八丈島での最初のミッション。
コロナ禍にわざわざ八丈島に来た理由のひとつ。
今回はただの遊びでも休みでもなく、やるべきことがあってきました。
そう。
それは。
「実家の掃除」🧤
物心ついた時から母は山へ、父は海へ。
特に母は朝早くに出て、夕方帰ってきたらすぐ夕飯の支度、家事育児と相当ヘビーな生活だったと思われます。ありがとう、母。
しかし、母そんな状態なのに、父が漁師のため魚は丸ごと一匹さばくが常。
夕飯の支度が、ウロコかくところからなんて。
ところてんを海藻から煮て作るとか。これはさすがに1日がかりでしたが…
母いっそがしーのに、父が手間暇かかる食材を持ち込み続ける為、台所は毎日が戦場。
そんな母をサポートするというか、人間が住めるレベルに戻すために、丸ごとの魚を解体した後のドロドロの台所を、幼い頃から素手でガシガシ掃除していたことを思い出します。
その頃のトラウマか、今でも都会で乾いたコンタクトレンズを見ると、一瞬ウロコかと思ってしまいます。
幼い頃から高校まで、綺麗な家に住んだことのないビンボーハチドリ🦜⤵️
もう、こんな生活いやだっーーー😭
と、高校卒業後、島を飛び出し、早21年。
たまに帰省しても1日2日、最近はホテル泊をしてたりして、実家の地獄絵図は見てみぬふりをしてきたわたし。
そう。
母は用賀生まれのお嬢様から、商社勤務を経て、急に八丈で漁師の嫁になり、魚をさばくハメになり、母となり、なぜか一家を支える大黒柱となり、家事能力を鍛える暇などなく時が過ぎてしまった。
なかでも掃除のできなさは、ヘビー級。
おそらく生きていく上で、掃除はしなくても死なない。という究極の取捨選択をしたんだと思います。
長年ハチドリ家が抱える「家きったない問題」に向き合うべく、一緒に暮らす父と、今年から八丈在住の姉が物申すも、無邪気な鉄の女・チヅヲには届かない。
かと言って、家の汚損は進む一方。
そこで、白羽の矢がたったのが、都会での仕事が一旦終了となり、八丈へしばらく帰ることになったわたし。
新型コロナウイルスも恐ろしいですが、実家は様々な菌に溢れかえっているため、特殊清掃人くらいの用心と気合いが必要であります。新種とかも生まれてるかもしれない🦠
大丈夫。幼少期の経験から、ある程度のグロテスクな汚れ免疫はついている。ガンバレ自分。
意を決して、無邪気な悪魔の住む要塞(=実家)へ足を踏み込む…
暗い…
とりあえず、電気をあまりつけないスタイルで汚れに気づかせない気だね?
わたしも電気をつけるのが怖いよ。
田舎あるあるで、電気をつけたら壁にどでかい虫がいる、とかよくあるしね。
でも、勇気を出して。
オマエハソノタメニココヘキタノダカラ…
ダンジョン(=実家)の奥から聞こえてくる謎の声…
現場を軽くチェックした時点で、危うく虚無化寸前。
もうこのロケ終了していいですか?!
と抗ってもダンジョンの主に許されるはずもなく、静かにゴム手袋を装備した。
何回も泣きそうになり、膝をつきそうになりながら、磨く、こする、拭き取る、をただ繰り返す。
丸2日磨き続けても終わらないキッチンに、ダスキン呼ぼうかなぁとか、いっそ引越しを進めてみようかな、と、めげる心。
掃除と引越しが同じ天秤にのるレベルの汚損。お察しくださいな⚖
しかし、途中から、わたしを育てたルーツはこれなんだよね。これがあったから今のわたしがいるんだよね。と泣き笑い状態のおかしな精神に突入し、半狂乱で無心に鍋をこすりまくる。
人は悲しみが極限に達すると笑って乗り越えられるようにできている。
親の教育はエンドレス。
明らかに普通ではない父と母ですが、感謝しかない。産んで育ててくれてありがとう。
様々な感情を何周もするうちにゾーンに入り、ようやく3日目にして汚れもひと段落。
一応、母に引越しする意思があるかダメ元で確認してみたところ、答えは「壊れるまで住む」だったので、定期的に掃除に帰ってこようと決意した2020年夏。
実家のカレンダー。
「囚」
しがらみにとらわれない生き方したいもんや
ちづを。
床掃除から顔を上げると、この言葉が何回も飛び込んできて…泣き笑いゾーンに突入したきっかけを与えてくれた。
ほんまに。したいもんや。。。
無邪気な悪魔は憎らしいけど、愛すべき存在なんや。
翌日起きてキッチンへ行ってみると、もう荒れている。
悪魔の仕業か…
掃除もエンドレス🧼
静かにゴム手袋を装備した。
ー番外編ー
無邪気な悪魔に心奪われ40年連れ添う父でございます。
良い写真が撮れたので、「SNSあげていー?」と聞くと、「好きにせー」(おそらくSNSを知らない)と言うのであげたけど、よくみたらパンツだった。笑
ごめん。おとう。
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