWHは関西1部で優勝、バディは関西2部で3位でしたが、それぞれどんなシーズンでしたか?

佐々木:SWHとしては関西1部を連覇できましたが、楽な試合はありませんでした。実際に同志社大学とVAXA高槻に負けましたし、前半互角で後半なんとか振り切るといったゲームも多かったです。

個人としては、夏に膝をケガし、さらに足の甲を骨折したことで蹴れなかった時期も長く、公式戦も欠場しましたし、何もできなかった。復帰後もシュートを打つと痛みを感じることもあり、不本意なシーズンでした。今はやっと調子が戻ってきましたが、最近もインフルエンザにかかって(苦笑)。

濵口:1部から降格して「1年で1部に戻るぞ」とみんなで誓って迎えたシーズンでしたが、チーム全体の調子が上がらない感じでした。何とか3位に入って、1部との入れ替え戦には進めることになりましたが、プレースピードも1部のレベルに上げていかないといけません。

個人としては関西2部で得点王にはなったのですが、コンディションが落ちてしまって、本調子ではなかったですね。シュートもポストにたくさん当たるし、枠に飛ばないこともあって。自分を進化させる新たな取り組みも、上手くかみ合わなかったというか。

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ゴールが見えたら打つ シュートフォームの美しさ

ひで:お互いの印象やストロングポイントはどのように見ていますか?

濵口:淳さんは「その体勢で枠にシュートが飛ぶ?」「そのパスに触って決める?」という規格外のゴールが多いですよね。「ここまで寄せたら大丈夫」と思ってもゴールされてしまうこともあり、身体能力が高い。

相手チームからすれば、「対策しにくい選手」ですね。ヘディングも上手いし、決まった得点パターンがあるわけでもないので。結構、感覚でやっているように思います。淳さんは、みんな上手いSWHでどんなことを意識しながらプレーしていますか?

佐々木:そうですね、感覚でやってるタイプです(笑)。ゴールが見えたらシュートを打つことは常に意識しています。SWHでは「自分がどうやったら生きるか」というのを仲間が考えてくれていて、スペースが空いているところに自分が走り込むみたいな。セットの3人がきっちりボールを回して運んでくれるので、助かっています。

濵口君は「見本になる選手」ですね。17年シーズンでバディに5-0で負けた時、濵口君に4点取られたのはよく覚えています。シュートフォームが本当にきれいで、無駄がないというか、利き足でない左足の場合でもフォームが崩れない。両利きかと思うぐらい精度があって、魅力ある選手です。あとケガをしない印象です。何か気を付けていることはありますか?

濵口:確かにサッカー、フットサルで大きなケガをしたことがないです。特に何かやっていることはないので、「体が丈夫なんだなぁ」と自分で思います(笑)。ただ、球際で「行けば、どちらかがケガをする」と思ったときは、ギリギリで足を引きます。足を無理に出すよりは上半身を当てたり、こぼれたボールを回収したりすることは意識しています。

佐々木:それは大事かもしれませんね。僕は「先に自分が触れる」と本気で思って、足を出してもっていかれて、ケガをしてしまうタイプ。濵口君には、球際でケガをしそうな場面で引いてもらった記憶もあるので、この場を借りて「なんかごめんね」。

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ひで:次は2人が点を取れる要因や意識していることを教えてください。

佐々木:僕は小学校からサッカーでずっとFWで、ゴールを決めることばかり考えてきました。今でもサッカーは兵庫県2部のチームでやっていて、昨シーズンは25得点でした。

体勢が崩れてもシュートが打てるのは、10年ぐらい引っ越しの仕事をしていたのが理由かも。全身の筋力や、バランス感覚が鍛えられたのかもしれません。最近はチームの週4回の練習に加え、自主的な練習も合わせて週6回ボールに触り、とにかく走ってますね。

濵口:サッカーで25点はやばい(笑)。僕は特別な練習はしていませんが、強いて言えばレッドコードトレーニングですかね。体幹を鍛えるのは本当に重要で、体のキレにもつながりますし、シュートで踏ん張った時のバランスは変わってきます。

あとシュートを外したり、キーパーにセーブされたりしても、「もう!」とリアクションしたり、天を仰いだりはしないようにしています。ネガティブな出力をしてしまうと、その後もネガティブな結果が出やすいことが脳科学的に証明されていて、自分はミスしても感情に出さないようにしています。

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全日は逃さないSWH 越えないと全国に行けない壁

ひで:確かに、外してもあまり感情は出さない印象です。1月4、5日にあった全日本フットサル選手権関西大会の1、2回戦を振り返ってください。

佐々木:1回戦のミキハウス戦は3-3からPKでなんとか勝ちましたが、1-3の負け試合から味方が同点にしてくれました。自分は出場時間が少なくて、ずっと悔しい気持ちで一杯でした。自分の応援にもたくさん知り合いが来てくれていたので、申し訳ない気持ちで。

2回戦のセットスター和歌山戦は3-1でしたが、自分があまり試合に出られず、「どうやったら出られるかなぁ」とメンタルがやられていました(苦笑)。ケガ明けではあるのですが、自分は器用なタイプではないし、練習で走ってキレを取り戻したいですね。

濵口:1回戦のフエルテ大阪戦は5-4で接戦をものにできましたが、久しぶりに関西1部のチームと対戦したので前半はプレースピードについていけませんでした。後半は相手の人数が少ないこともあり、ちょっと強度が落ちて逆転できました。

2回戦のカンカンボーイズ戦は5-2で勝てました。前半に3-0とリードできたのが大きかったですが、後半はちょっと緩んで3-2になりましたが、次にこちらが追加点を奪えたので優位に試合を運ぶことができました。

ひで:いよいよ19日に、決定戦で2人が所属するSWHとバディが対戦します。意気込みを聞かせて下さい。

濵口:バディは毎年決定戦までは勝ち進むのですが、そこで負け続けています。その壁を乗り越えていきたい。関西から全国に行くには、SWHに勝たないとその先には進めません。ですから、抽選でSWHと対戦することになって「逆に楽しみ」と思えました。

全日の後には、関西1部との入れ替え戦も控えているので、自分もチームも良い試合をして、最高の結果を出したい。淳さんを警戒はしていますが、対策できる選手ではないので(笑)、難しい試合にはなりそうです。

佐々木:僕は「前」の選手なので、「後ろ」の仲間に濵口君を止めてもらいます(笑)。バディは技術が高い選手が多い印象で、上手い選手を抑えていかないといけない。自分が試合に多く出て、試合を決定づけるゴールを取りたいですね。

僕が入団してからSWHは全日出場を逃していないので、今回も逃せません。全日はFリーグのチームと対戦できる貴重な機会ですし、僕は湘南や北海道、浜松と試合をした経験があり、「決めるところを決める」という決定力を感じてきました。今年も対戦するためにも負けられません。

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ひで:2人の活躍、そして決定戦での熱戦を期待しています。ありがとうございました。

(了)

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次回は1月25日に更新する予定です。それでは、また。

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