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野尻湖で学んだ利他ということ【野尻的利他主義】

こんにちは、はやとです。
現在は、2ヶ月間過ごした野尻湖擁する長野県信濃町での生活を終え、東京の実家を拠点に生活しています。

もう気づけば、2021年も残り3ヶ月。
いつの間にか時は過ぎ去っていて、日本で新型コロナウイルスが初めて確認されてから629日も経っているそうです。(2021年10月4日時点)

このnoteでは、とても豊かな時間を過ごす事ができた信濃町での生活を振り返りたいと思います。

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野尻湖ライフのルーティーン

いきなりですが、僕のとある1日の流れをみなさんにシェアしたいと思います。
これ読んだら、みんな信濃町移住考えちゃうぞ〜。

6:30 起床

野尻湖は朝が最強です。8時出勤なのですが、早めに起きます。起きたら歯磨きだけして、家を出ます。

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6:40 LAMP着

住んでいたところから、職場となるLAMPまでは、スケボーで5分くらいです。

スケボーは、今まで全くやった事がなかったのですが、①移動手段が欲しかった、②単純に楽しそうだったという理由で、こっちに来てから始めました。通勤路にいる銀次郎という犬に、通る度に気が狂うほど吠えられてたのも今となってはいい思い出。

到着してからやることはただ一つ...!!

6:45 冷水浴

冷水浴。今日の幸福感を最大限にぶち上げる行為。去年からハマっています。

山から流れてくる天然水 or 野尻湖

という最高に贅沢な二択から、本日の冷水浴の場所決めをします。

朝冷水浴をすると
・ガッツリ目覚める
・開放感を得られる
・寝てる時にかいた汗を流せる
・エンドルフィン、セロトニン、ドーパミン、オキシトシンっていうホルモンがドバドバ出る
・幸福度が上がる
・愛情が湧く
・人に優しくなれる
・自分にも優しくなれる etc...
というメリットが得られます。

超絶おすすめです!

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7:00 ゆったりタイム

冷水浴を終えたら、朝ごはんをいただいたり、読書をしたりします。やんなきゃいけないこととかある時は、パソコンカタカタもします。

この1時間の余白が結構大切な時間。

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8:00 お仕事(LAMP)

宿の清掃をしたり、薪運びをさせてもらったりする時もあるのですが基本的には、サウナで火の管理やお客様へのご案内、その他お客様が喜んでくれそうなこと全般をやります。

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「サウナ番はととのえないから大変じゃ無いですか?」と聞かれることが多いのですが、全くそんなことはなくて、むしろめちゃくちゃととのいます!笑
「ととのう」というよりかは「みたされる」という感覚の方が近いかな。

お客様から「ととのい」を分けていただいてる感じです。
シェアリングトトノイー

13:00 冷水浴アゲイン

業務は5時間で終わるので、13時になったらまた冷水浴を楽しみます。

サウナ番でかいた汗を、天然水でリフレッシュするこの快感、皆さんにもぜひ味わってもらいたい。

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13:05 シエスタ

お昼寝は超大事です。

14:00 ランチ(賄い)

LAMPで出る賄いは本当に本当に美味しい。食べ物はヒトを幸せにします。

僕はサウナチームにいたので、他のチームのスタッフとの接点はこの賄いの時間くらいしかなく、みんなと仲良くなるために大切な時間でした。

15:00 お仕事(TABIPPO)

僕は、The Saunaでのサウナ番以外にも、TABIPPOという会社で仕事をしています。フルリモート可能なので、湖畔のワーキングスペースに行きます。

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20:00 帰宅

夜ご飯は比較的簡単に自炊で済ませます。シェアハウスなので、帰ったら誰かしら共有ルームにいます。

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この日は、みんなでカードゲーム。全員超真剣です。

部屋の明かりを調整し、いい感じのBGMをかけ、ウイスキーを嗜み、心理戦を展開する。雰囲気大事ですよね。

23:00 就寝

就寝時間は、だいたいこの時間。もっと遅い日もあるし、もっと早い日もあります。

では、なぜこんな生活をすることになったのでしょうか?

