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理由は聞いたことがある、それだけ。

時々ふらっと歩きたくなる。知らないところを。
目的などない。観光でもない。有名な名所もない。
そんな街にも生活している人がいる。
その空気感を肌で感じたくなる時がある。

人それぞれにある原点の場所。そんな空気感。

東京の西の方。良く乗るメトロの路線。でもここまで
来たことはない。

聞いたことだけある街。その時は想像もつかなかった。

どんな街なんだろう。

ふと思い立って電車にのる。

どんどん郊外へ。大きな川を越える。有名な川。

この辺りまでは知っている。来たこともある。

目的地はその先だった。

駅に着く。高台にある駅。見晴らしがいい。昔は山だったところのようで坂道が多い。

天気もいい。うだるような暑さだが、この街に降り立ったとたん暑さも気にならなくなった。

駅前に商店街などない。スーパーが一軒。そして大きなマンションがそびえたつ。東京郊外のベッドタウン。そんな感じだ。

子どもたちの声が遠くから聞こえる。すぐ近くにある野球場からだ。

その声につられ行ってみる。

何かの大会か?試合をしている以外にも何チームかスタンドにいる。
そして応援している家族たち。

試合をしているチームには女の子らしき選手もいる。がんばれ!
全然知らない子どもたちだが、何となく応援したくなり、しばらくそこで試合を見ていた。

僕にもこんな時があった。この日のような炎天下での練習や試合はよくあった。

嫌だった。

朝、凍らせたスポーツドリンクを早く飲みたかった。でも飲むころには溶けてしまってぬるかった。そんな記憶がよみがえる。

もっと野球を楽しんでおけばよかったかな。こんな思いも一緒に。

せっかく来たから地元の人ならではのものを食べようと思った。
野球場に来るときに見かけたパン屋さん。

家族連れがたくさんいた。店員さんも数人いてとても感じがいい。
きっと、ここに住んでいる人なら一度は食べたことがありそうだ。
そんな人気店のような雰囲気がした。

サラダパンとおススメと書いてあったミルクパン、そしてイチゴオレを買う。

駅前の横にある広場のベンチで食べた。

気持ちいい。そして美味しい。のどかな風景。ゆったりとした時間。

しばらく忘れていた心のゆとり。

こんなところで生活した子どもたちはのびのびと健やかに育つだろうな。

なんて思う。僕の地元も思い出す。

たまにはこんな日もいい。

人それぞれの生活。人それぞれの人生。どんな街にも人がいて、生活がある。

そんなことを肌で感じたことをここに書いておきたいと思った。

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