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エッセイ

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記事一覧

パニックで大金を払う癖をやめたい

パニックで大金を払う癖をやめたい

二度目。これで二度目だ。

私はソロ旅行が好きなのだが、旅行していると予定外のトラブルに巻き込まれることもある。
荷物がなくなる、人と揉める、体調を崩す…いろいろなトラブルがあるが、幸い私はそういったトラブルに見舞われたことはほとんどない。

代わりに「移動手段が予定変更になる」という経験はある。

これで二度目だ。

一度目は、旅行のしょっぱなで躓いた。
飛行機の時間を勘違いしていて、旅立ちの最

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古書店と古本屋

夫に誘われて、古書店フェアに行った。
近郊の古書店がそれぞれ1テーブル分の商品を並べる。それぞれの店のカラーが出ていて面白い。

「このお店の本、どれも興味をくすぐられるなぁ」という棚もあった。1冊100円から売っているものもあるが、されど100円。
いわば、興味度が50点のものが100円で売っているとして、興味度50点のものは10冊も20冊もある。切り詰めているニートにとって千円単位の出費は痛い

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例のnote

インターネット上では…というかTwitter上では、毎日のように「バズっている話題」が生まれては、忘れられていく。
「今日の職場での話題」がテレビのニュースでもYahoo!ニュースでもなく「Twitterの今日のバズ」になる日もある。
野次馬根性で一時的なお祭り騒ぎを観測するのを悪趣味な趣味として楽しんでいるが、しかしこういう趣味は決して自分を良い気分にしない。なんだかモヤモヤしたりイライラしたり

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思い出し羞恥

ふとした時に、ふと頭に浮かぶ嫌な記憶や恥ずかしい記憶。
それは1年前の出来事もあれば20年前のこともあるのだが、その時の自分はあまりに幼稚で稚拙で、思わず「あぁぁぁぁあ」と叫んで暴れたくなってしまう。
勘弁してほしい。急に現れないでほしい。心の準備ができていないのに、「よっ」てな感じで出てこないでほしい。

さっき思い出したのは、クライアントの前で協力会社さんとバチバチにやり合ってしまったこと。

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Jimmy O. Yangで海外の人種ジョークがやっと分かったーまたはリベラルが保守に揺り戻される話

ジミー・オーヤン Jimmy O. Yangというアメリカのコメディアンがいる。
私はドラマ「シリコンバレー」で彼を知り、スタンドアップ・コメディアンであることをなにかのプロフィールで見た。彼のショーがアマプラで配信されているのを最近知った。

動画は2020年のステージと、2023年のステージの2本が配信されている。

https://watch.amazon.co.jp/detail?gti=

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おっとりホースに夢を賭ける

おっとりホースに夢を賭ける

地方競馬にハマっている。
1頭に100円だけを賭ける、ささやかな楽しみだ。
ニートだと感情が昂るタイミングがあまりないので、走る馬たちの躍動を間近に見て、1分30秒でハラハラドキドキしたり、声を上げて馬を応援したりするのは1日の中の良いスパイスになる。
競馬場も新規層取り込みのために努力しているので、場内は清掃が行き届いていつも清潔に保たれているし、案外、治安も良い。

少し暖かさが戻った晴れの日

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雨が止んだら

雨が止んだら

通りを歩くと、ジンチョウゲの甘い香りが鼻をいっぱいに満たす。

三月の後半は雨が多い。
卒業シーズンに咲いた桜を散らす雨だ。

今年は寒さが長引いて、桜はまだ咲かない。
この雨が止んだら、雨粒をかいくぐって桜が満開になるだろう。
春の嵐に花弁を散らすだろう。

善意に寄ってたかられる

車椅子ユーザーの話題が人々のなにかの蓋を開けたようで、いろいろな話がタイムラインを通して飛び込んでくる。
「電車で一度、席を譲った相手にマークされてしまう」みたいな話にはすごく「わかるー!!」となってしまった。「わかるー!!」とはなったものの、私は電車で席を譲った人にマークされた経験はない。なのに、この「わかるー!!」はどこから来たのだろうか。

私は「なるべく人に譲り渡すという善行を積極的に行い

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おじいちゃんたちの安産祈願

行きつけのお寺に詣った。
よく晴れてお出かけ日和ではあるが、すれ違う人は少ない。今日は1人で静かにお詣りできるかな、と思いながら本堂に入る。

先客の夫婦が石油ストーブに当たりながら座っている。キョロキョロと落ち着きなく、あまり来慣れていないらしい。
2人を差し置いて先にお参りしようか、と賽銭箱に近づくと、本堂の中で住職さんがなにやらゴソゴソとお勤めの準備を始めた。私はこのお寺に何度も通っているが

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<黒人>に関する私の眼鏡

チママンダ・アディーチェの『アメリカーナ』という小説を読んだ。
ナイジェリアで育った女の子がアメリカの大学に進学し、そこであらゆる人種のことに直面しながら、大学生らしい恋愛や友人関係を経験する恋愛ドラマだ。

訳者後書きにあったように、この小説を読んで「黒人」というものの解像度が私の中でずいぶん変わった。

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日本の地方都市で人種を意識せずに

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海外ドラマ『THIS IS US』シーズン4まできた

そろそろ辛くなってきた。
シーズン1の第1話がピーク。
それでもシーズン1は最後まで楽しめたが、シーズン2以降は少々苦しくなってきた。

シーズン1はとても自然に伏線を散らばらせ、華麗に回収していた。2以降は、「急になに?」という新設定をばら撒いて、「ほーら回収しましたよ」という回が後で来る。10話かけてひたすらあれこれ散らばらせて、次の1話で回収、続く10話はまた散らばらせる…という感じ。
さっ

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母も私を「かわいい」と思っていたのかもしれない

ホットケーキミックスの可能性に気づいた。

夫とともに、ホットケーキミックスを使ってホットケーキ以外のお菓子を作ることに目覚めている。
ココアパウダーを追加してブラウニーを焼いたり、アイスボックスクッキーにしたりしている。夫はパウンドケーキが好きなので、それらしきものを作っている。
どれも「ホットケーキ味」になるのは難点だが、材料が高価なお菓子作りにおいて、ミックス一袋、卵、油、牛乳で済むというの

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母とのことと、義両親とのこと

母は自宅で教室を営んでいた。
子どもから高校生くらいまでの生徒が、放課後に入れ替わり立ち替わりでレッスンに来る。その短い合間を縫って母は夕飯を作り、レッスンが終われば私の塾のお迎えに来る。

「働く女性」と「家にいてくれる母」を同時に実現するこのスタイルは、子どもながらに私は良きロールモデルとして「ありがたい」と思っていた。

私が高校一年生の時だった。
その日は私にとってわりと良い日だった。結構

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海外ドラマ『THIS IS US』を一気見した結果

邦題は「36歳、これから」
35歳の私にこれほどぴったりな作品があるだろうか。

アマプラのおすすめに出てきて、映画かと思ってウォッチリストに入れていたら、ドラマだった。

それもよかろうと思って見始めた。

1話目からぶっとばされた。

先がどうなるのか気になって、徹夜で一気見して、1シーズン見終わってから判明したのは、これが6シーズンもあるということ。
今日は1シーズンで諦めるしかない。

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