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『おはようございます。NHKの集金にお伺いしました。』

2021年2月23日。昼を過ぎて直ぐの時間帯。

スーツ姿… 言っても上着は脱いでいたが、キチンとした身なりの頭の良さそうな男性が開けたドアの向こうに立っていた。歳は30代頭くらいのように見える。

ちなみに、タイトルに記した台詞はこの彼の物だが、正直、『NHK』というワードを耳にしたその後の言葉は、僕の想像でしかない。脳が情報をシャットアウトしたので覚えていないのだ。
正しくは、『NHKから来ました』とか、『NHKの◯◯と申します』といったような、NHKから集金を依頼された下請けがよく偽って使う類の台詞だったかも知れない。

まあ、どんな台詞を吐いたとて、相手が契約者であれば、未払いの金銭を払えと言って来るし、未契約者であれば、契約した後に結局のところ金銭を要求して来るので、僕からすれば、彼が追い剥ぎ紛いの要件でそこに立っている事に変わりがない。

と言うのも、もう何年も前に、僕はNHKとの契約を解約している。
ちゃんと解約の書類を交わし、解約されましたという書類も送られて来た。
それでもなお、地域の担当集金業者が変わる度に、このように集金、契約に人が回って来るのだから、つまりは、実際のところNHKには、契約者のデータベースなど存在せず、あったとしても相当にずさんな物で、端から「国民は全て契約者である」というジャイアニズムに満ちた考えのもとに運営されている企業なのだと、僕は認識している。

過去に回って来た業者にも、何度も、「解約した」旨を伝えてみたが通じた試しがない。
彼らにはそもそも、NHKは解約云々出来ない物だと教育されているか、集金以外の事は教育されていないのだろう。

玄関のスーツマンに対して僕は、どう対処するかを考えた。
何かしら話しているようだったが、僕の耳には右から左へである。

NHKの狂気めいた言い分としては、TV(受信設備)その物があるなら観ていなくてもお金を払えという話だが、B-CASカードを返却してしまえば、払う必要がないと僕は考えている。

何故なら、B-CASカードは、デジタル放送受信機に同梱されているICカードであり、これを受信機本体に差し込む事で受信が可能になる。言わば、「受信機のパーツ」と言っても良い。このカードが無ければ、受信機は受信設備として完成しないのだから、「受信設備がある」とは言えないのだ。
解りやすく言えば、スマートフォンにSIMカードが装着されて、初めてスマートフォン=電話として使える、それと同じだ。
スマートフォンはSIMカードが装着されて、送受信が確認されたタイミングから通信料等が発生したハズだ。
受信設備として成り立っていないのに受信料が取られるとすれば、これはおかしな話である。

もし裁判沙汰になったとして、この理屈が通じないのであれば、恐らくは法もNHK寄りなのであろう。何かしらの利害が動いている。
その場合は勝ち目がない。諦めるしか無い。
法がいつも正しいとは限らないのだから。

「うちに一番最初に来られた集金人さんに、B-CASカードを返却します、と言ったら、『今は書類が無いから対応出来ない。次回書類を持って来ます』と言って帰って行ったんですが、その件どうなりましたか?」

僕は目の前の男の話を遮ってそう言った。

結果論から言えば、今回の集金人は相当に理解力が高かったようで、
『そうですか。それであれば、帰ってもう一度確認いたします。お休みの日に失礼いたしました』と言って帰って行った。

ネットの情報によれば、最近の下請け集金会社は、「客がややこしい人間、弁の立つ人間だった場合は、相手にするな」と言われているらしい。

ちなみに前述の一番最初に来た集金人とのやり取りは事実である。
ただ、「B-CASカードは受信設備の一部であり、受信機に差し込まなければ受信設備として成り立たない」というのは、ただの僕の持論なので、その集金人には話していなかった。
その集金人が勝手に「B-CASカードを返却するなら受信料を払わなくても良い」と判断し、「返却の為の書類を持って来る」と言ったのだ。

今回の集金人が、『ややこしい奴だから逃げろ』と思ったのか、後日本当に書類を持って現れるのかについては解らない。

韓国では、NHKの放送が韓国民に対して無料で流されているというのに。
他国に無償奉仕する為に、番組を観ていない人間からも金を搾取するこの不遇なシステムは、いつになったら終わるのか。

お人好しで素直な日本人よ。そろそろ目覚めても良いのではないか。
僕は常々憂いてそう思っている。

タイトル画像:https://pixabay.com/
画像製作者:Tumisu

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