恋のゆくえ
「可愛いワンちゃんですね」
僕が彼女にやっとの思いでそう声をかけると、
「私、トイプードル好きなんですよね」
彼女はつぶらな瞳のトイプードルに目をやる。
そう、優しい眼差しで。
穏やかで優しい時間。
もう少しこのままで…
「じゃあ」と彼女は僕に声をかけると、
僕の前からゆっくり通りすぎて行った。
こうして僕は彼女と束の間ではあったけど、何とか
彼女に声をかけることができた。
まだ心臓がドキドキしてる。
彼女とひと言会話を交わしただけなのに、それでも
僕はなんだか幸せな気分。
ああ、少しでも話せて良かった!
僕はそう思った。
彼女もこの辺りに住んでるのかな?
また会えるといいけど。
そんなことを考えながら僕は家路に向かった。
それもそう、軽い足取りで。
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