宝塚歌劇星組『ロミオとジュリエット』観劇記②
1.ひっとん、まさにジュリエットでした
さて、ロミジュリの主役、まずはジュリエットから。
純粋で、素直で、でも気が強くてちょっとわがまま。
お嬢様を絵に描いたような少女ジュリエット。当時の16歳は結婚適齢期、だから彼女の思い描く相手は『結婚相手』
この物語、《パリス伯爵との結婚話》さえなければ、もう少し穏便な展開で済んだのに。
ジュリエットがロミオに口説かれた、のではなく、急浮上した結婚話に切羽詰まったジュリエットがロミオに即結婚を迫る、という、ロミオ的には災難でしかないストーリー😓😓
この物語のテーマは、英文学専攻で無い私にはわからないけれど、《人が憎しみ合うことの虚しさ》、と同時に、当時の価値観に沿って
《未熟な大恋愛の愚かしさ》
もテーマだとしたら、ひっとんの役作りは成功だったと思います😊
周囲の、そしてロミオの立場も考えず結婚を懇願するジュリエット、それが単なる自己中にならず、純粋な『若気の至り』に見えるのがいい。
わがままと一途、これって紙一重なのね😳😳
ひっとんのジュリエットは終始可愛らしい☺️芯は強いが下品ではなくて、キャピュレット家御令嬢という『育ちの良さ』を感じさせる。台詞回しがそう思わせるのかな。ダンスの達人である分、小さな何気ない仕草もそう思わせる技術が備わっている、ということかも🍀。
ここが実は大事❗️衣装がとにかくぶっ飛んだデザインなので、一歩間違えるとヤンキー娘になってしまうから😓
ダンスは完璧、歌も上手になったよね😭。特に最後のシーン。
ロミオが死んでいることに気が付かず、新しい生活を夢見て歌うシーン、そして、彼の死に気がつき絶望して歌うシーン、それぞれに情感がこもって、《希望から絶望への落差》もちゃんと感じられました😊😊
私的には、今までのジュリエットの中で1番好きなジュリエットです✨✨
ただ、仮面舞踏会の衣装、脚長でスタイル抜群のひっとんに今ひとつフィットしていなかった。なぜだろう、それだけ残念🥲
2.こっちゃん、苦労の跡が見えました😭
(期待してるからこそ、ここからは辛口です🙇♀️そういう言葉は一切聞きたくない!という方はここまでにしてください🙇♀️🙇♀️)
こっちゃんのビジュアル的に、
『そりゃ、トップになったらロミジュリでしょ、当然』
と誰もが疑問すら持ちませんでした。
どちらかと言えば少年ぽい雰囲気。ロミオにピッタリ!
いや、、だからこそ難しかったに違いない‼️
ロミオはおそらく10代後半、少年から青年に変わる時期。それを舞台で彼女は
『演じる』のです、ここが難しい!
今回改めて気付かされた。
素のビジュアルはこの場合全く関係ない。
むしろ、大人顔の男役の方が、落差があってかえって即少年ぽく見えるかもしれない。
前回月組の時は、みりお(明日海りおさん)よりまさお(龍真咲さん)の方がむしろハマってみえた気がする。
少年ぽいこっちゃんが少年、しかも子供でない思春期の男の子を『演じる』というハードル。
これはこっちゃんでもかなり悩んだのではないだろうか。
正直なところ、第二幕でティボルトを殺した辺りから、尻上がりにこっちゃんの演技は輝いてきた。
突然結婚して、親友が目の前で死んで、その仇を自分が殺してしまう。
『グランドホテル』並にジェットコースター的展開のせいで、むりやり大人になってしまったロミオ。
しかも目の前にはほんのわずかな希望と、ほぼ救いのない絶望しかない。
このラストの悲劇に向けて自ら転落していくロミオの演技は秀逸でした。
今振り返ると、
『霧深きエルベ、、』の誠実で思慮深い青年
『アルジェの男』のどうにも救いのないクズ男
意外なほどハマっていた。こっちゃんは内面の複雑な大人の男を演じてこそ輝くのかも。
舞台とは不思議なもの。ただ立っているだけでは《人》、演じることで初めて《役》になる。
その意味で、前半のロミオはもっと色々挑戦できた気がします。動きがオーバーアクションだったかな。演出の先生のご意向だと思うけど。
もちろん、こっちゃんにだからこそ言える厳しい期待の言葉。
ダンスも歌も破綻がない、あとは役をより深めるだけ。
ロミオ、こうやって考えると難役だなあ😳😳
こっちゃんには期待してる分、今回は辛口です🙇♀️🙇♀️🙇♀️
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