好きな音楽と言葉の話

初めまして、顔の無いポエマー93poetryです。

今回、フォローさせて頂いている樫野創音さんから始まり、色々なアーティストさんたちが「影響を受けた音楽」「好きな音楽」をnoteに記していたので僕も便乗してやってみたいと思います。
まあ最近久しぶりに活字に触れたりしているので、作詞以外の文章を書きたいなっての動機もあったりして。

YouTubeに公式動画があるものをいくつか挙げていきます。

GOING UNDER GROUND/トワイライト

「ポエトリーリーディングじゃないのかよ!」という声が聞こえて来そうですが、まあ遠い昔の青春時代にはポエトリーのポの字も知らない人間だったのでこういった曲も聴いてきました。
「鉄塔のガイコツ、ネオンのゼリー、眠れぬ夜を旅する声」から始まるストーリーのある歌詞、哀愁漂う音楽は正直憧れるレベルです。

鬼束ちひろ - 私とワルツを

「月光」と並んで色々と思い詰め始めたらループして聴く曲。
とにかく「世界はどうしようもないけど生きてくしかねえ」みたいな気持ちにを的確に歌っているので沸々と鬱々な気持ちが湧いてきます。
そしてこの当時の鬼束ちひろの年齢を知って打ちひしがれるまでがセット。

RYO the SKYWALKER / EVER GREEN

はい、レゲエです。
僕は中学生から二十代中盤まではいわゆる「ジャパニーズレゲエ」をよく聴いていて、野外のレゲエイベント「レゲエ祭」なんかにも参加していました。
この曲は亡くなった友人へ向けた「別れの歌」なんですが、丁度この曲がリリースされた時に僕もとてつもない別れを経験して自分に重ねて励まされていました。
僕の曲のテーマに多い「どうしようもないけど生きていこう」みたいなのはジャパレゲから受けた影響が多いかもしれません。
まあレゲエはもっとポジティブですが……。
ちなみに湘南乃風も大好きです。
ファンクラブ”風一族”にも入っていました。

「生きる」 by 不可思議/wonderboy Track by Yuji Otani

ここからポエトリーリーディング、ラップのターンです。
不可思議と言えば Pellicule が一番有名ですが、今回は僕が初めて彼を知った谷川俊太郎原作の「生きる」を挙げましょう。
僕が不可思議を知ったのは彼の死後2年位だったかと思います。
友人が僕が紹介した曲をYouTubeで調べていたところ偶然発見し、教えてくれました。
当時は「なんだよこれ音楽じゃねえよ」と笑いながら聴いていましたが、段々とその詩の内容に魅せられ他の作品を調べていく内に彼が亡くなっていることを知りました。
そして彼の生前を映した映画の上映があることを知って、東京までその映画を観に行くことが僕がポエトリーリーディングを始めるきっかけになったのです。

27才のリアル / 狐火 【3rd Album 収録】

前述した不可思議の映画でライブをし、そこで出会ったのがサラリーマンラッパー「狐火」です。
「通知表に評価され育って社会に出たら給与明細に評価され、自分の価値は銀行通帳の残高に反映されているような感覚」
「絶対こんな筈じゃなかった、俺こんな筈じゃなかったんだよ」
とにかく全て包み隠さずにラップする。そして決して諦めない。
不可思議とは全く違うポエトリーに客席で僕は衝撃を受けました。
「サマソニの出場権を賭けた投票で僕はずっと不可思議くんより上位だったんですけど、彼が亡くなった次の日に抜かれたんですよ。どうして、どうして彼が生きている間にその景色を見せてあげられなかったんですかね?そして一日で抜かれた俺はどんな気持ちだったか貴方たちに分かりますか?」
仮にも不可思議の映画の前座としてライブしている彼が、客席に向かってそう叫びました。
その時の気持ちは、正直言葉にできません。
僕はその姿に目を離すことができませんでした。
彼は27才のリアルから毎年○○才のリアルという曲をリリースし続けて、今年ついに37才のリアルを発表しました。
働きながら音楽を続けている人は、ぜひ聞いて欲しいです。

【MV】人間失格 / GOMESS (あいver.)

自閉症のラッパー、GOMESS。
この人も不可思議の映画でのライブで出会いました。
今でこそポエトリーラッパーとして有名ですが、この段階ではポエトリーに寄ってきたラップをし始めた頃です。
フリースタイルで出てきた言葉を使って作詞するスタイルは、僕も取り入れてやっています。
彼の楽曲を追っていくと人格、心情の変化が詩情に表れていて「生きている」という印象を受けます。
不可思議、狐火、GOMESSと同時に出会ったことで僕は詩の世界に飛び込むことを決意しました。
「自分の言葉で、語る」
あの日の渋谷で僕が決意した事です。

なら、こう生きよう 神門

神戸のラッパー、神門は関西弁の優しい声で色々な角度から物事を見たリリックが僕の心に響きました。
この方も不可思議との縁があり、生前に交流もあったことからPelliculeのカバーも歌っています。
ポエトリーラッパーとよく言われてますが、本人は最近のライブで「一度もポエトリーラッパーと名乗ったことはない」と言っていました。
一時活動休止をしていましたが去年くらいから活動を再開しました。
自問自答を続けている曲だったり、失恋の曲だったりと様々な曲を歌っていますが「あーこんな見方もあるんだ」と思わせてくれる詩が多く道徳の教科書みたいな存在。

108 bars/小林勝行(ex.神戸薔薇尻)

小林勝行。
こちらライブバージョンしか公式がなかったのでこのリンクを貼ります。
これの一曲目「108bars」は恐らく僕が一番影響を受けた曲だと思います。
闇カジノでのバイト、薬物、精神病——
そんな自身の生涯を全て歌ったこの曲は、全く自分とは縁がない筈の彼の人生を追体験させ、まるで小林勝行になったかのような感覚に陥ります。
関西弁、乱暴な言葉、だけど優しく美しく感じる詩とラップ。
一人でいる時にこの曲を聴くと、泣いてしまう事もあったりします。
これほど人の心を動かせたなら、と強く思わせてくれるアーティスト。
絶対いける。

おわり

以上8曲(というより8組のアーティスト)の紹介でした。
本当はもっと紹介したい人、影響を受けた人もいますがまたの機会に……。

こうやって思い返すとやっぱりストーリーのある歌詞だったりどうしようもない現実を歌った曲が好きなんだなあと改めて思いますね。
人それぞれの現実があって、人それぞれの向き合い方があって、人それぞれの言葉で表現する。
全く関係のない人生の筈なのに、どこか隣にいるような感覚にしてくれる。
歌に限らず、そういった作品が本当に好きで、自分もそうなれたらなと思います。

今挙げた人たちから影響を受けて、その土台に僕の人生がある。
どこか似た曲や詩かもしれないけれど、そこに至るまでの日常は絶対に違う訳で。
「いつか」93poetryもそんな誰かに影響を与えるような存在に、なんて。

願わくば、このnoteも誰かに響く「なにか」になりますように。

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