ラグビー早慶戦を前に思うこと〜勝利より大切なものがあるよ〜
1.たかが早慶戦⁈
11月23日は
ラグビー早慶戦の日。
この試合と早明戦だけは、NHKが放送してくれる。
私はずっとテレビ観戦、去年は土砂降りで放送カメラが曇る程だった。今年の天気もなんだか微妙になってきたぞ。
私にはずっと気になっていることがあった。
早慶戦の二週間後、
大学ラグビーの一大イベント早明戦がある。同じ日慶應は、偉大な一時代を築いた帝京と対戦する。それなのに、、
早慶戦を特別扱いする必要あるの?。単なる一試合でしょ?
次の試合がクライマックスの早稲田はもちろん、強敵帝京戦を控える慶應の中にも、この試合の存在意義に疑問を呈する部員の声は少なくない、らしい。
気持ちはわからないでもない。チームのピークを2度作ることは難しい。とはいっても、、
私は普通の専業主婦で、一慶應OGに過ぎない。が、亀の甲より年の功という言葉もある。
ここで、私は、解答にはならないものの、一つの考え方を示そうと思う。あくまで考え方だけど。
2、頂点ではない、しかしここしかない、という場所
早慶ラグビー部員の殆どは、大学でラグビーを卒業する。そして一般の企業、それも大抵の場合一流企業に就職する。
ここでほぼ初めて出会う人達。
官庁、多くの企業の中枢に鎮座している人々、それが
東大、京大出身者だ。
人間的には『フシギちゃん』キャラも多いが、意外とビジネスの世界は、能力さえあれば他はノープロブレム!のドライな世界だ。しかも、
彼らの頭の回転の速さは尋常ではない。
ただの雑談がNHK『クローズアップ現代』以上の緻密な議論になっていることも珍しくない。
この『知の精密機械』かつ『国立』の東大京大と肩を並べて、一私人が創立した大学がその存在感を示すのは本来容易ではない。
しかし、現実には、東大、京大ではなくあえて早慶を選ぶ、という学生が少なからずいる。一族全員慶應あるいは早稲田、というのも珍しくない。この、
強烈に過ぎる愛校心を育む場所の一つ
それが早慶戦だ。
たとえ入試で慶應早稲田が第一希望でなくても、早慶戦で、
♪陸の王者 ケイオー♪
♪覇者 覇者 ワセダ♪
と歌っているうちに、その学生は『KEIO』『WASEDA』となってこう自覚する。
自分はここに入るべくして入ったのだ!
このモチベーションは、その後の学業や日常生活にも大きく影響する。
早慶戦を舐めてはいけない。
この一私大同士の戦いは、単なる試合ではない。
社会に私大の存在価値を知らしめる一大イベント
であり、さらに重要なのは
様々な背景を持つ学生を一体化させ、そこで4年間学ぶ、過ごす、ことに強いモチベーションを与える大切な学生サポート行事という役割を持つという事だ。
だから、試合に出ている部員の皆さんには手を抜いてほしくない。
少なくとも、監督はここで手を抜くような学生を試合に出してはいけない、と思う。
3.特権には義務を伴う
ここで厳しいことをひとつだけ。
部員の皆さんは、早慶しかもラグビー部に在籍していることで、学内で一定以上のリスペクトを受けている。就活も有利だ。しかし、
その事を当たり前と思わないで欲しい。学内で、就活で、それなりに大切に扱われる、という事は、当然それ相応の義務も負っている、と考えてほしい。
懸命にボールに食らいつく母校の選手を応援する、この時間が、1人の学生の人生を明るいものにするかもしれない。そして、
早稲田に、慶應に、在籍できたことが、卒業後続く長い人生の支えとなったら、、、
早慶戦は、部員だけのものではない。大学のものであり、在籍する学生全員のものだ。
だから、勝ち負けは二の次だ。最後まで手を抜かず真剣に試合に向かい合う、
その姿勢を、部員の皆さん、監督スタッフの皆さんに強くお願いしたい。
くどいけどもう一度言います。
決して手を抜かないでね。
それが部員の皆さんの人生にも、必ず大きな実りをもたらす、そう信じています。
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