友達のこと①

今年はnote更新したいな、と思ったまま1か月が経ち。

これまで仕事柄、定期的に文章をアウトプットすることが多かったので気づかなかったけれど

昨年仕事が変わり、アウトプットしないことは自分にとってすごくストレスになっていた。

アウトプットというか生産というか?

Twitterでフォローしている誰かが、詰まった時には生産しなさいと言われたと言っていたことを思い出した。

そう思ったら思ったときにやってみようと、上島珈琲店でテザリングしながら何でもいいので書いてみます。


私には致命的に絵心がない。

小さいころから絵を描ける人になりたかったけど結局なれていない。その努力もしなかった。

お話も普通に読める程度のものや、すごく書きたかったネタやキャラについては書けるけれど定期的に質の高いものを生むことは難しい。

し、正直外側からの評価がわからないので「読める程度」は実際は「つまんねーよ!」かもしれない。

もちろん匠にもなれない。


だからと言っては何ですが

本当に散文というか私自身が考えていることを吐き出しているだけにすぎないものが出来上がると思う。

誰かに見せて評価してもらうなんて心意気はなく、

思い出だったり当時考えたことだったりを書いてみようと思う。


友達のこと。

大学入学して出会ったEちゃんのこと。

ちっこいけど凛とした空気があって、ノリが良くてだいたいふざけてるけど根っこがとても自律している。

意志が強くて頑固なところもあってわがままに見せるけど、とっても愛情深くて信頼できる友達。

「デスパレートな妻たち」という海外ドラマに出てくるガブリエル・ソリスみたいな子だ。

キュート。グラマラス。気分屋。ハートフル。


出会ったのは大学入学直後、語学のクラスが一緒だった。

マンモス大学の法学部には「クラス」という概念があり、

2年間必修の第二外国語(週2コマ)で分かれていた。

体育・英語の授業もクラス単位だった。

週4コマ分の必修が決められていると、取れる授業が限られてくるので

なんだかんだ1年目の大半はEちゃんに限らずクラスの人と一緒だった。


初対面に戻る。

Eちゃんは突然話しかけてきた。

クラスで集まった後、大講堂みたいなところに移動する途中の廊下だったと思う。

私の服の裾をくいっと引っ張り、振り返ると「ねえ、昨日**の話聞いてた?」と。

今思えば人見知りなEちゃんが、ものすごく歩み寄って頑張ってくれたんだと思う。

私の人見知りとは少し種類が違うけど、Eちゃんは打ち解けるまでなかなか目を見て話さない。

それを指摘すると否定する。

だから、なのか、なのに、なのか接続語はわからないけれど。

私は「うん、聞いてたよ」「聞いてなかったの?」とまだ名前も知らぬ彼女に返した。

名前を聞いたのは大講堂に到着してからだと記憶している。


東京の中高一貫女子高で育ったのに男兄弟が2人いるEちゃんは

外見はキュートで洗礼されてるのに

中身は男前で口が悪く(態度もちょっと悪く)

めちゃくちゃフレンドリーで面倒見がよかった。

(ちなみに私には兄がいて女子高出身で、ここまでパッと聞く限りの環境は似てるんだけど、けっこう違う。後述されていく)


