サークル・オブ・ライフ_9 フォレストークン
……朝の光が森に射し込むのを見ると「山の神様がくれた一瞬のご褒美」だと感じる……。
これまでシムシティの様に、黒滝村という箱庭で自由に思考想像の翼をはためかせてプランを————実現することが決まっているみたいに————提案してきた。こどもおとしより園、黒滝リゾート、落ちのびの郷、小型人工衛星くろたん1号、小水力発電の普及等々。今回は、それらが真珠の一粒一粒だとしたら、一連なりのネックレスにするためのチェーンの役割を果たす地域通貨を提案する。それこそが『フォレストークン』だ。
例えば日本で暮らしていると、商品やサービスを購入する際には「円」を利用することが多い。トークンでは商品やサービスを提供する人が、円に代わる独自のトークンを発行する。そのトークンは商品やサービスの購入だけでなく、何かやろうとした際の方針決定等の投票権として利用することもできる。トークンの価値は需要によって決まり、そのトークンを利用する人が増えればトークンの経済的価値は上昇するという仕組みだ。無論、円はこれまで通り通用するが、黒滝村だけで使える貯まる分け合えるトークンとしてフォレストークンがある。分け合えるというのは“贈与”としての使い方もできるからだ。贈与と言っても莫大なものだけではなく、少額の寄付等にも使用可能だ。
一見ラガード多めの人工林に囲まれた美味しい水と空気溢れる黒滝ではあるが、やるとなったら一気に拡まる。最終的には吉野郡、奈良県、日本とフォレストークンは拡大させていければと思っている。何せこれほど木々に囲まれている国は稀なのだから。その時こそ、「フォレストークンって奈良吉野の黒滝発信らしいよ?」となればしめたものだ。後醍醐天皇と楠木正成の無念を晴らすかの如く南都は再び日の目を見る。ただし燃え盛る火の目ではなく、穏やかさと癒しの温かな陽の目だ。私は以前から「京都は楽しむところ、奈良は味わうところ」「京都は華美、奈良はわび」と言っているが、一層それを深めていくことにもなりそうだ。
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