道教　タオ

道教における「タオ（道）」には、物質的なものだけでなく、非物質的なものも含まれます。宇宙全体がタオの表現であり、人間もまた、自己の内にタオを持っているとされています。タオは常に変化しているものであり、その流れに従うことが大切であるとされます。

道教における修行や鍛錬には、内丹道や外丹道がありますが、どちらも人間が自己の本質であるタオに戻るための方法論の一つです。内丹道は、身体の内部にあるエネルギー（「気」や「神」とも呼ばれる）を修行することで、身心の浄化や強化を目指します。一方、外丹道は、薬物や様々な鍛錬法を用いて身体や心を鍛え、不老不死や霊的な力を得ることを目指します。

また、道教には「三宝」と呼ばれるものがあります。それは「道・教・器」であり、タオの理念を理解し、それを広めることが教え（宗教）であり、それを行うための方法や儀式、道具などが器であるとされています。

道教においては、個人の成長や幸福だけでなく、社会全体の調和や平和も重要視されます。そのため、道教の実践者たちは、自己の内にあるタオに従い、自己の欲望を抑制し、他者との調和を重んじ、自然と共存することが求められます。このような考え方は、中国の伝統文化に大きな影響を与え、現代でも多くの人々に支持されています。

タオと共に生きる　―老子から学ぶ、混乱から脱し、これからの世界を生き抜くための叡智―