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スパイスカレー、10時間かかると思っていました | 料理初心者より

カレーをスパイスから作る人は、料理に物凄い熱量をかけている方なのだ。

そう信じて疑ってこなかった。
よく分からないけれど、あんなに簡単にカレーを作れるルーが存在しているのに、わざわざスパイスを選ぶなど。
スパイスもかなり種類があるし、やり始めたら最後、多分沼なんだろうな。
沢山煮込むんだろうし、スパイスからカレーを作るって、きっと想像以上に大変なことなのだ。

と、思っていた矢先。

スパイスカレーを作る方が入社してきた!

しかも男性の方。

料理が好きということで、ああやはり料理に物凄い熱量をかけている方なのだなぁと思っていたところ…

「手間はいるかもしれないけどめっちゃ楽」

とのことで、半信半疑でレシピを聞いてみた。

彼によると、印度カリー子さんというなんともキャッチーなお名前の方のレシピが一番基礎になるということだった。

私が参考にしたレシピも下記に引用させていただく。

読んでみて思ったが、あまりに書いてあることが少なくて拍子抜けした。

玉ねぎを炒めて、
トマトを入れて少し炒め、
スパイスと塩を入れて香りを立たせて、
完成!

…普段作るカレーより、工程が少ないくらいだった。

(ついでに言うと、私は彼から玉ねぎを心配になるくらいほど黒くなるまで炒める、ということを聞いていたので、なんとなく覚悟ができていた)

というわけで、早速土曜の昼間から始めてみた。

玉ねぎのみじん切りは、面倒だったので100均のハンディプロセッサでぶんぶん。

1個分をばさりとフライパンに入れて、押しつけるように炒めていった。

恐らく40分ほど炒めていただろうか、大分焦げ茶色になり煙を発し始めたそれは、まるで挽肉がボソボソになったような見目をしており、最初の量から約3分の1くらいまで縮んでいた。

どのくらいの量かというと、私の握り拳1個分くらいになってしまったのだ。

少なくないか!?こんなものでカレーができるのか!?
不安に思うが、印度カリー子さんのレシピではこれで2食分になるらしい。本当か?

疑心暗鬼に陥りながらトマトを加え、ペースト状になった物体を見て幾分か安堵する。

王道スパイス、クミン・コリアンダー・ターメリックと同量の塩を投げ込み…

もはや炒めるというより練るというような作業を経て、初めてのグレイビーソースが完成した。

やっぱり握り拳1個分くらい。

心配になりながら牛乳と水で伸ばし、チキンと茄子を入れてしばし煮込んだ。
結果半量とちょっとを使って初めてのスパイスカレーが誕生したのである。

見目を良くするためにバジルを振った。本来ならパセリでは?

ひと口食べてみて…あまりの美味しさに感動して倒れそうになった。

玉ねぎをただ黒コゲ近くまで炒め、塩とスパイスとトマトを入れただけである、この物体が…

あまりに美味しすぎたため、2食分では勿体無いと、日曜日に何を思ったか私は玉ねぎを6個ほど買い込み、同様の手順でグレイビーソースの作成に取り掛かった。

前回と同様に…

と、同量でもないのに舐めていたようだ。
あっという間に3時間が経ち、私は目の前の薄ら茶色に変化してきた玉ねぎのみじん切りとにらめっこを交わしていた。

量が多いのと、ハンディプロセッサで刻んだためか水分がどうも多く、全く色の変わる兆しがない。

最後は半分虚無状態で調理を終え、達成感もあまり感じないままに出来上がったソースを冷凍庫に入れ、無事深夜1時半に就寝を叶えた。

結論、やはり覚悟は必要だったということ。
また、後で入社してきた彼に聞いた話だが、ハンディプロセッサは水分がよく出てしまうので使わない方が吉なのだとか。
また他の友人に聞いたところ、玉ねぎを炒め出す際に塩をひと振り入れると水が早く出て色が変わりやすいだとか。

先人たちの教えはまだまだ沢山ありそうだ。

長く続くかは不明だが、この取り組みからはスパイスカレーの美味しさを体験すると共に、スパイスの面白さを知る経験を得られたように感じている。

あと、いつも美味しいカレーを提供してくれる行きつけのインドカレー屋さんに強く感謝した。

この美味しい食品を1週間ももっとも食べ続けるために、また違う形も挑戦してみたいと思った今日のことでした。

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