フローラさん

わたしが20歳の頃の話。アメリカにて寮生活をしていた時の話。
ある夜、枕元からあるお婆さんの声が聞こえてきた。誰かがわたしに話しかけている。英語でなにやら感謝されていて。不思議に思ったので、わたしも相槌を打ちつつ、最後の方で、お名前を聞いてみたら、フローラさんだという。
私はどこであったか思い出せなくて、色々と思い出してみたけど、考えている間にフローラさんが"もう行かなくちゃ"と言い出すので、"どこへ?"と聞くと、"天国よ"といいだすではないか。"一緒にくる?"
え?私、亡くなる前の人とお話ししてたの?と驚く。よくよく目を開けてみると、目の前に白い光の玉が。声の主はそれだった。すると、光の玉は部屋の壁へと消えていった。わたしは、思わずベットから降りてお辞儀をした。
次の朝、ルームメイトと挨拶をすると、"おはよう!昨日誰かと電話してたの?"と聞かれ、わたしは記憶が微かにはあったものの、よく思い出せないし、着信履歴もない。"え?電話?きてたかなぁ?"と疑問に思った。
その日、ボランティア先の老人ホームのデイケアに出かける。施設に到着すると、担当フロアの入居者が泣いている。スタッフさんも泣いてる。
恐る恐る泣いてる理由を聞くと、入居者の1人が亡くなったとのこと。名前はフローラさん。
え?昨日お話しした人だ!と判明。フローラのお友達のお婆さんが、フローラがあなたとお話ししたって聞いたわよ!!と背中をバシンッとたたかれるわ、何話したの?と皆興味しんしん。
不思議な事もあるんだなぁって。

寮に帰ると、ルームメイトに報告。昨晩亡くなったフローラさんていうお婆さんが昨日わたしに会いにきたみたいよー。って。するとルームメイトはわたしが部屋に幽霊連れてきた!と騒がれて、大変でした。
幽霊なんてその施設ではあるあるだったのに、騒がれることかと不思議に思う。夜中に座敷童出るし。

※これは実話です。全て英語でやりとりされてます。

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