私には同じ高校から東京の大学に来た友達は少なく(そもそも友達少ない)、

知らないことも知らない場所も知らない食べ物も山のようにあったけれど

彼女は私に色々な体験をさせてくれた。

それも、私に田舎出身な劣等感を感じさせることもなく。

偉ぶることも知らないことを馬鹿にすることも過剰に気遣うことも、

その言葉や態度に1ミリも感じなかった。

当時は気づかなかったけれど、本当にすごいなと振り返れば思う。


Eちゃんは高校までの友達がたくさんいてよく話してくれ、会ったこともないのに私はその子たちに詳しくなった。

いろんな人がいすぎて聞いていてとても楽しかったし、実物に会った時にはなんだか昔からの知り合いのように感じた。


私はEちゃんが大好きだったけれど、自分が好かれているかの自信はずっとなかった。

友達でいて、Eちゃんは楽しんでくれているのか怖かった。


Eちゃんは酔っぱらうとぺろんぺろんになりながら、私への好意を表現してくれた。

そのたびに私は救われた気持ちになった。

私の、自分への自信のなさすら気づいていたとしたら

もうEちゃんはエスパーなんだけど、たぶんそういうのでもない。

ナチュラルにできてしまうのだ。


外には見せない劣等感というか引け目みたいなものをお互いに持っていて、

そういう意味で似たもの同士だったのかもしれない。


Eちゃんとは3年生でやや疎遠になる。

卒論がない代わりに2年間のゼミが必修で、どのゼミを選ぶかでわりと通学状況が変わるのだ。

私は2年のときに授業を受けていた先生が好きで(超厳しいけど絶対ツンデレだって思ってた)、民法を選んだ。

Eちゃんはもちろん別だった。

同じゼミを選ぶという考えは0で、相談しつつも目指すものが違うんだから選択は異なって当然だった。

空き時間が増え、時間の縛りがなくなることでお互いに選択する授業も変わった。

だから大学で会うことがほぼなくなった。


一緒の授業もあったけれど、試験だけでOKなゆるいやつで

試験日にしか会うことはなかった。

夏休みに何人かで旅行に行くとか、誰かの誕生日には飲み会やるとか、

そういう節目には集まったものの日常的に何してるのかはお互いに不明だった。

私は就職活動、Eちゃんは進学試験という次のマイルストーンが異なっていたため

その途中で接触する機会が減っていたのだ。

とはいえくだらないメールを送りあい、会えば話し込み、別れた後でも電話したりする

気持ちがつながった友達だった。


だから話はぶっ飛ばして、社会人3年目くらいの出来事。

私が仕事でボロボロになってて、Eちゃんは大学院に行っていた。

Eちゃんちで手料理をごちそうになることがあった。

広くはない部屋で、私だったらめんどくさがってやらないもてなしを

彼女は惜しみなくしてくれた。

私が特別だったわけではない。

誰が来ても、彼女はそうするんだと思う。

何度か行った。

いちごが好きな彼女のために、恵比寿アトレの千疋屋でいちごババロアを買って急いで行ったら

いちごロールケーキが用意されていて爆笑した。


Eちゃんは引っ越し、また行った。

スーパーが遠いオフィス街に住んでいるにもかかわらず、

手作りチョコケーキのデザートまで用意してくれていた。

私はサンフランシスコ土産のワインを持ってったけど、

そしてそれは8000円くらいするやつだったけど、

当時の自分はなんだか価値感覚が欠如しているところがあり(表現難しいけどものの良し悪しというかありがたみがわかなかった)

帰宅途中に、銘柄を調べたEちゃんが「そんないいワイン空けちゃって申し訳ない!」というメールをくれて

「ああ買って帰ってきてよかった」と思った。


彼女にそう言ってもらえて始めて、そのワインに価値を感じた。

そのワインよりもずっとずっと、彼女の手料理のほうが得難くありがたいものだった。

そのころ誰かと約束してないと夕飯を食べないような生活だったけれど

身体にじんわり染み入るような温かさだった。


誕生日には必ず連絡しあっている。

その中で、私の仕事への姿勢をほめてもらえたことがあって

そんなたいそうなものじゃない、という気持ちがすごくあった。

必死にやっていることがそんな風に褒めてもらえることなのかわからなかったし、今でもそう思っている。

楽しめていないからという理由が大きかったと思う。

そんな風に心身削って仕事していた自分が好きではなかったから。

褒められると居心地の悪ささえあった。


Eちゃんはおチビのくせに包容力が半端ない。

はっきりしていて男前なんだけど母性というか面倒見がよくて、あったかい。

付き合う時間が長くなるほどに魅力的だなと思う。

表面上はノリのいい子、っていう感じなんだけど。

だから最初のうちは誤解されることもあるし、たまには弱くもなる。

ごめんはちょっと苦手だけど、惜しみなくありがとうが言えて愛情が伝えられる人。

ひねくれものの自分が、出会えてよかったと思っている人。

自分ではたどりつけない彩りをくれた。

楽しいことがたくさん増えて、苦しかったことや辛いことが軽くなった。


彼女のことを支えたいし、彼女がくれた思いに応えたいと素直に思える。

また別の機会に書きたいけれど、この「思いに応える」ってのは最近自分にとってのキーワード?

(応えなきゃとかプレッシャーではなく、とてもいい意味で私の機動力)


今は会う回数は減ってしまったけれど

お互いLINEオンラインになると2時間くらいやりとりしてしまう。

終了理由は「眠いから」で、ほんとはまだまだ話は尽きない。


そういえば私とEちゃんはわりと趣味が違う。

Eちゃんは海外ドラマは好きだけど、そこまでエンタメに興味ないし

どっちかというとリアルなものが好きだ。

だから話題は「最近の出来事」がほとんど。

共通の話題ってものは多くなくても、お互いが初めての世界を見せてくれたり

お互いのフィルタを通しているから実際のよりハードル低く感じて興味わいたりする。


思い出したことをつらつら書いただけでオチもないけれど

やっぱり私はEちゃんが大好きで

尊敬していて

一生付き合っていきたい人で

でもそんなこと本人には言えなくて

またくだらない深夜のLINEをするんだと思う。

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