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読書感想文『この国『深奥』の重大な歴史

『日ユ同祖論』という話をご存じでしょうか。
日本人とユダヤ人は同じ祖先をルーツとしている話なのですが、
私は初めてこの話を聞いたときは、
『ホンマかいな』と笑い話のように捉えていました。
しかし、この本を読み進めていくと、
意外や意外、本当なのではないか、と思うようになりました。

ただし、注意しなければいけないのは、
何も日本人の先祖が全てユダヤ人と同じいうわけではなく、
日本人の中に古代イスラエル人の血が濃厚に交わっているが、
それ以上に、大切なことは、
文化的、宗教的な繋がりが強いことです。

古代のイスラエル民族は、12支族からなる統一王国をつくっていましたが、
南北に分裂し、『北王国イスラエル』には10支族がつきました。
しかし、アッシリア帝国によって滅亡され、
その10支族は世界に離散しました。
いわゆる『イスラエルの失われた10支族』です。

その10支族の末裔が日本にたどり着き、
現代にも続く、日本の文化、風習に大きな影響を与えており、
その痕跡が、神道や神話、祭りや伝統文化、そして言葉、日本人の精神性
に垣間見えており、本書では、その検証を進めていった研究者たちの話を
紹介、解説してくれています。

紹介すれば、きりがないですが、
例えば『ヤマト(大和)』という言葉
この言葉は、ある意味、日本人を象徴する言葉だと思いますが、
イスラエルで使われる『ヘブライ語』では、
『ヤー・ウマト(続けて読むとヤー・マトとなる)』という言葉があり、
この言葉の意味は、
『ヤー』はヤハウェ(=ヤーベ神)+『ウマト』=民
で『ヤハウェの民』となるそうです。

他にも、北海道のニシン漁の人たちで歌い継がれた『ソーラン節』の
『ヤーレン ソーラン』という歌詞。
日本語では全く意味がわからないが、
これをヘブライ語として日本語に訳すと、
『ヤーレン』は『歌って楽しくなる』
『ソーラン』は『梯子』となるそうです。
ちなみに、北海道に残る、古いニシン小屋の中には、
屋根裏部屋に上るための『梯子』があり、
その昔、漁師たちはニシンの大群が浜辺に近づく様子を
『梯子』をのぼって、天窓から
『歌いながら喜び』眺めたそうです。

他にもあまりにも日本とイスラエルとの繋がりの強さを表す
風習が日本には多くあり、そのひとつひとつを読み進めていくと、
日本人とユダヤ人は、共通した祖先がいることに疑いの余地がなくなっていきます。

遺伝子的な検証においても、
日本人の約40%が持つとされるD系統と、
ユダヤ人の多くが持つE系統という遺伝子は、
ともに『YAP』と呼ばれる特殊な遺伝子配列を持っており、
YAPを持つ遺伝子は、すべての系統の中でDとE系統にしかないことからも、
日本人の遺伝子とユダヤ人の遺伝子が非常に近いところにあることの
説明もなされており、信憑性が増します。

ユダヤ人には、『選民思想』というものがあり、
また日本人も古来より『神の国』や『神の子』と自らを呼んでいます。
このことも、また共通する考え方なのかも知れません。

そして、旧約聖書には、12支族が再び集まったとき、
世界に平和が訪れるといった
内容の預言があるそうです。
だから、イスラエルには
『失われた10支族』を探すために、
古代の人々の足跡をたどっていく人たちがいて、
アジアの各地で、『失われた10支族』の子孫を見つけてきました。

『日ユ同祖論』を理解していくことの意味は、
もしかすると、世界平和に繋がることなのかも知れません。
しかし、それが事実なのかどうなのか、
また、どう世界平和に繋がるのか、
私にはわかりません。

でも、私は、自分が日本人であるからなのかも知れませんが、
古代から続く『日本人の精神性』は素晴らしいものだと思っています。
ワールドカップなどでも話題となった、
選手のロッカーがキレイに清掃されていた、とか
サポーターがゴミを集める、といったことも
ある意味、日本人の精神性を示す出来事であり、
誇りに思える事でもあります。

その他にも
規律やルールを守る人が多かったり、
なんとなく、一つになることができたり、
地震などの災害時でも暴動が起こりにくいとか、
協力し合えるとか・・・

そんな日本人の在り方を見つめ直し、
今一度、私たちのご先祖様が大切に繋いできた
日本人としての精神性を改めて、
評価し、理解し、実践していきたいと私は思います。
今の私たちが存在するのは、
間違いなくご先祖様がいたからであり、
脈々と受け継がれた日本人としての魂を大切にすることが、
自分自身の人生を豊かなものにすることにも繋がるのではないか
そんな風に私は思っています。
そんなことに気付かせてくれた1冊でもありました。

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