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宝塚歌劇星組『ロミオとジュリエット』観劇記③〜再生の日を祈って〜

一年半ぶり訪れた東京宝塚劇場。

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わかっていたつもりでいた。しかし行って痛感する。

コロナ禍が宝塚に、エンタメ界に与えた傷の深さに。

開演前の興奮も、終演後の余韻も口にすることができない辛さ。幕間に一杯のコーヒーも飲めない辛さ。

早めに行って、シャンテで軽く食事を済ませたら地下に降りる。キャトルレーブで舞台写真を吟味し、公演グッズを買い込んで。

入場したら公演チラシを手に取って、プログラムを買って。座席でパラパラめくっているとオーケストラは調弦を始める。そして、トップスターは開演を知らせ、場内は暗くなっていく、、

改めてわかった。

遠足ではないけれど、

観劇は、家を出てから帰るまでが《観劇》だったのだ。

普通でないのは、観客側だけではない。

舞台の幕が上がったとき、そこにいる人の少なさ❗️出演人数を減らしているとは知っていたが、それが何を意味するか、この時初めて知った。

この物理的に寂しくなった舞台を埋めるかの如く、こっちゃんも、ひっとんも、あいちゃんもせおっちも、くらっちも、力の限り歌い、踊っていた。

なんだろう、今までのヅカにない《凄み》の様な迫力を感じた。凄まじい熱量が舞台を覆っていた。場内は拍手と手拍子の響きに満ちていた。ファンの想いにも泣けてきた。

ロミジュリはたしかに名作だ。歌もダンスも見どころ満載。

でもそれだけじゃない。今、コロナという未曾有の試練に立ち向かっている星組生。彼女達の《エンターテイナー》としての矜持、その強い思いを感じる作品になっている。

感染の不安と闘いながら務める舞台、この過酷な試練に耐える日々から早く彼女達を解放してあげたい!心から思う。

英真なおきさんのロレンス神父様の歌がこれほど胸に沁みたことはなかった。

♪神様は 我々を お見捨てにはならない♪

そう、信じている。

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