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投資講座第13回「人生一度きりだからこそ、カメのように勝てる投資を」

 このシリーズは、南山堂さんの月刊誌『薬局』にて2019年4月号から2020年8月号にかけて連載していただいた「薬剤師にもできる!将来幸せに働くための投資講座」をベースに、読者の範囲をもう少し広げて、データや戦略を更新し、大人の事情でカットされた部分を追加して書き直す連載企画です。2022年度からは隔月の連載とし、引き続き初心者向けの注意や解説、時事的な相場観、運用状況の報告などを続けていきます。
 なお、本記事の中では特定の金融商品や銘柄、投資手法を紹介することがありますが、投資判断はご自身でお願いいたします。よって失敗しても責任は取れませんが、知らせてくれたら一緒に悲しむぐらいはします(^^;)

 弱気相場になりました。
 「弱気相場」ってのは雰囲気的には個人で色々感じ方があるでしょうけど、一般的には代表的な株価指数が直近の高値から20%以上の下落に至ると弱気相場と言います。
 例えば、米国株の代表的指数であるS&P500は、2022年1月3日に終値ベースでの高値4796.56を記録していますが、ここから20%下がると3837.25となり、6月13日にこれを下回ったので、それ以降弱気相場入りしたということができます。日経平均の場合は2021年9月14日に30669.88円の高値を記録しましたが、今年3月9日に24717.46円(19.4%の下落)で持ちこたえてその後少し戻してるんですが、まあ日本株の売り買いの大部分は海外の投資家なので、ドル建てで見てみるととっくに弱気相場入りしていることになります(盛大な円安でドル建てでの価値は大きく目減りしています)。
 弱気相場入りの何が良くないかというと、やはり多くの投資家が投資行動に慎重になることで株価が上がりにくくなることが挙げられますし、それで実際に株価が上がりにくいと企業も株式発行などでの資金調達が難しくなります。そういうところから金融を取り巻く環境がギクシャクしはじめると、お金の巡りが悪くなって実際に不況がやってくる……ということなんですね。
 それで、その過程では、それまでビュンビュン値上がりしてた投資対象が激しく値下がりして、調子こいて取引してる人が真っ先にやられて退場を余儀なくされるわけです。「退場します」でTwitterとか検索すると色んな人が大切な資産を溶かして投資のステージから去って行ってるのが見られますが、そういう人らはなんでそんなことになったんでしょうね?

 てゆーか、どういう投資をしておけば良かったんですかね?

 もちろん、あらゆる投資は成功するかどうか事前には分からないし、今更「たられば」で語っていても未来に活かすことはできませんので、初心者はどのようにして投資に取り組んでいけばよいのか、ここまでの連載で口を酸っぱくして書いてきた投資信託の積み立てとは少し角度を変えた話をしてみたいと思います。

結局みんな何に投資しているのか?

 よく見かけるデータに、以下のような図があります。

資金循環の日米欧比較(2021年8月20日, 日本銀行調査統計局)より転載

 日本人は金融資産の大半を現金と預貯金で持っているという話です。株は10%、投資信託に至っては4.3%しかありません。これじゃ資産運用してないようなものですよね。
 とはいえ、上記グラフは金額がベースなので、投資をやってる人の割合が分かるわけではありません。そこで、割合を調査したデータを探してみました。

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