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特許権じゃなくノウハウとして保護したい!_知財法務百科>企業法務大百科

相談者プロフィール:
株式会社E・R・O(イー・アール・オー) 代表取締役 太久保 佳代子(たくぼ かよこ、42歳)

相談内容: 
私どもE・R・O 社は、年齢層高めの女性向けコスメ
「マンイーター」シリーズ化粧品
の製造販売をしております。
実際の製造は、下請に出してるんですけど、その際、品質の保持は大切なんで、下請業者に念入りに研修を受けさせた後に、製造させてます。
研修には、わが社が独自に作成した研修用資料が使われています。
この資料には、わが社の
「マンイーター」シリーズコスメ
の材料・用途等が記載されているのみならず、競合他社の製品の分析・比較やお客さまのニーズを分析したものが記載されており、長年の研究や市場調査の結果がすべて詰まっているので、わが社が業界で独り勝ちを誇るノウハウのすべてが書かれているといっても過言ではありません。
だからきちんと研修用資料には、
「コピー厳禁。外部への持ち出し禁止」
と書いてあります。
先日、業界内の昔からの知り合いに、
「マンイーターシリーズのコスメはやっぱりよく考えられているよね。
やっぱりよく調べているわ!」
なんていわれたんですよ。
どういうことか問い詰めると、前にうちが下請けに出していた光裏工業がうちの研修資料を業界内で勝手に開示してるっていうんですよ!
うちのノウハウをそこら中にばらまくなんて、光裏工業のやつをなんとかぎゃふんといわせてやれませんかね?

本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点1:特許とノウハウ
近年、
「知的財産」
という概念が広まり、キャラクターやブランド名等を勝手に使用すると、差止請求や損害賠償請求をされる危険性があることをご存じの方も多いでしょう。
知的財産とは、知的財産基本法2条により
「発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの、商標、商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報をいう」
と規定されており、キャラクターやブランド名のみならず、企業のノウハウも知的財産に含まれます。
そして、例えば、発明については、特許庁に登録することによって
「特許権」
として保護されるようになりますが、特許出願をすることによって、1年半後に自動的に発明の内容が公開されてしまいます(特許法64条1項)。
自社のノウハウを特許庁に申請しなくとも、重要なノウハウが不正に利用されてしまった場合、不正競争防止法によって差止請求や損害賠償請求をすることができます(不正競争防止法2条6項、3条、4条)。
したがって、特許権としてではなく、ノウハウとして自らの会社が開発した技術等を保護していく方が自社の利益を追求できる場合もあるのです。

本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点2:ノウハウの保護
特許庁に登録していないノウハウでも、特許権と同様にすべてが保護されるのかというと、そうではありません。
不正競争防止法によって、差止請求等ができるのは、ノウハウが一定の要件を充足する場合、これが不正競争防止法上
「営業秘密」
に該当するものとされ、同法2条6項によって
「取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為」
が不正競争とされるからです。・・・(以下、略)

以下、ご興味のある方は、

をご高覧ください。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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