なぜ信濃町にプチ移住?

2021年の最初の半年間は、僕はデンマークで暮らしていました。
フォルケホイスコーレという教育機関に留学していたのですが、詳しいことは以前noteに書いたので、読んでもらえると嬉しいです。

帰国のことをぼんやり考え始めていた春先のある日、僕はTwitterでこんな投稿を発見しました。


TABIPPOの合宿で2年前にお世話になった、The Sauna支配人のベベさんのTweet。
詳しいことは後述しますが、The Saunaは、サウナ好きはみんな知ってるサウナーの聖地。サウナの本場、フィンランドを彷彿とさせる超本格的アウトドアサウナです。

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デンマーク生活も残り2ヶ月に迫っていて、「帰ったらどうしようかな〜」と考えていた僕は、ひょっとしてこの募集は自分にとって魅力的なのでは?と思いました。

ひょっとしてポイント①:サウナが好きだった

サウナが好きだった。

中学生くらいの時は、「外気浴」とか「ととのう」とかっていう概念は微塵も知らず、ひたすらサウナと水風呂を行ったり来たりする、そんな楽しみ方をしていました。ストイックですね。

大学生に入ってから少しずつサウナ施設にサウナ目的で通うようになり、また違う楽しみ方ができました。

デンマークでは、学校の近くのビーチに一等貸切のログハウスサウナがあり、よく遊びに行っていました。

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海の目の前にあるので、サウナから出たあとは海へ直行。海から出たらビーチにゴロン。デンマークの海は塩分濃度も低いので、ベタつきが気にならないんです。学校から自転車をちょっと漕いだらこんな素敵な場所にいけるから最高です。

ひょっとしてポイント②:自然と距離が近いところに住みたかった

僕は、東京で20年以上育ってきました。
しかも、自分で言うのも変だけど、東京の中でも特に都会の方。最寄り駅は品川、中学校は広尾、高校も大学も渋谷です。

こんなコンクリートジャングルで育ってきた僕でしたが、自然やアウトドアといった類は大好きでした。

でもそれは、自分にとっての異日常を感じる事ができたからかもしれません。

しかし、デンマークで生活することによって、自然に近い場所で生活することの豊かさに気づく事ができました。

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学校(全寮制の学校で、生徒はみんな敷地内に住みます)には焚き火スポットがたくさんあって、薪を自分たちで割って焚き火を楽しんでいました。

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大きな池が冬の寒さで凍った時は、みんなで雪遊びをしたりしました。これが学校の敷地内って、今思うとわけわからないくらい恵まれていました。

学校の周りも自然が本当に豊かで、自転車10分漕げば、そこには海があり、対岸にはうっすらとスウェーデンも望めます。

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森なんかちょっと歩けばそこらじゅうにあって、キャンプは月1回くらいのペースで行っていました。

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こんな環境で生活をする中で、空や海の青・草木の緑・太陽や火の赤が日常の中に自然と溶け込んでいる生活は心地いいものだと気づく事ができました。

そんなひょっとした思いから、履歴書を一旦送ってみることに。

履歴書.001

メンバー募集のnoteには、来てほしい人物像がとっても具体的に書かれていたので、それに沿って、デザインの知識なんて全く無いのに手作りで送ってみました。

メールをちょっとドキドキしながら送り、その日は夜も遅かったので寝ました。

翌朝、ブランチを学校の友達と食べていると、メールの返信がありました。

ぜひぜひ一緒に働けたらと思います。

ありがたいことに、受け入れてもらえることに。
「面接とかやってから決まるのかな〜」と思ってたので、あっさりとOKの返事をもらっちゃって少しびっくり。

こうして、僕の帰国後のプランは決まったのでした。

信濃町へ

帰国後の2週間隔離を終え、友達と遊びまくった1週間を終え、オリンピックの開会式があった日に、僕は信濃町へ向かいました。

前日にコロナのワクチンを打っていたため、左腕が全く上がらず、スーツケースをコロコロ転がすのにも必死でした。


そんな中、最寄り駅についた僕を待ち受けていたのは、LAMP(The Saunaがあるゲストハウス)で働いているスタッフの二人。わざわざ僕を迎えに、駅まで車で来てくれていたのです。(小野さんきくさんありがとうございました。この時のことは、最初だったということもあり、とっても鮮明に覚えてます。)

