大学ラグビーはトップリーグへの橋渡しになっているのか〜育成か伝統か〜
昨年の今頃。
ラグビー日本代表の躍進に列島は沸き返り、大学ラグビーも久々の活況を見せていた。
気がついた時にはチケットは完売していた。
早慶戦の日は、土砂降りの雨だった。
NHKのテレビカメラが雨粒で半分曇っていた。試合をさせるのが可哀想な程だった。
早明戦は明治の圧勝だった。しかし、驚いたのはその事ではない。
大学ラグビーって、、代表とは違うなあ
そのレベルの違いに驚いたのだ。
パスのスピードも正確性も、走る時のコース取りも、何もかも、、違う!違いすぎる!
W杯では、どの国も20歳そこそこで活躍する選手がいたのに。
そして今、
毎週大学ラグビーを楽しんでいる。3月のトップリーグ中止から長い時を経て、まず始動したのが大学ラグビーだった。
かなり楽しんでいる。
大学時代という、人生の長さからすれば一瞬の時間を完全燃焼させる世界
甲子園にも似た清々しさ、切なさ、ほろ苦さ。
どんな試合も、ノーサイドの笛が鳴るとどこか心が洗われるような気持ちになる。
いよいよ今週末の早明戦で、一区切り。もちろん、休む間もなく、翌週から大学選手権3回戦が始まる。
別に不満は、、ない。
先週末、サントリーサンゴリアスvsキャノンイーグルス
の練習試合をみた。といってもYouTubeだが。
素直に驚いた。
やはり別物だったのだ。
パスのスピード、精度、選手の位置取り、ランのスピード、なにより体の強さ、、
個の力、とはまさにこの事を言うのだろう。
一人で局面を打開する
という選手がゾロゾロいる。それは強豪サントリーはもちろん、キャノンの選手ももれなく『一人でどうにかしちゃう』のだ。
大学卒業後、ごく一握りの選手以外は、この恐ろしい程のギャップについていけないだろう。
特に明治、早稲田が所属する対抗戦グループは外国人留学生が極端に少ない。
リーグ戦グループ出身者の方がまだフィットするかもしれない。ただ、観客の少ない中での試合が多いので、勝負勘やプレッシャーへの対応は十分養えないかもしれないが。
もちろん、
大学ラグビーも、トップリーグも、持ち味が違って面白い。観客としては。
しかし、
日本ラグビーのためには、この大きなギャップ何とかしなくていいのだろうか。
入部していきなりマピンピやアーロン・クルーデンと練習できるんだろうか?試合とか論外じゃないか?
去年見たあの違和感が間違いでないのなら、私達大人は
うーん、やっぱり大学ラグビーはいいなあ
と感慨に浸ってばかりではマズイ気がする。
でもおそらく、
大学ラグビーの改革は、ラグビー界で最もアンタッチャブルな課題だ。いわばパンドラの箱を開けるようなもの。
今週末の早明戦を見たら、それが不可能に近い事を思い知らされるだろう。
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