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五行歌(文章付き)

レンタルできない
想いでも
書かれていたのか
新着CDの
歌詞カードが破られている

(初出:『五行歌』 2004年6月号)

……

この歌を書いた時は、
確かケミストリーのファーストアルバムを
レンタルした時のことだったと思う(聖子ちゃんではない・笑)

同じ時期に、図書館の本が破られてたりするという
事件もあったような記憶もある。

公共のものが利己的な考えから壊れていると、
どんな小さなことでも、ショックだ。

最近、車で出かけないと見つけられない、
レンタルCDのお店が、
とうとう閉店していた。

そこに寂寥感はあっても、ショックはなかった。

レンタルって言葉に思いを馳せると、
「→」の記号が浮かんだ。

シェアだと「←→」かな。
サブスクは……浮かばないや。

「←→」は、人の公共性を高めているかな。
それとも、利己的に振る舞っても、
人に迷惑をかけなくても済む世界になっているってことかな。

醤油がなくなったからといって、
お隣さんに借りに行くような昔を
当たり前に生きたことはないが。

うまく言えないけど。

いろんな功罪入り混じりで、
いつの間にかシステムが変わって、
それにボチボチと
順応していってる訳だけど、

自分が、人に対して、
最低限どうありたいかは、
意識しないと、
知らず知らずのうちに、
へんてこりんになるのかもしれない。

電車内で起きる、
想像したことのない事件を、
「信じられない」の一言で、
蓋をせず、考えるのだとしたら。

簡単に人を恐れたくなる弱さもあるが、
自分はどうありたいかを
人から学ぶこともあるんだからと、
閉ざす扉を、網戸にする。

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