【アート】ギャラリーストーカーについて。本当にいるの?
ギャラリーストーカーはいる!
最近、ニュースになっているのを見て、ついに出てしまったか・・と思いました。※下記実際のニュースです
私は美術品の買取をしており、扱う商材の関係上、従業員に芸大出身の方や作家活動をしている方などが在籍し、以前からそのような話を聞いてました。
特に現役で作家活動している方もいて、今回の記事同様【女性アーティスト】です。実際にアートフェアに参加したり、ギャラリーに所属して作品を販売している、いわゆる【プロのアーティスト】ですのでリアルな話を紹介させていただきます。
ギャラリーストーカーのリアルな被害は?
まとめると女性アーティストへのストーカー行為全般です。
コレクターのように装って女性アーティストへ近づき、プライベートな事を根掘り葉掘り聞きだそうとします。
個人情報全般ですが家族構成、結婚やお付き合いの有無、住んでいる場所を聞かれる。
作品ではなく作家の写真を撮る、握手などで体に触ろうとする。
きわめつけは2~3時間くらい付きっ切りで接客させたとも聞きました。
はい。アウトです。
中には
『嫌なら断れば良いのでは?』
と感じる方もいるかと思われますが、このような卑劣な行為をする人間は【立場の違い】を盾にして近づこうとしてきます。
アート作品と言うのは嗜好品で若手作家と言えどそれなりの金額がします。※安くても数万円、作品の内容によっては数十万円も・・
つまり、簡単に売れるモノではなく且つ価格も高いため、駆け出しのアーティストはコレクターよりも商業的には弱い立場になります。
私は美術品を売る事が目的ではない!という方も一定数いますが、多くのアーティストは金銭的な対価を得ないと生活が難しいです。
このような立場の違いを利用して近づいてくるのが【ギャラリーストーカー】という存在です。
ギャラリーストーカーは作品を買わない
私の知る限りですが、ギャラリーストーカーは作品を買いません。
立場を利用してアーティストに近づきたいためです。
また、ギャラリーという文化的な場所にいる自分に酔っている節もありますよね。
ただ、作品を買えばギャラリーストーカーのような振る舞いをして良いか?と聞かれると絶対にNOです。
誤解がないように言わせていただくと、買わないとギャラリーに行ってはダメ!という事ではありません。むしろアーティストたるもの少しでも多くに人に自分の作品を見て欲しいと考えています。※考えていない方にはすいません
個人的には人の目に触れて作品は輝いていくと感じています。買わなくても作家と話して作品のコンセプトや想いを聞いていただき、相手が嫌がる事はダメですよ!という話です。
ギャラリーストーカーの対極にいるのはパトロン
余談ですが、アートの世界には【パトロン】という言葉が存在します。
ギャラリーストーカーの話をするとパトロンと同じ認識をされる方もいるので、業界人としてそれは違いますよ!と説明させていただきます。
パトロンとはアーティストが創作活動に集中できるように経済的な援助を提供し、作品の制作や公開、普及を促進する役割を担っています。
現在、パトロンと聞くとネガティブな印象を思われがちですが、歴史を紐解くとアーティストにとっては非常に良い役割を果たしていました。
歴史上最も有名なパトロンはメディチ家と言われ、教科書でも習っているのではないでしょうか?
メディチ家はルネサンス期のフィレンツェで多くの芸術家をパトロンとして支援し、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ボッティチェリなどがその恩恵を受けたと言われています。
このようにパトロンによる支援が合って偉大な芸術家を生み出した事実もあります。
個人的には、お金やチャンスは与えるけど口を出さないパトロンが良いパトロンかなと思います。
ギャラリーストーカーから身を守るためには?
これはギャラリーや学校の職員などアーティスト以外の人間も協力する必要があると感じています。
やはり、女性作家本人に対応されるのは酷です。怖いです。ギャラリーストーカーをするような人に冷たい態度を取ってしまうと、逆上され更なる被害にあってしまう可能性があります。
美術業界の事を考えると一人でも多くのアーティストを生み出す事により、多様な感性が生まれ、結果的にアートの世界感が広がっていきます。
そのため、アーティストを守る義務があります。
なんならギャラリー側はアーティストにお金を稼いでもらっており、学校側は美大生からお金をもらっている立場なので当然守る義務があると感じていますが、みなさんどうお考えでしょうか?
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