会社員と作家の二足の草鞋を履く 鬼灯かなめさん

2011年からコミックマーケットに作品を出版し続け、作家業の傍ら会社員、子育てと精力的な活動をされている鬼灯かなめさんにお話を伺いました。

鬼灯かなめ(ほおずきかなめ)プロフィール
出身地:埼玉県
活動地域:東京ビッグサイト
経歴: 大学にて薬学部を卒業。薬剤師資格取得。会社員として働きながら2011年より「馬耳豆腐(ばじとうふ)」の名前で作家として活動する。コミックマーケットでは2011年より毎年作品を出展している。


Q 今の夢やVISIONは何ですか?


鬼灯さん(以下鬼灯)
自分の好きなことをやって、自分の世界観を広げていきたいし、それによって誰かが新しいことを知るきっかけになりたいなと思っています。例えばあの空間(コミケ)でアクセサリーを販売してる区画があるんですけど、数年前レジンアクセサリーで、LEDが入った水晶の様な物が出ていたんです。クオリティが高くてそれを見たときにこんな物も出すんだってびっくりしたんです。全てがそうではないのですが普段は売れていない様な手間のかかるものが出ていて、夢の空間なんですよ。非現実的で。そこで普通なら絶対に会わない人と会えるんです。


Q その夢に対してどんな目標や計画を立てていますか?


鬼灯
ネット通販と電子化です。PDFでダウンロードして見られるようにしたいです。今までは、あの空間ででしか購入することが出来なかったんですけど、ネットなら地方の人も買えるようになりますね。でも、進みすぎてあの場所が無くなってしまうのも寂しいとは思います。

記者: では、実際に顔を合わせながら交流できるオフラインのコミケをどのように使っていきたいですか?

鬼灯:オフラインで実際に会える仲間が増えていったら良いなと思っています。こんなのあるんだ?っていう驚きや面白さから始まって、段々と来てくれる人が増えてきています。
本屋さんでは絶対にみないよねっていう本が隣り合っています。ツナ缶のみで1冊書かれてたり、自分では絶対にやらないことが本になっているんですね。こういうのを見ていて、皆んなよくやるなあって思うんです。
古式泳法をプールでひたすらやってみたという本もありました。もっと色んなジャンルが増えて行くと面白いものが出てくるのが楽しみなんですね。多くの本が増刷しないで一発勝負で販売しているので、その時にしか手に入らないのも醍醐味です。


Q 日々どんな実践や活動をされているのですか?


鬼灯
:日々出来てはないんですが、ブログで告知していきたいと思っています。

記者:どんな告知をするんですか?

鬼灯:いつ本が出るかとか、本のネタになるものも書きたいですね。世の中の情報を集めるのはやっぱりインターネットです。でもウソの情報もありますから、私だけでも正しい情報を発信することが大事だと思っています。

記者:執筆活動はいつしてるんですか?

鬼灯:仕事が終わって帰宅してからとか、お昼休みとか使っています。だいたいいつも出展の1、2週間前から書き上げますね。


Q 執筆活動をするようになったきっかけはなんですか?


鬼灯
:ある時友達にコミケに行こうって誘われたんです。それまではコミケに行ったこともなくて。でも、話している内に「知り合いが本を出してる」と聞いて「それ誰が買うの?」って興味が湧いたんですよね。それで実際に会場に行ってみたらとてもレアなものもある場だと分かったんです。じゃあ自分は植物が好きなので薬草の話でも書こうかなと思ったのがきっかけでした。
実は最初はコミケ会場に入るために行列に並ぶのが嫌で、出店すれば中に会場の中に入れるので楽できるって下心もありましたけどね。
そうして1回は本を出しましたけど、その後は数年間は出店権の抽選に外れてばかりだったので出していなかったんですよね。
最初の1回は何も分からない手探り状態でホッチキス止めの状態で本を出したのですが、2回目からは「やはりちゃんとしたモノを出したい」と思って印刷会社に依頼してしっかりした冊子本にしました。
それから何回か出してるうちに一定の人が探しに来るようになりました。
やっぱり自分の本を買ってもらえる事や買ってくれた人から面白いと言ってもらえるのが嬉しくて「こういうのも良いな」と思うようになっていきました。

記者:元々絵や文章を書くのは好きだったんですか? 

鬼灯:そうですね。絵を描くのも好きでした。勉強しないといけない時に絵を書いたりしてましたね。あと、友達が小説を書いてたので一緒になって自分も書いたりもしてました。当時はマンガやアニメも大好きでしたね。オタクとも対等に語り合えました。

記者:今でもマンガやアニメはみてるんですか?

鬼灯:今は仕事で色んなことがありますし、子育てもしているので時間がないんです。昔はゲームも好きでしたが今はやってる時間がないんですよね。でも、原稿を書くときにはゲームをやります。勉強の時に絵を描くのと似てますね。


Q 執筆活動をする背景は何ですか?



鬼灯
:きっかけは珍しいアクセサリーを買いたかったんです。出版すればブースに入れるので、アクセサリー類出店と同じ日に入りたかったというのが最初でしょうか。それに珍しいものを見たいし、新しいものと出会いたい。それが自分のネタになる。人にとってはガラクタでも私が面白いと思うものが興味の対象です。

記者:研究者のように追求されてるんですね。

鬼灯:研究者というより、情報収集して調査するのが好きなんですね。鉱物も好きですし、生き物も好きです。爬虫類が好きで、皮付きの本を買ったりもしました。ここ数年はアサガオに興味があって、千葉県の歴史博物館で販売されている変化アサガオの苗を買ってきたりします。
アサガオは種が100個くらいあるんですけど、その種が冷蔵庫で保存できるんです。1年目はアサガオを研究されている九州大学の教授の講演会に行ったりしてました。一定のところまで自分が理解できたなと思ったら満足します。ある程度知識がついたら落ち着くんですね。なので今はアサガオは毎年20個ずつ育ててます。

記者:好きな事はとことんやるんですね。

Q 最後に読者の方へメッセージをお願いします。


鬼灯
世の中情報が溢れているのでちゃんと評価しないといけないと思います。AIがあろうとなかろうと、自分がある程度調べていかないといけない。自分がちゃんと生きていくのに必要なのは「情報の評価」なんじゃないかと思います。ある程度怪しいというのがわかるようになることが必要です。私は情報を調べるのが好きですし、「何でだろう?」と思うことはちゃんと調べるようにしています。「何でだろう?」と気づくことが大切だと思いますね。正しく理解するために情報を評価することが重要です。そうしないと間違っていってしまいますからね。

記者:それで追求が進むんですね。鬼灯さん、どうもありがとうございました。



鬼灯さんの詳細情報についてはこちら↓↓
ブログ:http://bajitofu.cocolog-nifty.com/

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編集後記

インタビューを担当した山中、石川、野田です。鬼灯さんにお会いしたのは年末でのコミックマーケットでした。その際も、色々な情報をご自分で集めて精査をされている方だなと印象に残っています。本文の中にもある情報を見極めていくというのは、このネット社会を生きていく上でも大切な観点だと思いました。鬼灯さんの今後の活躍を心から応援しています。


この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。





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