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Notion でプロダクト(プロダクトバックログ)を育てる

こんにちは。株式会社シャペロン PO(プロダクトオーナー)の kuni です。

昨年(2023年)4月に PdM としてシャペロンへ入社し、6月から PO をしています。PO といっても前職までは OTA (オンラインだけで取引を行う旅行会社)、現職のシャペロンは医療・製薬業界向けのバーティカル SaaSということもあり、製薬業界については未知なことが多く。まだまだ見習いといったところです。

この記事では、そんな PO 見習いが、現状のシャペロンプロダクトを理解するうえで、改善してきたプロダクトバックログについてお話ししようかと思います。プロダクトバックログの運用には Notion を使用しており、便利な Notion についても少し触れていこうかと思います。


プロダクトバックログの役割

プロダクトバックログと聞くと、開発をするためのタスク管理といったイメージが強いかと思いますが、私の考えるプロダクトバックログの役割はコミュニケーションツールとしての役割が大きいと考えています。

  • プロダクトとして目指している方向は?

  • 重要なトピックは何か?

  • このアイテムは何に貢献しているのか?

  • 開発の優先順位は?

  • 開発の進捗状況は?

プロダクトバックログは、プロダクトチーム内で閉じた話だけではなく、プロダクト側とビジネス側とでこれらの状況をプロダクトバックログを介して共通の認識を作っていく共通言語的な役割もあります。プロダクトバックログをコミュニケーションの中心として改善していくことで、プロダクトの成長にもつながると考えています。

入社当時のプロダクトバックログ

入社当時のプロダクトバックログは、Notion のひとつのデータベースで管理されており、登録されているアイテムもそのほとんどが詳細なものが多く、「プロダクトバックログの役割」で挙げた内容を私自身も理解することが難しい状況でした。ちょうど、人もプロダクトも増えてきているタイミングだったので、プロダクトバックログの運用方法を変える良いタイミングだったかなと思います。

入社当時の Notion プロダクトバックログのデータモデル

入社してまず手をつけたのがコミュニケーション設計です。以下の図はその当時に作成した資料の抜粋です。「改善後のイメージ」ではプロダクトバックログを中心にどのような役割のメンバーがどのように関わるのか?どのラインでコミュニケーション取れば良いのか?などをまとめています。その後、図の空白の部分を埋めつつプロダクトバックログを「改善のイメージ」を参考に拡張していきました。

入社当時の状況と課題
改善後のイメージ

コミュニケーションツールとしてのプロダクトバックログの活用

コミュニケーションツールとしてプロダクトバックログを活用するには、詳細なアイテムを抽象的なトピックやテーマなどで分類できるようにした方が機能します。後々、最初に抽象的なアイテムが定義され、その次に具体化する流れを作るためです。また、顧客要望などは機能要望が来てしまうことが多いのでそれらを抽象化することで課題を明確にできるという効果もあります。

一般的なアジャイル開発では、これらの分類はテーマ、イニシアチブ、エピックで定義されています(※ 参考:アジャイルエピック: 定義、例、テンプレート)。

この分類方法を階層構造そのまま採用してしまうと、分類の階層が深いため、組織の規模や開発フェーズによっては複雑になり過ぎてしまいます。組織や文化に合わせて分類できるようにした方が管理もコミュニケーションもしやすいです。

シャペロンでは、ビジネス側もプロダクトへの理解が深いため、テーマ、イニシアチブは定義せずにシンプルにエピックのみ定義し、各エピックに対して優先度を付与して管理しています。

Notion では、これまで管理していたアイテムをエピックで分類できるように変更し、優先順位や現在ホットなトピックなどを抽象度の高いエピックでコミュニケーションするためのエピック一覧ビューや、具体的な開発のためのタスク一覧ビューを用意しています。

エピックを導入した Notion プロダクトバックログのデータモデル 

エピックの抽象度イメージ

  • 「〇〇〇 MVP 初期開発」

  • 「メール送信時の誤送信抑制」

  • 「バウンス・苦情対策」

このレベル感の抽象度でコミュニケーションを取れるのは大変助かります。組織がもっと大きくなったり、PMFしているプロダクトが増えてきたらテーマやイニシアチブも登場してくるかもしれません。

起票は誰でもOK

プロダクトバックログの起票は基本的には誰でもOKにしています。ビジネス側からのフィードバックも直接起票されることも最近はちらほら出てきている状況です。

アジャイルとは言え計画はしたい

エピックも整理されて、各アイテムの優先順位が明確になり開発プロセスが整理されたところで、もう少し先の計画もしたくなるところです。アジャイルとは言え、計画通りのスケジュールでデリバリーしなければならないものもあります。

いつのリリースにどのエピックがデリバリーされるのか?
大小様々なエピックは存在しますが、月当たりのエピック処理数がこれまでの運用で大体わかっているので、現在はマイルストーンデータベースを追加し、マイルストーン毎にエピックを割り当てて計画をシミュレーションしています。

マイルストーンを導入した Notion プロダクトバックログのデータモデル 

さいごに

JIRA や、ClickUp、Asana など様々なプロジェクト管理ツールが世の中には存在しますが、どのツールをつかうか?と言うよりは、まず最初に考えるべきなのはコミュニケーション設計をどうするか?を考えることが重要だと考えています。

コミュニケーション方法は組織の大きさ、体制・文化にも大きく依存しますが、シャペロンに入社して Notion を初めて使った感想は「必要なフェーズで必要なものを簡単に追加、仕組み化できる便利なヤツ!」です。

最初から機能全部盛りのものを使ってしまうと、使わない機能も含めたルール化などが必要になってしまったり、使うことが難しくてなかなか運用が浸透しなかったりすることが多いですが、Notion ではその時必要なものだけをデータベースで表現して、課題や改善が必要になったタイミングで拡張すれば良いというのがとても気に入っています。

プロダクトをどう成長させていくのか?
プロダクトがチグハグにならないように方向性や舵取りは PO の役割ですが、実際のプロダクトはさまざまな人のアイディアや知見が形となって一つのプロダクトを構成しています。プロダクトバックログを成長させることは、さまざまな人のアイディアや知見を取り入れることにもつながります。つまりはプロダクトの成長にもつながると言うことです。まだまだ成長過程ですが、シャペロン一丸となって、製薬業界の課題を解決していきたいと考えてます。

Shaperon のプロダクトバックログ

(プロダクトバックログは毎日見るものなので、Notion だとヘッダー画像とか小洒落た感じにできるのも良いですね。プロダクトビジョンもヘッダー画像に載せたりしてます。)

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