もうこの時点で、「あ、ここに来る決断をして良かった。」と思いました。

二人からすれば、そんなに大したことじゃ無いかもしれないけど、なんだかその時の僕の心はほっこり満天でした。

その後、僕がこれから生活していく部屋を案内してもらいました。この部屋がこれまたちょー最高。

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妙高山と黒姫山を拝めるまさかのマウンテンビュー。部屋のスタイルも、アジト感あって、僕の心を擽りまくり。部屋から虹が見える日もありました。

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The Saunaという場所

サウナイキタイという、サウナのレビューなどが見られるサイトには、The Saunaへのレビューが2000以上あります。

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薪の音や香りが感じられるサウナ室の雰囲気の良さ、山から流れてくる天然の水風呂、圧倒的に自然を感じることのできる外気浴。どれも、オリジナリティに溢れ、大人気です。

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しかし、The Saunaは「」もとても大切にしています。お客様にどれだけいい気持ちになってもらえるか、どれだけお客様の期待を越えられるか。そこに対して、スタッフのみんなは全力です。

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ありがたいことにお客様から「働いているスタッフの皆さんは楽しそうですね〜!」とよく言ってもらえます。

おかげさまで常時、3ヶ月先まで予約はいっぱいで、来てくださるお客様はとても楽しみに来てくださいます。

だからこそ、スタッフたちはその期待を越えるべく更に全力のホスピタリティでお迎えします。サウナチームのLINEグループからは毎日びっくりするくらい通知がきます。「ここ改善しよう!」「お客様からこんな声をいただいた!」「これやったら良かった!」そんな報連相がしょっちゅう飛び交っていました。

お客様に全力で楽しんでもらう→お客様の期待値が上がる→その期待値を越えるべく更に全力を尽くす→お客様の期待値は上がる

そんな素敵なサイクルが高速で回っているのがThe Saunaの素敵なところ、強みだと思います。

シェアハウス

僕は、LAMPのメンバーとシェアハウスで生活をしていました。入れ替わりもあるのですが、多い時で8人が一緒に暮らしていた時期もありました。

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バックパッキングをよくする人や、誰かと一緒に住んだことがある人はよくわかると思うのですが、自分以外の誰かと生活することは大変です。

「自分にとっての当たり前が、誰かにとってそうでない」という場面が往々にあります。これは、一緒に生活してるからこそ気付けることなのかもしれません。自分の中の「普通」という概念が壊されるのは日常茶飯事です。

でも、このシェアハウスはとても居心地が良かったです。それは、みんな誰かのために進んで行動する事ができていたからだと思います。これは、シェアハウスメンバーに限らず、信濃町で僕が関わらせてもらった全ての人がそうでした。

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恥ずかしながら、車も免許も持っておらず車社会に飛び込んだのですが、シェアハウスメンバーはいつも僕のために車を出してくれました。

「買い物行くけど、一緒に行く〜?」
「近くの温泉行こう!」
「長野駅ちょうど行くから、おくっていくよ!」

これは一つの例にしか過ぎなくて、他にもさまざまな場面で利他の精神を目の当たりにしました。

利他とは?

