佐藤史生『金星樹』(1979年/奇想天外社)。私の好きな短編マンガ本のひとつ。
著者は佐藤史生(さとう・しお/1950-2010)。『金星樹(きんせいじゅ)』というのは短編漫画のタイトルで、同名の短編マンガ本は3種類あるようだ。初単行本は「奇想天外社」からの出版。私が所有してるのもコレ。古本屋で買ったのはかなり昔ですが、実際に読んだのは数年前。深く感動しました。
単行本『金星樹』の収録作がどれも良かったので、古本でですが長編漫画の『ワン・ゼロ』と『夢みる惑星』を購入して読破。ひとつ感じたのは、この作者はかなり教養があるんだなと、無教養な自分は感嘆した。漫画としては『夢みる惑星』の方が良かったが『金星樹』の感動には遠く及ばずでした。
ジャンル的な区分では、単行本『金星樹』はSFの短編+ファンタジーの短編で、『ワン・ゼロ』がSF、『夢みる惑星』は歴史ファンタジーでいいかな。
佐藤史生氏の初の単行本「奇想天外社」版『金星樹』。解説は萩尾望都氏。
収録作品は↓の「短編漫画」5作品。個人的なベストは◎傑作の「金星樹」。
博覧強記の作家・荒俣宏(1947-)氏は、元々「少女漫画家」を目指していたらしい。『漫画と人生』(1994年/集英社)という唯一?の「マンガ論」だけの文庫本に書いてある。1980年に書かれた『後見人と〈めまい〉――佐藤史生『金星樹』をめぐって』と題した論考も収録されています。正直、何が言いたいのかはよくわからない。巻頭の計4頁の自作漫画の流麗さに目を瞠る。
↑画像は竹熊健太郎氏のブログより。出典は文庫本『漫画と人生』(1994年)。
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