あの日が嘘みたいに涼しい。

気がつけばもう9月になっている上に16日も経っていました。

自分の体感で進んでいく時間は早すぎて信用できません。私の中ではさっきようやく夏が終わったばかりでした。

今年の夏は全然夏らしくありませんでした。   だけど1つだけ夏らしい思い出ができました。

やっぱり夏って想像通りに不思議なもので、別離さえも額縁に彩られた思い出になってしまうんですね。不思議でした。悲しいことに変わりはないのに何故か良い思い出のようにも、作られた名作ドラマのようにも見えます。

どうしてここに至るまでにこのような経験をもっと私に与えてくれなかったのか、それだけが怒りです。

何かが足りていれば、まだ私は夏にいることができたのでしょうか。ドラマの結末は変わったのでしょうか。それだけが悲しみです。

結局私は何も分からなかった、という点でまだ子供だなと思ったし、一生この感情だけは大人になれないままなんだろうなと悟りました。


来年も夏は来るけど、またね、とは言いませんでした。

さよなら、夏。

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