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ホテルマンが語る#私の仕事

こんにちは!青空93*です。

先日職場にて従業員調査を受けてきました。
30分くらいPCでカチカチするアンケートだったのですが、受けながら改めて自分の仕事や環境について考えられるいいチャンスでした。

noteにも#私の仕事というタグがあるので、書ける範囲で今の仕事についてお話します。

職業:ホテルマン

現在私は都内某所のホテルに勤めています。
Twitterを見ていただけば、場所は特定できそうなので割愛。

私の部署は少し特殊で、ドアマン、ベルスタッフ、オペレーターが一つになっています。

ホテルに泊まったことがある方ならご経験あるかと思います。
お部屋で困ったことがあったり、使い方がいまいち分からないものがあり、お部屋の電話でスタッフを呼ぶとします。
しかしボタンが色々ある。フロント、予約センター、コンシェルジュ、そetc……
「で、どこにかけたらいいの?」

それを一括して「困った時にはいつでもお声がけください!」としてるのが、うちの部署です。
ボタン一つでオペレーターに繋がり、ご要望次第でオペレーターが関係部署にオーダーを伝達。担当スタッフが速やかにお部屋へ伺うシステムになっています。

私自身はベルスタッフですが、ベルの人間はルームサービスも請け負っています。
なので昼お会いしたゲストに、夜ルームサービスを届けて「あれ? 昼間会ったわよね?」なんて言われることも多々あります。

主な仕事内容はお客様のお迎えとお見送り、お荷物のお手伝い、お部屋までのエスコート、ご要望があればホテルアメニティのお届け、客室内の不具合対応、ランドリーの受付やお届け。
他にもロビーのご案内、バスやタクシー、館内レストランのご予約、簡単な道案内、お荷物のお預かり、宅配受付、靴磨きなど、多岐にわたります。

「あれ? コンシェルジュじゃないの?」

違うんです。
弊館のベルデスク、位置的によくコンシェルジュやフロントに間違われますが、違うんです。
私も採用面接の時に間違えました。

コンシェルジュとの決定的な違いは、空輸便の受付ができないことと「今日一日暇なんだけど、スケジュール作ってくれる?」といったオーダーにお応えできないこと。
ホテル周辺のおすすめレストラン辺りまでなら、私どもは対応できます。が、範囲という面なら圧倒的にコンシェルジュの情報量が勝ります。

分かりやすく申し上げると、何でも屋(※但しホテル館内に限る)といったところかもしれません。

ちなみに、ロビーでの写真撮影も無料で承ります。

ホテルマンとして立ち会える幸い

この仕事をしていて実感するのは、毎日違う仕事をしていることです。
毎日、たくさんのゲストが様々な目的でホテルにお見えになります。
そして、異なる理由でベルデスクにやってきたり、こちらからお声がけしてお手伝いをさせていただきます。
時には、引き継ぎリストで変わった注意事項が書かれていることもあります。

もうすぐ勤めて一年になりますが「また今日も、昨日と同じだった」と実感した日は一度もありません。

そして何より、たくさんのゲストの人生の瞬間にご一緒していること。

一見同じようなゲストでも、実は日本に初めて来たとか、明日内緒のプロポーズ計画を立てているとか、旅行できるのはこれがラストかもしれない、といったゲストそれぞれの事情が見えてくることがあります。
勿論、目に見えて分かるパターンもございます。結婚式、お食い初め、七五三、還暦のお祝い。
そんな思い出深い瞬間に立ち会えるのは、大変光栄なことです。

一人と一人が出会う確率は、とても低いそうです。
奇跡のような巡り合わせで、しかも大切な事情までお聞きしたのであれば「この方のために何かしたい」と思うのは人情ではないかなと思うのです。

私どものホテルをお選びいただいた時点で、その方は私達の大切な「ゲスト」です。
他の仕事をしている時も、お休みを頂いている時も、いつだって気にかかります。お体は良くなられたかなとか、あれから無事についたかなとか。

S様とぽんこつホテルマン

ありがたいことに、私もゲストから感謝のお手紙をいただきました。

ロビー業務の独り立ちをし始めたばかりの頃で、いつも「これで合ってるのかな、私は力になれているのかな」と不安でいっぱいでした。

そのゲスト(仮にS様とします)は、毎年クリスマスにステイしているとのことでした。
ご案内したところ「とても丁寧で感じがいい。他のホテルマンは作り笑いをするけれど、あなたは誠意を持ってるのが伝わるわ」と絶賛していただきました。

嬉しい反面、少々申し訳ない気がしました。なぜなら私は、基本的なエスコートをしただけで、S様に何か特別なサービスをしたわけではありませんでした。寒かったので「何か温かいお飲み物をお持ちしましょうか」と申し出たところ「この後友人と約束があるの。お気持ちだけいただくわ」とのことでした。

それでもS様は褒めて下さり、翌日も「青空さんはいないの?」と他のスタッフに声をかけてくださったそうです(私はその日お休みを頂いていて、次の出勤時にスタッフから聞きました)。
後日S様より頂いた手紙は、個人情報を保護した上で従業員通用口に掲示していただきました。ロビー業務に慣れてきた今でも私の宝物です。

新卒の会社を一ヶ月で退職し、現在の職に辿りつきました。
もうすぐ一年、ですがまだまだ未熟者です。
それでも、私の上司や他のスタッフ、誰よりゲストの力になれるよう、本日も励みます。

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