【書評】お金2.0を読んで
「お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)」を読んだので早速レビューしたいと思います。
作者 佐藤航陽(さとうかつあき)氏とは
「お金2.0」の作者佐藤航陽氏は現在「metaps」株式会社CEOをされている、フォーブス誌の「日本を代表する若手起業家です。
早稲田大学を1年で中退し、20歳のときに資金150万円で起業されました。
それからアプリ収益化支援プラットフォーム「metaps」を開始し、手数料無料の決済サービスSpikeをリリースに世界に衝撃を与えました。
最近は韓国の仮想通貨取引所Coinroomの設立や、時間を売買できるサービス、タイムバンクをスタートさせています。
前書未来に先回りする思考法 が素晴らしい良書であったため、名前を知られている方も多いと思います。今回の本は経済の未来に焦点を当てた内容になっています。
本の目次
第1章 お金の正体
第2章 テクノロジーが変えるお金のカタチ
第3章 価値主義とは何か?
第4章「お金」から解放される生き方
第5章 加速する人類の進化
本の背景
私は普段は企業経営をメインにしておりますが、お金のことは自分が15年以上ずっと考えていたテーマですので、昔の自分がもっと早く知りたかったことを文章として残すことにしました。お金をテーマに文章を書くのはこれが最後になると思います。
佐藤さんは決して裕福な家庭で育った訳ではなく、世帯収入が兄弟4人と母親一人で100万円台だった時代があったそうです。
目標であった弁護士も大学1年生の時に経済的な理由で諦めざるをえませんでした。
お金によって人生が決まることに大きな憤りを感じ、「人間はどんな境遇であっても何者にでもなれる」と世間に証明したい。
そんなビジョンを原動力にしていたそうです。
「生まれた瞬間から負けることが決まっている。」世界を変えようとしている佐藤さんが書かれた本なので非常に内容が濃かったです。
個人的に印象に残ったこと
資本主義社会は自然の食物連鎖に似ているから長く続いている
20年続けることができる企業はわずか0.4%という数字が出ているように、企業の寿命はインターネットの普及と共に変化が激しくなり、年々短くなっています。
アイディアが優秀なベンチャー企業も資本のある大企業に買収されたり、更に良いサービスをリリースされて厳しい競争にさらされます。
大企業もUberやAirbnbのような破壊的なイノベーションをもたらすベンチャー企業が次々に生まれているため、のんびりとしていられません。
自然界は資本主義社会のように弱肉強食という残酷な食物連鎖というシステムで動いていますが、新陳代謝がシステムに組み込まれバランスの取れた秩序が働いています。
経済は自然の世界に似ていたからこそ資本主義社会がここまで長く続いたそうです。
感想
本の内容は佐藤航陽さんのブログと重複する記事も多かったですが、分かりやすく構成し、加筆されていたため読んでいて分かりやすかったです。特に仮想通貨の未来に関することは実際に佐藤さんがタイムバンクを通して作り出そうとしている新しい経済であるため、とてもワクワクしました。
しかし、仮想通貨についてあまり知らない人についてはハードルが高い章もありました。
第4章のお金から解放される生き方については先日ベストセラーになったモチベーション革命を思い出させるモチベーションについての話になるので、モチベーション革命を読んだあとの方が理解が深まると思います。
AI、ベーシックインカム、VRなど最新のトレンドにも触れつつ、お互いがどんな化学反応を起こすのか予想されていたので、将来を予
想する道標になると思います。この本で佐藤さんの考えに共感した起業家や、本書に出てくるトークンネイティブと呼ばれる若い世代が自分で経済を作る未来が来た時、お金がないからといって自分の未来を諦めるようにはならないと思いました。
まとめ
仮想通貨バブル崩壊後、1ビットコイン40万円ほどになりましたが、2020年9月30日現在、1ビットコイン113万円になっています。
ビットコインはオワコンと言われたあとも、着々と優秀なエンジニアやスタートアップが開発を継続し続けています。
「お金2.0」を読むことによってイノベーターが考える新しい未来の片鱗が見えました。
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