「利他」は非常に勘違いされやすい言葉だと思います。

「誰かのために何かするなんて、自己犠牲だ」
僕もそう思っている時期がありました。

しかし、The Saunaで働いたりシェアハウスに住む中で、本質は全然違うのではないかということに気付きました。

「『利他』とは何か」という本では、2種類の利他が紹介されています。

効果的利他主義

効果的利他主義は、「自分ができる最大限の良いことをする」という考え方です。例えば、自分が誰かに10万円使うという状況があったとしましょう。

もちろん、「最大限」や「良いこと」の定義は人それぞれなので、この10万円をどう使うかは何百通りもあると思います。

このサイトで10万円(USD1000)と入力すると、マラリア対策のベッドネットを500個設置できると教えてくれます。1つのベッドネットで2人分の対策をできると考えると、1000人をマラリアから守る事ができます。ちなみに、人を一番殺してる生物は、蛇でも蜂でもなく、蚊なので、そう考えると、最大限良いことをしてる感じがします。

合理的利他主義

合理的利他主義は、「情けは人の為ならず」の考え方です。

誰かに何かをすることで、巡り巡って自分に返ってくる。つまり、行動の源泉が「自分」にあるところが合理的利他主義の特徴だと思います。

野尻的利他主義

本には、効果的利他主義と合理的利他主義の二つが載っていたのですが、僕はもう一つ、「野尻的利他主義」を提唱したいと思います。(一切研究等に基づいたものではありません、僕自身が勝手に感じた事です。)

野尻的利他主義は、「誰かのために何かをするという行為自体が、結果的に自らの豊かさにつながる」という考え方です。

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The Saunaで学んだ、お客様に楽しんでもらいたいという想いや、シェアハウスで学んだ、誰かのために進んで行動する姿勢。これには全く計算や見返りを求めるバックグラウンドがありませんでした。

では、なんでナチュラルに野尻的利他を発揮できるかというと、そこには個人の豊かさが関係してるのではないかと思います。

豊かさ

広義な言葉なので、僕なりに定義すると、「豊かさとは愛である」というのが、現段階では一番しっくりきています。

LAMPは、宿泊業界では珍しく、週休2日あります。毎週月火は、宿もサウナもレストランもお休みです。

ここで働く人たちは、このお休みの2日間を全力で楽しみます。

早起きして渓流釣りに行ったり、岐阜県までサウナ旅に行ったり、野尻湖でバス釣りに行ったり、キャンプに行ったり、登山したり。本当に遊び尽くします。

とても印象に残ってるのが、サラマンダー小野氏の口癖

「人生、全Betだから!」

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ちょっとだけバカっぽくて、でも最高にかっこよくて。

この記事もめちゃくちゃ面白いので読んでみてください。

少し話が逸れてしまったのですが、野尻の民たちは、愛たっぷりです。

サウナを愛している人、信濃町の自然を愛す人、コーヒーが大好きな人、ここにいる仲間が大好きな人。
自分の愛の方角を理解して、たっぷりと愛情を注ぐ人たちは、決まって自分のことも大好きです。

自分自身に対しての愛、誰かに対しての愛、何かに対しての愛、どこかに対しての愛。その愛が十分に自分の中に内在してると、生き生きと、豊かに自分らしく生きることができるのかなと思います。

ドイツ人心理学者のフロムは、「愛するということ」という本で、愛の4つの要素として、配慮、責任、尊重、知をあげています。

野尻の民は普段から愛と密接な日々を送っているからこそ、この4つの能力にも長けていて、それらが周りにも還元されているのではないでしょうか。

さらに、還元することで、自分自身もより豊かになっていくというチート。

持続的な豊かさの創造が自然とできる環境が野尻的利他主義の根幹だと思います。

終わりに

僕は2ヶ月しか滞在しなかったので、もしかしたら魅力を存分に発掘できていないかもしれません。でも、信濃町野尻での生活は、ここでは書ききれないくらい素敵なものだったし、もっともっとここで暮らしたい!という想いがあります。

ということで、来年の4月から、今度はもっと長期的にここに身を置きたいと考えています。移住計画立ててます。

信濃町で関わってくださった全ての皆さん、ありがとうございました。本当にお世話になりました。そして、これからも引き続き、よろしくお願いします!愛をたくさん貯め込んでまたそちらへ行きます!

#一人じゃ気づけなかったこと


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